奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

陰影のデザインが暮らしの奥行と質感を生みだす「カスケード」的な上質空間のように、文豪に学ぶ和の上質と情緒を「和モダン」という設計デザインの奥行の思考として。

2022年11月18日 | 和モダン 思想

人生の潤いを生み出す暮らしの空間を

設計デザインのチカラで・・・・・。

やまぐち建築設計室ホームページ 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

よく考えられた場所は

人の思考や人生に

程よく寄り添います。

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

暮らしの空間を豊かに感じる

デザインのカタチ・・・・・。

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

日陰影をデザインする。

陰影礼賛(いんえいらいさん)

文学に学ぶ。

 

文豪・谷崎潤一郎氏の随筆で、

日本の伝統美を

陰翳の中に見出す興味深い作品です。

 

この随筆は僕にとっては

最初の和モダンを思考する

ターニングポイントになりました。

 

<前略>左様にわれわれが住居を営むには、

何よりも屋根と云う傘を拡げて

大地に一廓の日かげを落し、

その薄暗い陰翳の中に

家造りをする。

 

<中略>美と云うものは

常に生活の実際から発達するもので、

暗い部屋に住むことを

餘儀なくされたわれわれの先祖は、

いつしか陰翳のうちに美を発見し、

やがては美の目的に添うように

陰翳を利用するに至った。

 

事実、日本座敷の美は

全く陰翳の濃淡に依って生れているので、

それ以外に何もない。

 

<後略>※出典:陰翳礼讃より

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

便利さを追求すると

明るい空間が求められることが

多くなりますが、

人は本来、

暗がりとも共存してきたために、

どこか落ち着く、

どこか畏怖を感じたりという

感性を養って来たと思うんです。

 

勿論価値観の中で

どこまでそこに「融合するべきか」は

違いがあります。

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

 

日本の伝統的な家屋に在る

「闇を纏った薄暗い天井」

と「光が這う座敷の床」という

空間演出手法は

この随筆に学んだものです。

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

木漏れ日・・・・・。

樹木の微かな陰翳

そのものを屋根と見立てる

中庭空間です。

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

 

※和をモダンに表現した過去設計デザイン事例の住まい(和のエスプリを継ぐ・もてなしの家)

 

光が這う為の

座敷的回廊融合の広縁と

ある程度の

闇を纏う事の出来る空間美。

日本では「陰影」という

一つの概念でとらえられる事が多い

光と影ですが、

西洋や中国では

陰と影とを明確に分けて

扱われる事が多いと理解しています。

 

陰:shade

一つの物体に見られる光の当たっていない部分

影:shadow

光を通さない物体が遮ることで投影される影法師

 

光影洋の東西を問わず

光があたるところに

裏の存在として陰影がうまれます。

 

光が強ければ強いほど

陰影は強く鮮明になります。

 

視点を変えてみる事で

気付かされる二面性は

空間づくりのポイントとなります。

 

和モダンの暮らしの中で

明るい部屋というキーワードが出る際に、

僕の頭の中では

陰影をどうデザインするべきか?

思考が巡り始めます。

 

陰影をデザインする・・・・・。

 

例えば、広い草原に

一本の樹があった場合、

ここでくつろぐにはどうしますか?

 

明るさという感覚は

人ぞれぞれで本来は

実に抽象的で曖昧なものです。

 

対話の中からそのイメージを

サルベージする際に

場合によっては

住まい手さんへ「問いかける」話しなのですが、

おそらくほとんどの人が

樹木の木陰でくつろぐイメージを

持つと思います。

 

人は木陰を好む。

 

木陰に佇みながら

明るい場所を望む環境を

求めているようにも感じます。

 

深い庇に庇護された縁側から望む

庭の美しさは、

まさに陰影のデザインによる

心地良さを生み出す演出・・・・。

 

陰影をデザインする際に

イメージする原点は

木々の枝葉の隙間から

木漏れ日がそそぐような場所。

 

常に変化する「陰影」を

ある時は万華鏡として

カレイドスコープのデザインを

考えたりもします。

 

状況と暮らしの価値観に応じた

デザインのカタチを陰影に。

 

その環境を住む環境に融合させる

デザインのカタチは

暮らしの意図をひも解くように

いつも考えています。

 

自然と融合しつつも

大胆な構成も

暮らしを豊かにする手法であり

バランスを整える工夫のひとつ。

 

感性が揺さぶられるような

暮らしの空間に

居心地をゆだねてみませんか?

 

住宅設計デザインの付加価値で

味わう事の出来る暮らしの心地。

 

暮らしのカタチを丁寧に

愉しみと価値を生み出す

空間デザインが持つ魅力ある住まい造り。

 

 

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やまぐち建築設計室
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やまぐち建築設計室
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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