和歌山で岸田首相に爆弾様のものを投じて逮捕されている容疑者の自宅を家宅捜索したとのニュースが流れ、容疑者自宅の画像が映し出された。私が疑問に思ったのは、自宅の所在まで明らかになり、かつまた、近所や容疑者の同級生などへ過度の取材をする意味があるのだろうかということだった。確かに、人騒がせなことをして、場合によっては大勢の人に被害が及ぶかもしれない行為を行った容疑者には同情の余地は無いと言われるかもしれないが、容疑者の家族にまでマスコミが追求する権利があるのだろうかということである。我が国では、犯罪被害者の家族に対しても、かってはマスコミは同様のことを行っていて、最近になってようやく被害者支援ということに目が行きだしたが、マスコミの横暴な行為には目に余るものがある。かといって、マスコミは、元ジャニーズ社長の未成年者に対するハラスメント行為は、早くから承知していたと思えるのに、外国のマスコミで取り上げられるまでは全く報道すらしてこなかった。結局、弱い立場の人なら矢面にしても、勢力の強い者に対しては忖度して何も報道しない。それがマスコミの実態であり、日本のジャーナリストの現実でもある。それなら、被害者家族への支援があるように、加害者家族へのマスコミ対策等の支援も制度化すべきではなかろうか。