厚生文教委員会協議会が開かれました。
その案件のひとつに、「図書館条例」がありました。
駅前に図書館を移転するにあたって、今の条例の「全部改正」です。
今の条例は、「目的」として「図書館とは何のためにあるのか」を図書館法に則て明記し、「その目的のために何をするのか」も具体的に書いています。
「泉大津市立図書館は、図書、記録その他必要な資料を収集し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的として設置する」。(第1条)
目的達成のために行う業務として「①図書館資料の収集整理保存及び利用に関する業務 ②自動車文庫、貸出文庫の巡回 ③映写班、レコード音楽班の巡回 ④読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等の主催及び奨励 ⑤館報その他読書資料の発行及び頒布 ⑥時事に関する情報及び参考資料の紹介並びに提供 ⑦その他必要な業務」(第4条)
今回、新しく制定しようとする「条例」はこうした記述はバッサリとなくなり、ただ、場所と職員(ただシンプルに「館長、司書その他必要な職員をおくものである」)、そして会議室等の使用料金の定め。
「あいそないなあ・・・」が率直な感想。
そこで他の自治体の「条例」を見比べてみました。
余談ですが、次々と、いろんな自治体の条例を見ていて、条例・規則の「例規集」がどこにあるのか?
わかりくいホームページが、結構あることに驚きました。
我が市のように「市政情報」の中に「例規集」があるのがあたりまえと思っていたら、そうではないようです。
中には、とうとう見つけることができずに「HPに条例がない?そんなバカな?!」というところもありました。
新しい図書館には、小さな会議室が3つと70人定員の多目的ルームがあり、いわゆる「貸室」として有料。
多目的ルームは、2時間単位で1800円の使用料。
8人の会議室は同じく500円。6人は400円。
図書館法は「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と定めています。
「子どもからおとなまで、誰もが等しく、図書館サービスを利用できる」ことを保障するのが「無料の原則」です。
その図書館の目的にふさわしい利用であるなら、会議室も多目的ルームも「無料」を原則とするのが、ふさわしいのではないか?という意見を述べました。
現行図書館の2階のスペースを、読書活動をしている団体がイベントなどに利用してきたのは「無料」であったことを確認しました。
「今の図書館は50席。新しい図書館は10倍の500席」と宣伝されてきましたが、その2割近くの90席は「お金を払わないと座れない椅子」ということになるようです。
他の自治体の「条例」を次々とみても、ほとんど、判でおしたような味気ないものでした。「図書館法10条に基づき・・・・」。
そのなかで、ぐっと響いた「条例」。佐賀県伊万里市。
伊万里市民図書館設置条例。
(設置及び目的)
第1条 伊万里市は、すべての市民の知的自由を確保し、文化的かつ民主的な地方自治の発展を促すため、自由で公平な資料と情報を提供する生涯学習の拠点として、伊万里市民図書館を設置する。
伊万里市民図書館は、この誇らかな条例に相応しく、多くの市民ボランティアが図書館運営に参加、「市民との協働」が根付いているようです。