3.生と死を分ける問題
この二大勢力の戦いの背景について説明しましたが、次はキリストとサタンの間で起こる大闘争の最後の局面について、もう少し詳しく見て行きましょう。まず、黙示録13章に出てくる獣は、神様の権威を完全に破壊しようとする反キリストの勢力であることを理解しなければなりません。黙示録13章1-7節に象徴的な言葉で表現されている反キリストの姿を注意深く読んでみましょう。
「わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた。その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに、その獣を拝んで言った、『だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うことができようか』。この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した。そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝つことを許され、さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。」
ここでは象徴的な表現で、反キリストの勢力が、神様に従う真のクリスチャンたちを迫害する光景を見ることができます。ここに出てくる龍は年をへた蛇、すなわちサタンを意味します(黙示録12:9参照)。獣の支配が地球上の全ての人に及ぶほど勢いを増すと、人々は額や手に獣の刻印を受けるよう強制されます(黙示録13:16)。この時、その刻印を受ける人々は、黙示録14章9-10節に描写された神様の激しい怒りを受けることになります。また、獣の刻印を受けた人々に対する神様の怒りが、黙示録15章1節に次のように説明されています。「またわたしは、天に大いなる驚くべきほかのしるしを見た。七人の御使が、最後の七つの災害を携えていた。これらの災害で神の激しい怒りがその頂点に達するのである」。
さらに、獣の刻印を受けた人々に振り注ぐ災難と苦痛が、ヨハネの黙示録16章に説明されています。ここではその内容について詳しく説明しませんが、今私たちが取り上げている問題は、私たちすべての永遠の生と死がかかっている重大な問題だという点を覚えていただきたいと思います。私たちは獣の正体について、熱心に研究しなければなりません。また、獣の刻印を避ける方法について、真剣に学ばなければならないのです。ですから、この問題に関しては、どんな推測や想像もあってはなりません。私たちはすべての危険がどこにあるのかを正確に知り、それを避ける方法を具体的に理解しなければならないのです。
多くのクリスチャンが、この重要な問題について、ほとんど教えられていません。この問題が自分の運命と深く関係があるにも関わらず、獣やその刻印について知ることができずにいるのです。多くの牧師たちは信徒たちの心を不安にさせないために、この問題に触れずにいるようです。彼らは「獣の心配は無用です。それは私たちが理解するには非常に難しく、複雑な問題です。皆さんが主を愛してさえいれば、何の問題もありません。皆さんは獣の正体を知らなくても信仰を持っていれば大丈夫です!」と言います。しかし、気をつけてください!神様は最後の時代を生きる私たちのために、黙示録を通して獣の危険について警告しておられるのです。獣に関する問題は、私たちの永遠の運命を決定する、重要な問題です。
もしある人が「獣の正体は私たちが理解できるものではないから、知らなくてもいい」と言ったとします。それは「皆さんが獣の刻印を受ければ、地獄の炎に投げ込まれます。それは非常に悪いことですが、獣の刻印が何なのかあえて知る必要はありません」と言っているのと同じことです。しかし、神様はそのように教えておられません。神様は私たちが、それを避けるように警告しておられるのです。獣の正体が何なのかを知るなら、私たちは皆、それを避けることができます。また、獣の刻印が何なのかを知ることができれば、それを受けないようにすることができるのです。