2.驚くべき能力を持った二人の戦士
神様とサタンの大闘争のクライマックス(頂点)、すなわち全世界が二つに分けられる驚くべき出来事が人類歴史の最終地点で起こります。しかし、この闘いは約6千年もの間続けられてきました。大闘争は宇宙の統治者である神様の権威に反抗するルシファー(サタン)の反逆から始まりました。イエス様の地位をねたんだ一人の天使の話が旧約聖書に記録されています。イザヤはその美しく輝かしい存在の反逆について、次のように記しました。「黎明の子、明けの明星(ルシファー)よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』」(イザヤ14:12-14)。
天使長ルシファーの利己的な反逆の種はあっと言う間に広がり、他の天使たちの忠誠心にも影響を与えました。そして、天使の3分の1がルシファーに加担し、大闘争が始まったのです。「また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した」(黙12:3,4)。このように始まった大闘争が6千年も続き、そして今世界の終末となって、すべての人々が、誰を支持し礼拝するかについて最後の決断をする時となったのです。
天で反逆が起きると、すぐに戦いとなりました。その戦いの結果ルシファーと呼ばれた天使長と、彼に加担した群れは天から追放されました。使徒ヨハネは天で起こった反逆をこのように描写しました。「さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された」(黙 12:7-9)。
明けの明星という意味を持つルシファー、天使長が反逆してサタンとなったため、サタンという単語には「対抗者」という意味があります。そしてサタンと神様との戦いは天から地球へと移り、最後の時代に地球上の全ての人が、神様に従いその戒めを守るのか、または戒めに背くのかを、個人的に決断することによって、全世界は二つの群れに分けられます。しかし、このような劇的なクライマックスの日が来るまで、神様とサタンの間で繰り広げられた大闘争は、人間とサタンの代理戦争という形で、日々休むことなく続けられているのです。そして神様の権威に挑み、忠誠に背いたことによって反逆が始まったように、神様の権威を表す教え(戒め)を拒み、拒否する者が滅亡することで大闘争は終結します。
サタンは天から追放されてから現在まで、彼の追従者である悪天使たちと行動を共にしてきました。サタンは神様の救いの計画を破壊し、神様の権威を転覆させるために、非常に狡猾で陰険に働いてきました。そこで、この小冊子を発行した目的は、今も真理の基礎を破壊し、神様に反逆し続けているサタンの策略を暴露し、一人でも多くの方が、真の神様に立ち返っていただくためです。
人類の歴史がエデンの園で始まってから現在まで、各時代にわたって、この世界を救うための神様の計画を破壊しようとしてきた悪の勢力は、どんどんその力を増してきました。そして、最終時代に繰り広げられるサタンの最後の攻撃は、黙示録13章に出てくる獣の姿として記録されています。神様の戒めを攻撃するために、驚くべき偽の権力が立てられるのです。悪天使たちは、人々を欺き自分たちに引き入れるために、強力な方法を駆使するでしょう。すべての人がこの問題に直面し、誰も中立の立場をとることができなくなります。獣の勢力の支配が全世界を圧倒する時、すべての人は神様かサタン、どちらに従うかを選ばなければならなくなります。
「ほかの第三の御使が彼らに続いてきて、大声で言った、おおよそ、獣とその像とを拝み、額や手に刻印を受ける者は、神の怒りの杯に混ぜものなしに盛られた、神の激しい怒りのぶどう酒を飲み、聖なる御使たちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる。その苦しみの煙は世々限りなく立ちのぼり、そして、獣とその像とを拝む者、また、だれでもその名の刻印を受けている者は、昼も夜も休みが得られない」(黙 14:9-11)。