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my diary

子育て支援策だけで子供が増えるはずがない。

2023年04月01日 | 日記
 政府は、異次元の取り組みとして、今後3年間を「集中取り組み期間」に位置づけ、児童手当の所得制限撤廃や支給対象年齢の高校卒業までの延長を明記して、「共働き・共育て」定着のため、男性の育児休業(育休)取得を促す改革も行うとしているが、果たして、それだけで子供の数が増えるのだろうか。私には子供はいないが、まず、子供がいるとすると、経済的にかなりの負担があっただろうし、時間と労力、気遣いなどが必要とされただろうと思う。勿論、その苦労には変えられない喜びというようなものもあったかもしれない。しかし、現在の生活を考えた時に、年金暮らしであっても、ある程度の余裕のある生活が送られているのは子供がいなかったこともあるのかもしれないと思う。
 そもそも、今の若い世代の置かれている状況を考えたとき、既にその親の世代の結婚年齢も高かっただろうし、50代の親の世代が、80代になった両親の介護問題をしなければならず、その上、ようやく20代になったばかりの子供の面倒まで見てやれないのではなかろうか。それで親の支援を受けられない若者世代は、結婚とか、子供を持つということに、かなりの覚悟を必要としているだろう。また、奨学金を受けて大学を出た若者にとっては、その返済問題もあるし、そもそも給与が安いという問題もある。更に、一部の恋愛上手な者を除いて、恋愛に臆病な若者も増えており、お独り様でも生活を楽しむことが出来る世の中でもある。今の若者世代が、結婚して子供を産むことに躊躇しているのに、子育て支援にばかりしか考えが及んでないのではなかろうか。
 大体、こんな政策を考えているのは、高学歴のキャリア官僚達や、親も政治家であった恵まれた二世の政治家達か、それらに迎合している学者気取りの人達かもしれない。そんなハイソな生活を送っている古びた頭の人達に、本当に異次元のこども対策など出来るはずがなかろう。それに、既に若い女性の人口そのものが減少しているのに、人口減少の勢いが止まるはずがなかろう。おそらく、今世紀末に日本の人口は6千万人を切り、200年後には一千万人台になるのは目に見えている。近い将来では、輸血血液の不足、火葬場の不足、三分の一が空き家になり、全国の自治体も半減するだろうし、それに予想されている首都圏直下型地震や東南海大地震でも発生したならば、その速度は更に早まるだろう。それ故、私は、若い世代には、他国でも通用するような何かの技能を身に付け、手遅れにならないうちに外国への移住を真剣に考えてもらいたいと思っている。この国は、明治期の産業革命を経てアジアの覇者を目指したものの失敗し、それでも米国の保護下で経済大国になったものの、それも、つかの間の夢で、成功体験に甘え、古い体質を変えることも出来ず、何か、国連とか平和憲法とかを宗教的に奉じて、1970年には少子高齢化の予測も出ていたにも関わらず、ほとんど何の効果的な対策もしてこなかったせいで衰亡への道を歩み始めたのではなかろうか。
 既に手遅れとはなっているが、それでも人口減少と、それに伴う経済的・社会的な衰退を食い止めようとするのならば、まず第一に、結婚制度を改革し、世帯単位ではなく、個人単位の社会保障や税制度にしてもらいたいし、シングルで子供を持っても生活可能なようにしてもらいたい。安倍元首相のような頑固な保守政治家にすれば、それでは、社会制度そのものがおかしくなると言うかもしれないが、子供が減り、人口が急速に減っていることこそ、将来における我が国の社会制度の崩壊につながる道ではなかろうか。そんな世の中になってしまってから、「我が国は天皇を中心とする美しい国である」と言ってみても、世界中から相手にもしてもらえなくなるだろう。英国は、多少経済的に落ち込んだと言っても大英帝国の誇りと、肌の色の違う移民すら受け入れている国でもある。それに比べて、我が国は、厳しい対移民政策を取り、そのくせ、技能研修生などの名目に隠れて外国から低賃金労働者を受け入れてきた。しかし、円安が続くと、いつまでも外国から低賃金労働者が来ない可能性もある。紛争や政治的弾圧などから逃れてきた外国人などを、人道上からも広く受け入れるべきではなかろうか。まず第一に、結婚制度の改革、学歴格差社会の改革、移民の幅広い受け入れなどから対策を始めるべきではなかろうか。
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