どうせ、ジャニーズ事務所から費用が出ている特別チームなんだから、事務所側に忖度したような提言が出てくるのだろうと思っていたが、記者会見を見ていて、事実関係についての認定、権力者と被雇用者的立場の違いによる構造的非対称性の問題、同族経営による組織的な隠ぺい体質、第三者的視点による被害者の認定と救済策、マスメディアの責任等について、これほどまでに明確に発言されるとは思ってもいなかった。流石、林元検事総長との声も出てくるだろうが、提言の通りに社長の交代があるとして、果たして、それ以外の項目がどれだけ取り入れられるのだろうかと疑問にも思った。ここまで明確に特別チームが踏み込んだということは、ジャニーズ事務所の経営そのものにも重大な影響をもたらすだろうし、単に社長が交代したぐらいでは収まるということでもなかろう。マスメディアの責任について述べた点についても、今後、テレビ局がジャニーズ事務所所属タレントをどう扱うかという問題にも直結するし、今までの、タレントには責任は無いという言い訳が、どこまで通用するのだろうか。
それと、言葉尻を捉えるようだが、林代表が、再三、会見の中で「レジデンス」と発言していたが、どう考えても、彼の言ったのは、「レジリエンス」では無かったかと思った。レジリエンスであれば、一般的には「回復力」や「復元力」「弾力」を表す言葉であり、「組織レジリエンス」ということであれば、変化していくことや、混乱を予測して対応する能力を意味し、企業が存続し長期的に発展する為には、「リスク対策」と「労働環境改善」を実現することが肝要であり、レジリエンスには、「自己認識」「自制心」「自己効力感」「楽観性」「精神的柔軟性」「人とのつながり」の6つの要素を意識しなければならない。