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初産で、母親も父親も実に若い。多呼吸がしばらくあるかも知れないなどといつもの説明をしたが、父親だけが、顔が異常に引きつっている。
付き添いの人にいつも言っていること、「小さくて心配でしょうが、赤ちゃんは、赤ちゃん自身で生きる力がありますので、それを信じて下さい。小さな赤ちゃん、何も分からないと思うでしょうが、そんなことはありません。何も言えなくても右の脳が発達しているので、大人の雰囲気を察知して不安になりますので・・・」と。
医療側にとっては、お産は、いつ何が起きるか予想が付かない。特に、生まれる直後は急変するので、不安と背中合わせの状態で取り扱うことになる。お産する方は、正常で元々って感じに思うことが多いかと思う。そこには、医療側と患者さん側に、大きなズレがあると思う。
子どもの少ない時代、親の期待が大きいだけに、何かあったら大変だ。しかも、昔と違って、難産のケースが多くなっている。医療現場では、ベテランの医師も判断に迷うことも多い。結果論で攻められると、医療側のやり気まで奪われてしまいかねない(産科医の中には、訴訟を恐れて、分娩を避ける人もいる。統計では、産科医は、50年に1回の頻度で訴訟に巻き込まれいる。)。
医療側が身を守る意味で万が一のことを強調し過ぎると、患者さん側を過剰に心配させることにもなる。
今の時代だと、「今の所(!)は、特に問題はないですが・・・」との言い方しか出来ないなあ。しかも、言ったことをカルテに記載して証拠を残しておかないといけない時代にも既になってしまったかな?!