時に4コマブログ 『この世はパラダイス』

世の中いろいろありますが、ココロはいつも夢幻郷。

悪夢の北沢峠

2007-10-28 18:38:37 | つなぎ

 

 


 おとといの金曜に休みをとって、一泊で南アルプスに行ってきました。昨日甲斐駒に登るのが目的だったのですが、結局あの天候で登るのをあきらめてむなしく帰ってきました。

 あの天気の中何をわざわざ、と言われるでしょうが、諸事情によりこの週末しかないという状況で、強行した結果です。そもそも10月の第一週に行こうといつもの先輩と約束していたのですが、先輩は9月にスクーターでこけて鎖骨と足の親指を骨折してしまい、その回復を待っていたのです。

 先輩の怪我は無事回復しましたが、来週は私の用事があり、それ以上遅くなるともう寒くなるし、ということでこの週末になってしまいました。しばらく前からこの週末は雨模様とはわかってはいましたが、先輩の方針はいつも通り「よほどのことがない限り決行」でした。

 前日の仕事中に人目をはばかりながらチェックした天気予報は、「曇り時々雨、しかし雨量は少ない模様」とのことでした。去年の10月の始めに行った赤岳も悪天候でしたが、まああれよりはましだろう、と夕方山小屋に予約の電話を入れました。

 電話に出たのは若いお姉さんで、「え、明日あさっては雨ですけど...、来られるんですかあ」とのことでした。私は「はあ、まあ少々の雨なら登ろうかと...」と言ったところ、小屋のご主人に確認するので10分後にかけて欲しいとのこと。

 10分後に再びかけると、「すみません、明日は予約が入っていなかったので山を降りる予定で、せっかっくですが...」、とのことでした。私は「これはもう中止かなー」と思ったのですが、先輩の強い要望により結局予定とは別の小屋を予約して、昨日小雨の中出発しました。

 甲斐駒の登山口の北沢峠まではマイカー規制のため交通の便が悪く、ずっと手前の駐車場に車を置いて、バスを2本乗り継いでいかなければなりません。八王子を9時過ぎに出て駐車場に着いたのは11時半頃。車は一台も停まっておらず、バスの乗客もわれわれ2人のみでした。

 山小屋も案の定客は我々2人のみ。いやーな予感がしましたが、5時前に早い夕食をとった後テレビの天気予報を見ると、前日まではなかった台風が天気図に現れていました。


 先輩と2人で「台風が来るなんて言ってたか?」と言ったものの、いまさらどうにもなりません。まあ進路がそれることもあるかも、と覚悟を決めて運命に身を任せ、7時半頃には早々に眠りにつきました。

 しかし夜半から強くなった雨脚は一向に衰えず、明け方ついに先輩の中止宣言が出ました。起きだして空しく2人で朝食の弁当を食べ、また布団にもぐりこんでしばらくのんびりとしてから7時過ぎに小屋を出ました。

 駐車場行きのバスは中継点を10時半発なのですが、朝は小屋からそこまで行くバスの便はなく、中継点まで約2時間かけて渓谷沿いの雨の林道を歩かなければなりませんでした(写真下:真ん中右の白い線が林道)。

 2人とも後悔と空しさに負けまいとバカ話をしつつ、車も全く通らない林道を、「まあ雨の紅葉もオツなもんですね」と慰めあいながら歩きました。

 
道沿いの山肌にはあちこちに下のような細い滝が流れています。行きのバスの音声案内によれば、一番大きいのは落差100m超とのことでした。

 じっさい滝だけでなく紅葉はとってもきれいでした(写真下)。「まあ紅葉見物散歩に来たと思えばいいか」「そうですよね」とお互い無理やり自分に思い込ませるように言い合いました。

 ところが中継点に着いてみると、車が置いてある駐車場へ行く林道は、雨量が一定量を越えたため、閉鎖中でバスは出ないとのことでした。

 2人とも青くなり、案内所のお兄さんに聞くと、もう一本の林道は閉鎖されていないので、そこの下の駐車場までバスで降りて、さらにバスを乗り継いで身延駅まで出て、そこからぐるっと迂回して林道の反対側から登るしかないですね、とのこと。

 行きの車の中で、閉鎖されていない方のルート(奈良田側)とどっちがいいかな、と話して、まあこっち(夜叉人峠側)でいいんじゃない、と安易に決めたのですが、天候にくわえルートも判断ミスでした。

 今日中に家につけるのか不安になり、先輩と私はしばらく呆然としてパンフレットのバスとJRの時刻表とにらめっこをしていました。私は閉鎖された林道をさらに歩いて降りようと提案したのですが、この林道はもともと徒歩通行禁止とのことであきらめました。

 結局10時半のバスに乗り、別の駐車場に着いたのが11時半。次の身延駅行きのバスは1355分までなかったので、バス停の裏手の温泉(奈良田の里温泉)にのんびり浸かって待つことにしました。地味ながらまろやかなお湯でいい温泉でした。

 湯上りに先輩はビール、私はsenobyを飲みながら縁側に座って山小屋で作ってもらった弁当を食べた後、バスでJR身延線に向かいました。甲府からは駐車場までのバスがあるのですが、これはすでに便がなかったので、途中の鰍沢口からタクシーで行くことにしました。

 鰍沢口に着いたのは結局4時半。ますます強くなる雨の中、駅前からタクシーを呼んで、さらに一時間弱かけて、真っ暗な中ようやく駐車場にたどり着いた時は本当にほっとしました。タクシー代9,000円弱に加え、バス代、電車代と大幅な予定外出費でふたりとも財布が空っぽになってしまいました。

 9月の北東北サイクリングのときは寸前で台風から逃れましたが、今回は完璧なタイミングでつかまりました。うまくいかないときは全てがちぐはぐになってしまうものですね。

 そんな訳で今週は体力気力ともに喪失につき4コマはお休みさせていただきます。すみません。来週までには精神的に立ち直りを図ります。それにしても今日の台風一過の秋晴れは何とも空しい...。

PS:つい先ほど山小屋のおばちゃんから、「えらい雨だったで無事帰れたか心配でえ~」と電話がありました。私は、わざわざお気遣いいただき、と丁重にお礼を言いました。おばちゃんは、「今日はとってもいい天気だけど夕べはあの後雪になってねー」とのことでした。

私は「雪が積もったんじゃあ結局今日も登るのは無理でしたねー」と自分を慰めるように言いました。しかしおばちゃんは、「いや登るのには困らんで、昨日泊まったお客さん達は大喜びで出かけてったがねー」とのことでした。「かわいそうなことじゃったが来年またよろしくねー」とのお言葉に、「はい、必ず...」とリベンジを誓いました(方言はいい加減です。すみません)。


怒りの行方

2007-10-20 18:31:38 | 4コママンガ

 

 


世の中腹の立つことも多いでしょうが・・・。

 

 

 

 

 

 私の会社の周りでは、デモ隊や怪しげな団体の街宣車が、「**は、**しろー!」、「「**は、ヤメろー!」などよく聞き取れない何事かを叫んだり、大音響で音楽を流しながら、昼となく夜となくしょっちゅう通ります。

 会社の入っているビルの窓は防音性能の相当高い分厚いやつなんですが、それでもオフィス内の会話に支障をきたすほどの大音響で通る団体も多く、仕事中にちょっと迷惑してます。

 いろいろ収まらない怒りがあるのかも知れませんが、その怒りを周囲にぶちまけて新たな怒りを買うようなことはあまり賢明ではないように思うんですがねえ。

 またいつも昼食を食べに行く家庭裁判所へ行く途中には厚労省があるのですが、ほとんど毎日のように玄関前の歩道に、怒りに満ち溢れた様々な団体が両側にずらっと並んで抗議のビラ配りをしています。玄関正面ではマイク片手に、「大臣出て来い!」云々の演説をやっています。

 厚労省の庁舎(合同庁舎ですが)はしょっちゅうニュースに出てくるのでご存知の方も多いでしょうが、高層の目立つ白いビルで、玄関もロビーも立派なところです。でも職員の方々も気楽に玄関から出入りもできず困るでしょうね。私たちも前を通るのに困るのですが。

 厚労省の裏手には最近大臣がころころ変わったり、業務中にWikipediaの書き込みをしていた職員が処分されるなど、お騒がせの農水省があります。

 農水省の庁舎は、厚生省のみならず周りの省庁(総務省、外務省、財務省、文科省、経産省、警視庁etc.)の中でも際立って地味で古びていて控えめです。まあ言葉は悪いですが、「みすぼらしい」の方がよりぴったりです。

 でも農水省の食堂はまあまあなので、たまに利用させてもらうことがあります。あるときその帰りに、一緒に行った同僚と農水省の建物の話になり、私が「省庁にも格があるのかなー」、とふと漏らしました(建物内の職員のいるところではとても言えません)。

 同僚の言うには、「ここは全国から生産者団体が陳情に来るだろ。その時に“俺達はいつも汗水たらして必死で野良仕事をやっているのに、こんな立派な建物の中でのうのうとしやがって”、と思われて怒りを買ったらまずいだろ。」とのことでした。

 私は、「うーん、鋭い分析...」と感心してしまいました。本当かどうかは定かではありませんが。

 職場でもどこでも気の短い人は多いですが、一部の官公庁や企業の許しがたいような行為はまあ別として、小さなことに対しては皆内藤選手のように寛大な広い心でいられたら世の中ずっと平和になると思うんですがねえ。


天高く

2007-10-13 18:46:34 | 4コママンガ

 

 


アウトドア活動には最高の季節ですねー。

 

 

 

 

 

 同僚と昼食を食べに行った帰りに、オフィスに戻る途中、天気がいいときはいつも「あーもう仕事なんかしてる場合じゃない!」と思います。

 日比谷公園の中を通って抜けるような秋空を木々の合間から見上げると、一瞬ではありますがハイキング気分になれます。同僚達の頭に浮かんでいるのはゴルフ場のようで、「こんな日にゴルフに行けたら最高なのになー」などと言っていますが。

 ゴルフをやる人はゴルフつきの出張(業界の団体の会合やセミナー等)に喜々として出かけますが、私はゴルフは全くしないので興味はありません。うまくなって球を思い通りに打てるようになったら気持ちいいだろうなーとは思いますが、運動オンチの私としては始めても人生に悩みをひとつ増やすだけなのは明らかなので。

 ハイキングはゴルフのように自然破壊もなく、自転車で行けば二酸化炭素排出も人間からの分だけで、環境配慮も完璧ですね。またなんといっても安あがりなのがいいですね。

 安上がりと言えばハイキングの他に子供たちとキャンプには良く行きました。道具を揃えるまでは多少かかりますが、とりあえず最低限必要なテントとテーブルだけ揃えて、あとは徐々に揃えていけば大した負担にはなりませんので。春夏秋、海山川湖とあちこちほんとに良く行きました。

 大洗、奥多摩、清里、富士五湖、相模湖、道志etc.近場中心ですが、どこもそれぞれ趣きが異なり、楽しめました。中でも大洗サイクリングターミナル脇にある大洗サンビーチキャンプ場と奥多摩湖のそばにある山のふるさと村のキャンプ場は特にお気に入りで、それぞれ何度行ったかわかりません。

 どちらも公営なのでとっても安上がりの上に施設も整っていて快適です。大洗のサイクリングターミナルは芝生張りの各区画は植木の仕切りがあってプライバシーも守られており、海を眺めながら釣ってきた魚をバーベキューで食べるのは最高でした。

 奥多摩の山のふるさと村はなんと大人200円、子供100円のみで、それ以外一切かかりません。ほとんどただ同然ですね。コインシャワーも100円は戻ってくるので何度でも無料で使えます。サイト脇のせせらぎの音と鳥の声を聞きながらお茶を飲むひと時がとっても気持ちよかったですね。

 ここはキャンプサイトに車を横付けできず、駐車場がちょっと離れているのが難点と言えば難点ですが、空いているのでいつでも2区画分をゆったり使わせてもらえます。一区画(備え付けの木のテーブルつき)も十分広く、民営では到底考えられないような広さを占領できて、気分は豪華別荘のオーナーでした。

 子供たちが小さい頃から、我が家のレジャーと言えばこんな私の趣味により会社の保養所(伊豆箱根軽井沢)とキャンプばかりでした。友達からしょっちゅう海外旅行のお土産をもらい、「うちはなんで海外旅行とかいかないのー?」などとたわけたことを言う息子等の声は無視し続けてきました。

 金をかけなくたって工夫次第で十分楽しめるんだぞ、ということをわかってもらいたかったですが、単なるケチ親父くらいにしか思ってないだろうなー。家計は大いに助かりましたが。文句も言わず(頭では思ってはいたかも...)付き合ってくれた嫁さんにも感謝してます。

 昨年の10月の今頃このブログを始めたときは、半年続くかなーと思っていましたが、とりあえず1年は続きました。何の義務も義理も無いのに不思議なものですね。多少なりとも見てくださっている方々がいらっしゃると言うのは大変ありがたいことで、感謝いたします。今後くたびれて休むこともあるかもしれませんが、まあ続けられるだけ続けようと思っています。

PS:サンマのひれがぜんぜん違ってます。普段の観察力のなさを露呈してしまいました。すみません。


栄枯盛衰は...

2007-10-06 23:07:56 | 4コママンガ

 

 


栄枯盛衰は世の常ですが...。

 

 

 

 

 

 

 今の世の中、どんな有名会社でも、製品の重大な欠陥や大きな不祥事があれば一気に存続の危機にさらされかねませんね。

 またそのような事件がなくても、たまたま時流に乗り損ねたり、外国企業の攻勢などでじわじわと後退し、気がついたら他社による買収に甘んじざるを得ないところまで来ていた、などということもあり得ますね。

 日本V社は現在少し困難な状況にあるようですが、私は以前からファンの一人でした。八王子にも工場があります。特にオーディオマニアではないのでコンポやラジカセ等、安めのものしか買ったことはありませんが、同価格帯では他社製に比較して明らかに音が良かったですね。

 いや、まだ過去形にしてはいけませんね。他社に比べて音が良いと思います。今後もぜひがんばってもらいたいものです。あの犬のトレードマークも愛着がありますし。子供の頃親父が陶器製のあの犬(高さ10cmに満たない位の)をどこからかもらってきて、ずっと宝物にしていた覚えがあります。

 ラジカセ、コンポの他、今のマンションに移った際に買った私の机もV社製です。何でV社が机を?と疑問でしたが、V社からうちの会社に転職してきた同僚に聞いたところ、ステレオのスピーカーの箱の技術の延長なんだそうです。

 確かにそういわれれば天板や引き出しつきワゴン等、スピーカーの箱の材質のような良質さを感じます。パソコンを置いて他の作業もできるようにと思い切って幅150cm弱の大き目のを買ったのですが、デザインと質感がとっても気に入ってます。

 電機業界に限らず、どこの業界でもM&A、提携の動きは盛んですね。昨日もJP(日本郵政)が民営化後早速、日通と提携してゆうパックとペリカン便を統合するとのニュースがありました。事前リークもあったようですが。

 JPの社長は宅配トップを狙うとおっしゃっているそうですが、ヤマト、佐川にどこまで迫れるのか、トップ2社はどう対抗するのか、今後の動きから目が離せませんね。他の会社にしてみれば日通は敵に寝返った裏切り者と映るでしょうし。

 私は郵政の民営化には特に反対ではありませんでしたが、この民営化では大きな不利益を被った一人です。本社に移動になってから、昼食はずっとうちの会社のそばにある霞ヶ関の郵政省の本省庁舎の食堂を利用させてもらっていたのですが、郵政公社になってしばらくしてから部外者利用禁止になってしまったので。

 会社周辺の官公庁は外務省や財務省など警備が厳しい省庁を除いて食堂は一般人も利用可のところが多いのですが、他省庁に比較して郵政省は総合的にみて特に優れていました。

 他に比べて優れていた点は、①薄味ながら味が良い、②付け合せの野菜も手抜きでなくしっかりしている、③安い(定食450円。他省庁は50円位高い部外者料金を取るところもありますが、郵政省は一律料金でした。)、④ご飯大盛り追加料金なし、⑤見晴らしが良くて明るい(10階で3面が全面窓で眺めも良い)、⑥新メニューの工夫も継続的にしている、等々いろいろありました。

 うちの会社でも多くのファンがいて、昼食時には知った顔だらけで、さながらうちの社員食堂のようでした。私は特に郵政省が気に入っていて、毎日そこばかり行っていて、郵政省食堂愛好会会長を自認していました。

 盛り付けのお姉さん達も元気で愛想が良く、気分良く食べられました。部外者ながら毎日行く私は顔を覚えられてしまい、しまいには何も言わなくても好みのご飯の量(ちょっと多目)が出てくるようになっていました。

 まあ一民間企業になってしまった今としては、利用させてくれと言う方が無理なのはわかってはいますが、何とも寂しい限りです。今は仕方なく次善策として家庭裁判所の食堂に行ってます。霞ヶ関周辺官公庁の食堂の様子はまたいつか紹介したいと思います。