日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

点滴と私・・・

2018-06-14 06:24:15 | Weblog
 小児科では、脱水がひどい時、点滴をします。脱水がひどいと、血管が細くなり、血管に張りがなくなり、針が入りにくくなります。一度失敗すると、同じ箇所は、もう、しばらくは、血管が使えなくなります。次に入りやすい別の箇所を探すことになり、難易度が上がります。
 それに、子どもは、泣くので、又、親の心情を考えると、それ等がプレッシャーになって、いつも入る血管も、優しいドクターやナースだと、入らなくなります。そんな時、同じ人間が3度して出来ない時は、代わりの人がすることになることが多いかと思います。
 佐伯の救急病院に就職した時、(新生児・未熟児を含む)小児科のナースで、小児科経験者は全くいなくて、初めの頃は、全て、私が点滴をしていました。当初、1000g以下のベビーも産まれ、深夜でも、どんなことがあっても、抜ければ直ぐに起きて、入れていました。
 当時は、翼状針全盛時代で、翼状針だと、入り易いのですが、直ぐに抜けてしまうのが欠点でした。どうしても出来な時は、カットダウンしたことも(昭和51年の私の県病院時代には)ありました。
 佐伯のベビー室(→私の案で、新生児・未熟児センターが出来ましたが)で、深夜、私が難儀しながらも、点滴をしている姿を、ナースが何度も見て、ナースの方から、「先生、私たちがしてもいいですか?」と言ってもらえました。それは、その病院に就職してから、1ヶ月程経過した時でした。私が、睡眠不足状態でも、一生懸命に入れているのを見て、いたたまれなくなったのだと思います。
 嬉しかったですね。ホント。それからは、小児科のナース全員が、未熟ながらも、入院でも外来でも、私が忙しい時は、点滴に挑戦し始め、症例が多いので、飛躍的に腕を上げました。
 で、私の腕は、この15年間近くで、どんどん落ちて行き、又、ナースも、私を次第に当てにしなくなったこともあって、今では、完全にナースに頼り切っています。(天草での職場になってからは、点滴することが、殆どなくなりました。)
 天草では、私の仕事は、ナースが、点滴が入らないで難儀している時、親御さんに丁重に頭を何度も下げて、いろいろ説明して、親御さんの気持ちを和らげることでした。
 今の職場では、採血も点滴も、ベテランナースがしています。とても上手で、完全に頼り切っています。もう、私の歳は、来年、70歳ですから。
 (私、69歳ですが、まだ、急病センターに行ったり、当番医も、していますが・・・)

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母親学級・・・

2018-06-13 06:46:51 | Weblog

 平成30年6月12日(日)、13:00から30分間、母親12人の妊婦さんを前に、母親学級で話をしました。
 12人もの妊婦さん、ここでの私の母親学級では、数としては、最高でした(いつも、3~5人、1人のこともありましたが)。
 ホワイトボードに書かれた10項目を一つずつ説明する前に、次の様な話をしました。
 日本の小児医療は、周産期死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率などを見ると、世界のトップクラスです。1000人産まれて、1歳の誕生日までに、(全ての死亡を含んで)2、つまり、500人産まれて、わずか1名の死亡と言うことになります。
 日本の人口が、世界の10番目か11番目に多いのに、北海道から沖縄県までの47都道府県で、一番死亡率の高い所と一番死亡率の低い所、さほど差がないのです。これは、(マスコミは、騒ぎませんが)凄いことだと思います。
 で、それに携わっている日本の小児科医が多いかと言うと、そんなことはありません。数少ない小児科医が、頑張っています。
 例えば、延岡市の急病センターに、宮崎大学医学部小児科から、月に10回前後も来ています。19:30~23:00までそこで勤務して、宮崎市まで帰って、翌日、病院勤務ですから、激務です。(大分大学医学部小児科の先生も、月に2回、延岡市まで来て、急病センターに参加しています)。
 大学の先生、延岡市だけでなく、宮崎市や都城市の救病センターにも参加していて、そこでは、朝までの勤務となっています。(←参加している小児科医の確保で、開業医の高齢化の問題があり、この先が危ぶまれます。)
 宮崎県と大分県、隣接する鹿児島県や熊本県と違って、新設医大として、医学部が出来た関係で、医師不足が否めません。
 特に、小児科医の数、全国から見ると、人口当たり、宮崎県が一番少ない県になっています。更には、宮崎県の県北が、更に少なくなっています。

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年 金

2018-06-12 06:53:34 | Weblog
 年金を真面目に掛けてきて、年金受給時期になれば、悠々自適な生活が待っていると思って来た人、多かったと思われますが、それが、今はどうでしょうか。
 年金額が、次第に、貧弱になりつつありますが・・・。
 現実は、高齢者の半分が生活保護者となり、月10万円以下での生活者が、高齢者で、7割にも達するとのことですが・・・。
 昔から住んでいる家を手放したり、先祖から持っている山や畑を手放さないと、生活保護制度の恩恵に預かることが出来ません。憲法で保障された生存権がないがしろにされ、生活保護者以下の収入で、約200万人の人が、苦しんでいます。
https://seniorguide.jp/article/1064035.html
 定年になっても、年金をまだもらえなかったり、もらえても、それだけでは生活出来ないとなると、多くの人には、働くしかありません。身体が動く内は、まだ、それも出来るので、いいのでしょうが・・・。
 萩原博子さんが、老後資金に付いて、以下の様に説明していました。
 高齢で介護費用が必要になった場合、ある試算だと、平均独り当たり550万円ほど掛かるとのことです。夫婦二人だと、1100万円ですね。以前は、もっと必要だったのですが、介護保険制度が出来て、介護保険料を払っているので、これで一応は、足りることになります。
 医療費に関しては、高齢者は、それなりに優遇されていて、少なくなっています。それに、高額療養費制度があるので、大きな病気で入院しても、独り100万円、二人だと200万円あれば、足りることになっています(特殊に治療をしたりすれば、別でしょうが)。
 先の介護費用と合わせて、夫婦二人で、1500万円あれば、老後、病気に関しては、一応、安心ということになるのでしょうか。
 老後は、月22万は、必要とのことですが、退職後にもローンがあったり、子どもにまだお金が要ったり、親の介護となると(仕事もそれで充分に出来ないので)、貯金(や退職金)を崩して行きながらの生活にならざるを得ません。
 国の年金の230兆円ほどは、そのままで、若い人からの年金保険料がそのままゴッソリ行く感じで、高齢者の年金が、現在、払われています。今の所は、若い人が多いので何とか出来てますが、若い人が少なくなれば、この先、どうなるのでしょうか・・・?!
 今後は、現役の時から、自分の為に、コツコツと貯めておくことが必要になるかと思いますが、今の状況では、貯めることが難しくなっています。むしろ、切り崩しで、何とかやりくりしているケースが多くなっています。それで、人は、なるべくお金を使わない様にする為に、消費も減って、お金が回りませんね。この状況で、消費税を上げて10%にすると、益々、消費が減るのでは・・・?!
https://www.youtube.com/watch?v=A32b7Tf6dxw
 アベノミクス、上手く行ってないなあ・・・?! 

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人生は、ブレンド・・・?!

2018-06-11 06:50:13 | Weblog
 ホテルで宿泊した時、朝食で、(大好きな)マンゴージュースがありました。それに、牛乳を入れて飲みました。とても美味しかったです。
 別のホテルでは、野菜ジュースがあったり、トマトジュースがあったり、オレンジジュースがあったりして、そんな所では、いろいろ組み合わせることが多いのですが・・・(私の場合、カルシウム拮抗剤を飲んでいるので、グレープフルーツを飲むと血圧が下がり過ぎるので、それは、避けていますが)。
 納豆とご飯と卵、それに、鰹節や海苔があれば、それも、掛けたり刻んだりして入れたりすると、美味しさ、倍増ですね。
 こんな感じで、自分なりに、食べたり飲んだりする物をブレンドして、自分好みの味にして、楽しんでいます。
 飲食するもの以外に、住まいにしても、着る物にしても、それなりに自分好みにブレンド出来ると考えると、楽しいですね。
 衣食住だけでなく、心の持ち方も、どんどんブレンド化されて、変化しますね。
 親から言われた様な決まった生き方から、周りを見ていて、いろんな情報を得て、いろんな知恵が付いて、それなりに、変化して行くことが多いかと思います。
 今は、人生、80(~100年)年時代ですから、これから先、どう今までの自分の生き方にブレンドして生きるか、世の中の変化が早いだけに、いい例やいい情報が少ないだけに、自分なりに試行錯誤しながら、自己責任で行くしかないですね。土台、一人一人、性格から価値観から多くのことが違いますから・・・。
 海外移住したら、少ない年金生活でも出来ますよって感じで、書かれた物があります。私の場合、インターネットの情報で、月10万で、いい生活が出来るとあったので、それを確かめることもあって、15年ほど前に、タイのチェンマイに1ヶ月半余程行って、それを確認しました。確かに、月に、(当時)10万も要らなくて、セキュリティーもしっかりして、冷房も効いたアパートに、メイドさん付きで、夫婦で住むことが出来ます。しかし、そこで、実際に住んでみると、いろんな問題があり、それは、そこでやっと知ることが多いものです。
 お金だけだと、インドネシア(バリ島のサヌールに1ヶ月ほど滞在していましたが)では、更に、タイの半分の生活費で暮らせます。そこで、さほど不自由を感じなく、幸せに楽しく住んでいる人、現にいます。タイで懇意にしていた人、日本に帰る気は、最後までないと、私にはっきりと言われましたが。
 
*写真は、チェンマイとバリ島でのもの。



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人とのつながり・・・

2018-06-10 17:30:28 | Weblog
 平成30年6月6日(水)のNHKの「ガッテン」で、長生きするには、「人とのつながり」が大切で、そのことは、海外の多くの研究でも、同じ様な結果が出ているとのことでした。
 禁煙、酒を飲み過ぎない、運動、肥満防止などが、長生きする上で、大切と言われていますが、一番大切なことは、「人とのつながり」とのことです。
 そうですね、孤独が、高齢者には、一番きついですね。どんなにお金があっても、人とのつながりがなければ、人間、幸せになれません。
 1日に、少なくとも、5人以上と話すと、精神的にいい、それも、あまり話す機会がない人の方が、更には、外国の人の方が(出来れば、外国語で)
 部屋に引きこもって、人との出入りもなく、笑顔もなく、ただ、食って寝るだけだと、むなしくなります。嘘笑いをしていつだけでも、脳が勘違いして、だんだん幸せな気分になるとも言われてますが・・・。
 インターネットでの友達で、H〇さんと言う人がいました。その人、外科のドクターで、ガンで永いこと苦しんでいました。しかし、彼は、亡くなる寸前まで、自分のブログに書き込んでいました。彼は、私のブログに、しばしば(数年間)、イイネを押して頂いたり、又、丁寧なコメントもしばしば頂いていました。一度も、会ったがことがないのに、インターネット上だけでも、永いこと付き合いを続けていると、とても身近に感じて、彼の病気の経過を、最後の方は、真剣に見守っていました。亡くなって、彼が書いていたブログに、その息子さんから、彼の経過と、生前のお礼がありました。
 インターネットで、こんな感じで、深いつながりを感じたこと、初めてでした。
 ある40前後の女性が、私にこんなことを言いました、「お金持ちって、見てると、あまり幸せでないですね。家族がバラバラで・・・」と。
 そうかも知れませんね。半分それは当たりかも知れませんね。人間、大家族で住んでいた時の方が、人とのつながり、やはり、強いですね。
 小さい時から、大きな家で、それぞれの部屋を与えられてとなると、家族の一体感、薄れますね。やはり、親の台所の音を傍で聞きながら、学校の宿題をするのが、子どもにとっては、いいんじゃないでしょうか(分からない時は、直ぐに親に聞けるし)。

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子ども達は、未来!

2018-06-10 15:49:49 | Weblog
 平成30年6月8日(菌)の夕方から、宮崎駅の近くにあるホテルに2泊しました。
 宮崎市には、5月の義理の母の法事の時に、宮崎駅に寄りましたが、宿泊は、正月以来でした(5ヶ月半振り)。台風が来ていて、時々、雨が降っていましたが・・・。
 翌日(土曜日)、演奏に使うハーモニカを買いに行きました。21穴で、一番下のソの音が出なくて、それまで、時々、難儀していたので(もう、かなり使ってきたこともあって)、又、トンボの21穴の持ち易いハーモニカを買いました。
 楽器店に行く途中で、山形屋の前を通った時に、太鼓が並んでいて、聞くと、13時と15時から太鼓演奏があるとのことで、ハーモニカを買った後に、家内と一緒に、その会場で待ちました。
 13:00から25分間、高鍋町の太鼓チーム「秋月鼓童」の演奏がありました。感動しました。子ども達のバチさばき、見事でした。
 ここまで来るには、かなりの御苦労があっただろうなあ、大変だったろうなあと思いました。
 大人も一緒になっていましたが、子どもの数の方が多く、子ども達のバチさばき、大人に引けを取らない感じの動きでした。
 そして、子ども達同士が、そして、大人と子どもが、一心同体になって、無心の状態で、一生懸命に演奏していました。見ている人達も、そのチーム良さに、固唾を飲んで引き込まれていました。
 ホント、私も家内も、元気をもらいました。有り難うございました。
 今からも、多くの人に感動を与えて下さい。
 いつの時代にも、子ども達は、いろんな才能を持っています。子ども達は、社会の宝です。子ども達は、天才です。正に、「子ども達は、未来!」と思いました。


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小児科外来での出来事(その6)

2018-06-08 06:58:00 | Weblog
 今の日本では、小児科の外来での治療が、患者さん側にも、しっかりと理解出来る感じになっています。
 お薬手帳には、内容がしっかりと記載されています。カルテの記載も、ドイツ語で書くケースが次第に少なくなって、他の人も分かる様にと、日本語で書くドクターもいます(私も、日本語の方が多いですが・・・)。
 今の医療は、ほぼ、オープンですね。セカンドオピニオンを積極的に取り入れているケースもあります。患者さんから患者様と言う医療機関も、多くなりました。患者さんの要求で、理不尽と思われても、そうせざるを得ないケースも、増えている様にも思えますが・・・。
 治療上、問題があれば、レセプトをチェックする機関から、それなりの伝達事項があります。つまり、完全に把握されている感じになっています。
 それに、今までの常識を覆す様ないい治療を見つけると、隠すことなく、他の医師に教えたり、学会で発表したりしています。
 これが、江戸時代だったら、どうでしょうか?
 秘伝を弟子だけに、こっそりと教え、そうでない医師に教えることは、まず、ありません。医は、仁術だと言っても、江戸時代の医師も、ボランティアでは出来ない訳で、貧乏な人からお金が取れなくても、お金持ちからは、たんまり取っていたと思われます。(お金が取れなかったので、それから、医は仁術と思われる様になったのでは?!)
 日本の医師は、相手の所得に応じて、治療法を変えること、小児科外来では、ないですね。アメリカでは、お金持ちがいい医療を受け、そうでない人は、それなりの医療しか受けられないのは、当たり前になっています。そこでは、医療は、完全なビジネスですね。で、一人当たりの医療費も、当然、日本より高くなっています。
 東南アジアのある所では、まず、お金を払わないと診てもらえないとのことですが・・・。
 日本の多くの小児科の先生達、忙しく働いていて、とても我慢強いですね、それに、患者さんに、分け隔て無く、とても優しいですね。(←東南アジアで医療を受けたことのある人から、直接に聞いた内容です。)

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独りボランティア演奏(平成30年6月7日)

2018-06-07 16:46:28 | Weblog
 平成30年6月7日(木)、午前中の診療を終え、昼食を摂って、13:10にタクシーで出て、13:30に「エクセルライフ」の介護老人保健施設に着きました。
 着くと、職員さんが直ぐに来てくれて、演奏場所まで、太鼓を運んでくれました。用意が直ぐに出来、14:00~15:00予定が、13:50~15:05まで、フルに演奏しました。
 とても音響が良く、篠笛の音色が良く、気持ちよく演奏できました。
 職員さんが、とても協力的でした。
 実際の内容は、以下の如くでした。
1、篠笛・・・(テ一プのピアノに合わせて)「荒城の月」「さくら」など4曲
2、篠笛・・・季節の曲で、「雨」
3、篠笛・・・「宵待草」「花嫁人形」「会津磐梯山」「黒田節」「酒よ」「島原の子守歌」「赤い靴」「赤とんぼ」「五木の子守歌」「船頭小唄」
4、篠笛&和太鼓・・・「炭坑節」
5、和太鼓・・・「ばんば踊り」
6、和太鼓・・・「河内おとこ節」
7、ハ一モニカ・・・「ふるさと」など10曲
8、手品・・・「布が変身」「トランプが変身」「5枚の紙が5000円に」「5枚の紙が5万円に」の4つ
9、篠笛・・・「我が人生に涙あり」「リンゴの唄」「古城」「青い山脈」「アンパンマンの歌」「釜山港へ帰れ」
10、篠笛・・・(古賀メドレ一)「影を慕いて」「人生の並木道」「人生劇場」「悲しい酒」
11、篠笛・・・「月の沙漠」「君が代」
12、篠笛・・・(八本調子で)「荒城の月」
13、和太鼓・・・「きよしのズンドコ節」
14、「一本締め」
15、和太鼓・・・「飛翔」
 又、始める前に、施設長さんが来られ、丁寧な挨拶をして頂き、又、帰り際に見送って頂いた方からは、「こんなに驚いたこと、ありませんでした・・・」って感じで言われて、とても嬉しかったです。
 数名の入居者からも、お礼を丁寧に言われ、人とのつながりの有り難さを感じました。
 ありがとうございました。

https://www.youtube.com/watch?v=hFK8qIry7hQ




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小児科外来での出来事(その5)

2018-06-07 06:41:21 | Weblog
 小児科医療も、昔と今では、かなり変わりました。
 地域でいろいろありますが、私のいる延岡市では、夜の時間外の19:00~23:00は、365日、「急病センター」が受け持ち(私も参加していますが)、日・祝日の昼間の9:00~18:00は、当番医が受け持っています(私も参加していますが)。スタッフ減少の関係で、延岡市と日向市が一緒になってしています。
 入院は、急病センターや当番医は、してなくて、県病などの大きな病院が受け持っています。
 つまり、役割が分担されていて、平日の時間内の掛かり付けがあっても、平日の時間外、日祝日の昼間は、他の医療機関に掛かることになっています。
 延岡市は、急病センターは、小児科に関しては、深夜はしていませんが、宮崎市や都城市では、深夜も、行われています(←大変です!)。
 昔は、個人(開業医)の犠牲的精神で、小児救急医療が行われていたふしがありました。大分県で言えば、中津の「I」先生、別府の「M」先生、佐伯の「K」先生、時間外も超頑張る先生で、有名でした。
 今は、時間内は、掛かり付けに、時間外は、救急センターに、入院は、急病センターの紹介で、又別の大きな病院にとなっています。これが持続出来る為には、スタッフ確保はもちろんですが、患者さん側の協力がどうしても必要ですね。
 (79歳で)故人となられましたが、延岡市では、又木平八郎先生と言う、超超頑張る先生がいて、それにおんぶされる感じで、延岡市の小児救急医療が、永いこと行われていました。
 その先生が診察時にずっと座っていた椅子に私が座り、その先生と一緒に仕事をしていたベテランの看護師さんと、今、仕事が出来ていること、誠に幸せに存じます。
 又木先生の様な医療は、とても出来ませんが、身体に注意して、患者さん本位で、細く永く出来れば(出来ることなら、79歳まで)いいなあと常々思っています。






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小児科外来での出来事(その4)

2018-06-06 07:25:39 | Weblog
 抗生物質は、ウイルスには、無効です。しかし、風邪(の9割近くは、ウイルスですが)に、多くの例で、抗生剤が使われています。それも、重症化を防ぐ為や細菌の二次感染を防ぐ為に。しかし、この2つ、はっきりとその効果が証明されていないのですが・・・。
 6月2日の朝日新聞には、以下の様な記事が載っていました。
 今年2月、無作為に選んだ全国1490カ所の診療所に郵送でアンケートをして、269カ所から有効回答を得た。ウイルス性の普通の風邪「感冒」と診断した患者やその家族が抗菌薬を希望した場合、「希望通り処方する」が12・7%、「説明しても納得しなければ処方する」が50・4%で、計約6割を占めた。
 咳をするから咳止めを、鼻水が出るから鼻水止めをと、よく、親御さんから求められます。鎮咳剤や抗ヒスタミン剤で、その時は、少しはいいのでしょうが、長い目で見ると、 合併症を起こし易くしたり、治りを遅くしていることの方が多いと思うのですが・・・。
 検査を要求する人も多くなりました。いろいろ説明しても、納得しないで、検査を要求して来る例も、多くなっています。軽い下痢だけでも、ウイルス検査を求める人(しても、殆ど陰性ですが)、発疹が出ると、詳しいアレルギー検査を求める人、医師も、100%の診断までは出来ないので、することもありますが・・・。
 3歳児未満、定額の丸めだと、アレルギー検査を詳しくすると、医療側は、赤字になります。
 以下は、宮崎小児科医会がインターネットで、園・学校の先生方に、迅速検査で、お願いしているものです。
 迅速検査について、必要のない検査は行いません。【保育所、幼稚園、小・中学校の関係者の皆様へお願い】
 ある病気が流行した際に「検査をしてもらいなさい」との指示ではなく、「○○が流行しているので受診してください」と伝えてくださると助かります。
 子どもたちは様々な訴えや症状で私たちの医療機関を受診されますが、そんな中で「学校(園)の先生から検査を受けるようにと指示されたので受診した」という方がしばしば来院されます。子どもたちの病状を心配していただき、保護者に受診を勧めていただくことは大変にありがたいことですが、「検査をしてもらうように」という指示は、ときには「検査をしないと登校(園)ができない」という誤解を保護者に与えることがあります。また本来は検査の必要のない子どもが無理に受診し、かえって感染のリスクを増やすなど、残念な結果になることもあります。
 検査は、日常的な病気を診断するうえで、絶対に必要というものではありません。特に迅速診断検査は、100%正しい結果がでるものではなく、偽陰性(本当はその病気なのに検査で違うとでること)や偽陽性(本当はその病気と違うのに検査ではその病気だとでること)を示すことがあります。例えばインフルエンザの場合でも、検査結果の如何にかかわらず、周囲の流行状況や発熱からの経過、臨床症状から総合的に判断しています。
 また、RSウイルス迅速検査は外来では1歳未満の乳児のみ、ノロウイルス検査は小児では3歳未満の方のみが健康保険での検査が認められています。それ以外の方は自費の検査となりますので、それでも検査を希望された場合、診察料も含め誰が費用を負担するのかという問題も出てきます。周囲への感染性のリスクは検査結果ではなく、臨床症状から判断されます。
 そもそも検査をするかしないかは、医学的な根拠のもとに医師が判断し、家族と合意した時に実施するものです。保護者には、信頼している園や学校などの先生からの「検査指示」には特別な意味がありますが、実は、医療現場を混乱させていることにご留意ください。「検査は医師と相談し、必要があれば受けてください」と言っていただけると、大変ありがたく思います。

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