日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

自分の精神との闘い・・・

2009-11-04 14:55:59 | Weblog
 11月3日(火)の文化の日の午後、第57回全国剣道選手権大会の模様がNHKで放映されていた。
 全国それぞれから地方で勝ち進んだ来た64人の強者の中から、16強が勝ち進み、熾烈な闘いになっていた。正に、紙一重。
 10分間で2本取れば勝ちとなるが、解説者の話では、一本取った後が、大変とのこと。一般の人の考えでは、一本取れば楽になるからいいと思うのだが、実際はそうでない、・・・一本取ると、気持ちの持ち方が変わることが多い為に、それで、結局は負けてしまうことが多々あるとのこと。
 優勝した内村良一5段と今年の世界選手権優勝者である寺本将司6段との準決勝が、天王山って感じに思えた。先に、小柄な内村選手が1本取ったが、時間間際で寺本選手が1本取り返して、延長戦になったが、内村選手が再び取って、かろうじて決勝に進んだ。
 決勝戦では、同じ場所で練習しきている同期の高橋秀人5段(東京都)との闘いとなった。共に相手を知り尽くしているので、それを見抜かれない様に、完全にリセットした感じで立ち向かわないと勝てないと、素人には解る様な解らない様な解説が、解説者からされていた。
 面を見事に取って、内村選手が3年振りに優勝した。29歳の内村選手は、優勝インタビューで、「3年前に優勝した後、ぶつかって落ち込んでしまって、一時は、全国大会にも参加出来なかった。その時、周囲の人が助けてくれて、そのお陰です・・・」って感じで謙虚に言われていた。素晴らしい!(拍手)
 ところで、内村選手は、熊本県の九州学院高校出身で、1回戦から決勝の6回戦まで、全て延長戦(!)で勝っている。常に攻めの姿勢、集中力を欠かさない、粘り強い、諦めない、感謝の気持ち、謙虚さ、それらを全部持ち合わせていたことが、今回の勝因かな?
 一昨年優勝した寺本将司6段は、熊本工大高等学校(現在の文徳高等学校)出身、昨年、上段の構えで面を取って優勝した正代賢治5段も、八代東高校出身で、この4年間、全て、全国一になった優勝者は、熊本県出身だった。(偶然にしては、出来過ぎですね。)
 今でも、印象に残っているのは、全日本剣道選手権大会で6回も優勝し、連続優勝をした時の宮崎正裕選手のインタビューの言葉である。
 「県の代表として全国大会に出られるのも、大変ですから。一試合、一試合、やっと勝ってきて、たまたまそれが優勝に結びついただけです・・・」って感じで言われていた。
 タイガーウッズが言っていた、「絶えず、向上心が大切です・・・!」と。
 イチローが言っていた、「小さな事の積み重ねですから・・・」と。
 自分の精神との闘いだなあ・・・・?!

*写真は、5年前、ニュージーランドのオークランドにある剣道の道場で、和太鼓の演奏している私。日本で修行した7段のニュージーランド人が、道場を開いていました。 

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よく解っていないことが多い中で・・・

2009-11-04 08:54:43 | Weblog
 医療する上で、よく解っていないことが多くて、返答に困ることがある。
 「タミフル、大丈夫でしょうか?」との質問が多くなっている。どうなのだろうか?正直、私もよく解らない。
 (この1週間だけの診療上での話であるが)タミフルを上げた後に、フラフラして来院した子どもがいた。母親が、「2回しか、タミフル上げていないですけど・・・」と言った。又、ある別の親御さんからは、「前、タミフルで肝機能が悪くなって入院しました・・・」と言われた。又、別の親御さんからは、「この子、タミフル合わないんでよ。前、副作用がひどくて・・・」と言われた。
 WHOも国も、ひどくなるケースには、抗インフル剤を勧めている感じだが、実際は、どうなのだろうか?リレンザにも、副作用が報告されてはいるが・・・。薬だから、人によっては、副作用が強く出ても不思議ではないと思っているが、・・・漢方薬にも、人によっては、副作用があるし。
 昔、解熱剤として、アスピリンをよく与えていた。アスピリンが解熱剤では一番安全で、特に、ドイツのバイエル社のアスピリンが一番いい何て感じに思っていた。
 ところが、インフルエンザで「ライ症候群」が多発し、これが、アスピリンのせいだとアメリカ政府が結論付けて、アスピリン禁止となった。で、その後、アメリカでライ症候群が激減した結果、やはり、Reye症候群の原因がアスピリンと認めざるを得なくなり、日本政府も重い腰を上げて、日本でのはっきりとしたデータがないまま、インフルエンザ時のアスピリンが中止となった。
 その後、ボルタレンやポンタールも、インフルエンザ時には、使用を控える様に言われ、更には、普通感冒にも控える様になり、今では、解熱剤としては、アセトアミノフェンが頻回に用いられる様になっている。
 アセトアミノフェンの添付文書には、原則的には、座薬は1日1回、内服は、1日2回、5日間までとあり、それに、子どもに対しての安全性ははっきりと認められているとは書かれていなくて、安全と思われると言った感じで記載されている。薬物での肝障害で一番多いのは、アセトアミノフェンであり、欧米では、自殺目的で使用しているケースもある。
 現在、アメリカでは、乳幼児が医師の処方箋なしで買える市販の風邪薬が中止になっている(抗生物質の使い方も、ガイドラインが出され、耐性菌出現の問題で、厳しくなっている。)。が、日本では、抗ヒスタミン剤や鎮咳剤の入った市販の感冒薬が、まだ、中止になることなく、販売され、外来診療では、抗生物質を必要以上に求める患者さんも、現に存在している。
 漢方薬にしても、気軽に買えるが、しかし、これも、下手に長期に証が合わなくて使用すると、危なくなるのではと、私自身は危惧しています。
 医学がよく解らない中で、医療はもって理解が難しく、それに、個人差があり、しっかりとした結論を出せるまでには、それなりの時間が掛かります。
 熊本の水俣病に携わったある関係者の話ですが、初めに水俣病の疑いで(水銀中毒だろうとのことで)厚生省に、熊本大学医学部の関係者が出向いて説明した時に、威圧的な態度で一喝されたとのこと。しかし、現実に、今では、認められているし、もっと早くから謙虚に現場の医師の意見が認めていたら、これほどひどい結果にはならなかったと思われます。
 現場の経験が、上に立つ厚生労働省の医系技官にしっかり届くシステムを出来るだけ早く構築してもらいたいたいと願ってやみません。

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