日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

○○校長先生へ

2009-11-25 18:10:39 | Weblog
○○校長先生、こんにちは。
 先日、校長先生から電話を頂きましたが、改めて、インフルエンザに付いて述べたいと思います(先日の話とダブル箇所が多いかと思いますが)。
 インターネットにいろんな情報が載せられていますが、情報がいろいろと交錯していて、学校での判断に迷われる場合が多いかと思います。私の私見もありますが、以下の様に考えています。
・検査は診断の上では万能でない。
 今回の新型インフルエンザでは、感染していても、12時間以上経っていても(発熱して12時間以内では、検査しても、陰性のことが圧倒的に多いので、発熱12時間以内では、原則その検査をしません。)、検査で陽性になるケースは、6割前後(?!)でしかありません(いつもの季節性よりも感度が悪い気がしています)。つまり、陰性でも、インフルエンザにかかっていることが多々あるということです。それで、診断は、総合的に判断しています。検査で陽性だと確かなのですが、陰性だと、迷うことしばしばです。
・治療・・・原則的に、9歳までの子は、タミフル、10歳からはリレンザを処方しています。
 が、それを上げたからと言って、インフルエンザ脳症にならないと言うことは、証明されていません。(急性脳症になっているケースは、やはり、基礎疾患がなくても、その子の免疫力がそれなりに低下しているからではないでしょうか?)
 ワクチンの効果ですが、確かに、掛からない人もいますが、ワクチンでは鼻粘膜や気道の抗体IgAが上がらないので、その感染を防ぐことは出来ないが、血液中の抗体IgGが上がっているので、重症化が防げると言うことになっている様です。
 家族で新型のインフルエンザになった人がいても、同じ部屋で寝起きをしているのに、兄弟間や親子間で、一方がどうもないケースもあります。
 又、ワクチンしても、5カ月間を過ぎると、抗体価も下がって来て、かかることになります。今年は、4月や5月、季節性のワクチンを打った子どもさんが、B型のインフルエンザになって沢山来院しました。(かかれば、しっかりと同じ型に対して抗体が出来るので、最も強い感じで免疫力が付いたと言うことになります。毎年少しずつ型が変わりますが、3年近くそれなりに有効?!)
・当院の私の治療。
 幸い、今回の新型インフルエンザでは、症状が重症の子、当院では今の所ない様です。当院では、初期から漢方薬(葛根湯など)を上げているからでしょうか。又、熱で興奮してきつそうな場合も、漢方薬(黄連解毒湯などを使用、当院ではその座薬まで作っています。中国では、黄連解毒湯の点滴をしているそうですが?!)の注腸で処置しています。とてもよく効いている様で、漢方薬だけで経過を見ているケースもあります。
・予防の効果。
 「マスク」と「うがい」と「手洗い」がどこでも勧められていますが、マスクは、掛かった人が他人にうつさないのは有効ですが、うつらない様にするには、やや難しいと思っています。又、うがいは、ウイルスが咽頭の細胞に入ってしまうと、うがい程度では取れない訳で、あまり有効でない気がします。ただ、気道を潤していると、気管の線毛運動の機能が低下せずにいいので、しばしば水分補給はいいかとも思っています。インフルエンザの伝播の仕方は、主として飛沫感染ですので、手洗いは急性胃腸炎のノロウイルスやロタウイルスには効果があると思いますが、インフルエンザに関しては、皆が思っているほどないのではと思っています(家で、暖房をしていれば、濡れタオルを掛けたり、水を入れた器を置いたり、加湿器をしたりすれば、それなりに湿度が上がるので、インフルエンザウイルス撃退にはいいかと思います。)。個人的には、マスクとうがいと手洗いでは、手洗いが一番効果ありかなとも思っていますが。(目にはゴーグルめいたものを使ったり、宇宙服めいたものを着て備えたり、ウイルスのいない南極に行ければ、完璧でしょうが・・・)
・インフルエンザにかかった場合。
 当たり前のことですが、しっかりと休むことです。流行を防ぐには、隔離に優るモノはありません。学校休みの期間ですが、常識的には、初めの発熱から1週間、こじれている場合は、それ以上のケースもあるかと思います。かかったかなと思えば、出来るだけ早めにサッと葛根湯を服用するのもいい方法ではと思っています(葛根湯は、気軽に、薬局でも買えます。夜だと慌てることなく、家で、小学生でも大人並みに初め多めに1包服用するといいでしょう。そして、翌朝、医療機関にかかるべきかどうか、決められるといいと思います。)。
・普段からの注意。
 やはり、免疫力を高めておくことが大切と思います。規則正しい生活をし、早寝早起きをしっかりと守り、充分に睡眠を取って、バランスのある食事(甘いモノを食べると、ビタミンが不足がちになるので、あまり摂らない。又、冷たいモノは、体を冷やして酵素の働きを抑えるので出来るだけ控える、体が温まるショウガなどを摂ったり、野菜を温めて摂る。人参や柿などのβ-カロチンを含むモノを摂ったり、キノコ類を多めに摂ったり、タンパク質をしっかり摂って、キムチなどの発酵食品も摂って、免疫力を高める。)、適度の運動をし、姿勢を正し(姿勢が悪いと免疫力が低下します、犬食いの姿勢で食べる子どもさんが多くなっていますが、姿勢をしっかりと常に正すべきです!横から見て、Cの型でなく、Sの型になる様に)、気の持ち方に気を付け(もちろん、プラス思考がいいです!ストレスを溜め込んだり、気が抜けていたり、又、緊張が急に取れてホットした時に、発病する様です。)など、常に、インフルエンザの時期は、免疫力を高めておくことが最も大切なことではないかと、私自身は思っています。
田原正英(60歳、上天草総合病院アルバイト医、今年の3月末で、一応、退職しています。)

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ニッポン人の忘れもの・・・

2009-11-25 08:59:04 | Weblog
  11月22日(日)、たけしの日本教育白書「探そう!ニッポン人の忘れ物~第3夜~」が延々と民放で4時間半もありました。(その一部しか見ていないが、・・・)
 その中で、94歳の現役理容師おばあちゃんの姿、考えさせられました。料金表示なし、家庭の事情で少ししかもらえない人がいたり、反対に、高くもらえる人もいるとか。散髪中に、お客さんが気持ち良さそうに眠ってしまったら、起こさないとか。
 23歳で結婚し、若くして事故で旦那さんをなくし、女一つで、二人の娘さんを育てている。その内の娘さんを一人亡くし、その形見としてのカミソリを使って、仕事をしている。
 自分の住み場所の二階には、今だかって、男性を上げたことがないとのこと。亡くなった主人に悪いからとの理由で。
 働くこと80年、端を楽にさせる為に働いていると言う。
 「苦労したら、思いやりが出来る。楽して儲けるべきでない。・・・家の土台の石がしっかりしていないと、家は崩れる。そんな土台石は、表からは見えない。女は、家の土台石、女にはそれだけの力がある。・・・今、コツコツ働くべき・・・。」などと言われていた。

 番組の中では、著名人が作文を書いて、ニッポン人が忘れたものを読み上げていた。

 今のニッポン人が忘れたモノって何だろうか?
 私なりに、次の5つを挙げてみた。

1、日本女性の奥ゆかしさ。
 (89歳の現役女優の森光子さんも言われていたが)皇后美智子様を見ていると、正に、これこそ、日本人のあるべき女性の象徴的姿だと思わない訳にいかない。日本人が失いつつある姿を目に見える形で、しっかりと表現されていると思う。それも、慎み深く。
 日本の女性は、海外の男性にとっては、結婚するのに最も人気があると言われている(その中でも、鹿児島県の女性が一番人気があるとか?!余談ですが、私の家内は、生粋の鹿児島出身)。
 反対に、男性は、海外の女性に人気なくて、後ろから数えた方が早いが、・・・近年益々か細くなって、女性をぐんぐんリードして行ける感じの武士道をわきまえた男性、少なくなっているかな?!

2、陰膳
 家では、父親の存在が大きかった。そんな父が、夕食を摂る寸前に、父の親(私が物心付く頃、既に、父母の両親が全て亡くなっていたが)の箸を箸置きに揃えて、手を合わせて礼をして「親様どうぞお上がり下さい!」と言っていた。
 多くの家の中に、尊敬されるべき人が居た。不在でも、亡くなっていても、その存在が大きく家族をまとめる感じになっていた。
 陰膳、もう、今の日本の多くの家庭では、ないなあ。

3、絆
 夫婦や親子や親戚同士だけでなく、日本人同士の絆が昔ほど強くない感じがしている。教師と生徒との間柄にしても、社長と職員との間柄にしても、昔ほど絆が強くない感じがする。地域での人間同士の結び付きにしても同じだ。行事があっても、参加者が少ない。
 盆の時期と正月の時期になると、遠くに行ってる若者が、どんなことがあっても、故郷に必ず帰っていた。墓参りは、当たり前だった気がする。帰らないと、いろいろ言われていた。しかし、今はどうかなあ?
 親を敬い、先祖を敬い、自分が育った「ふる里」を懐かしむことが昔ほどない気がする。
 墓も、都会では簡素化しているケースが多い。日本人に何かが欠けつつある気がしてならないが。

4、夢
 昔の子どもに夢を聞くと、殆どの子どもが答えていた。今は、しっかりと答えない方が多いかな。大人も、仕事に追われて、夢が持てなくなっている感じだ。
 衣食住の最低限の豊かさが夢を奪ってしまった所もあるかと思う。

5、知足
 戦後、戦争に直接関わってない国は、世界の国々の中で1割もない。平和が如何に有り難いかを忘れかけている。
 いろいろ言っても、1億人以上を抱えた他の国と比較してみると、日本は、平均的に恵まれている。中国では、1カ月の給料は、3万円前後とのことらしい?インドでは、カースト制で、貧富の差が中国同様、はっきりしている。アメリカも、貧富の差が激しくて、健康保険に入れない人が5000万人近くもいて、今回の新型インフルエンザにしても、3000人以上が亡くなっている。インドネシアやブラジルやパキスタンやバングラデシュやナイゼリアでも、日本以上に、仕事がなくて、経済的に困っている人の割合が多い。
 「奪い合えば足りず、与え合えば余る!」って感じの相田さんの言葉、今の日本人が忘れ掛けていると思う。
 足ることを知る「知足」って言葉、よく、茶道の世界では使われるが、この知足の本当の意味を、今の日本人の多くが忘れているのではないでしょうか。

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