
歳をとると人は、病院通いの日々が多くなるという
少し動くと、あっちこっち痛くなって
あっちの病院、こっちの病院と病院通いの日々が・・・
実は我がWE755Aも、後期高齢者の如く、
病院へ行ったり来たりになってきてしまいました

元々は私があけた穴が元での入院だったが
その後入退院を繰り返す日々が続いている
主治医が言うには、
「ご老体なんだからムリしないように、動かすときもそーっと、優しくね」
「いつ何が起きても不思議じゃない末期的状態だからね」
「大音量なんてもってのほかですよ」

はい、様態が良くないのはわかっています
労わりながら、音を出すたび、
今日は小さい美音で聴こうと思っているんですが
・・・・・・
響きに酔いしれ
迫力に興奮し
音色に引き込まれ
聴きこんでいるうちについつい音量が上がってしまうんですよ
そして・・・・

私の手元に来て役20年だが
発売からすでに70年が経っているこのスピーカー
コーン紙がパリンパリンに渇いてきて
今、最高にいいサウンドを奏でるようになってきた
不足してきた低域は、後面開放とバッフルによって補い、
相変わらずの「どすのきいた響きのWEサウンド」を奏でている
そう、低音は何と無く以前より、軽快になった気が
そう言えば女性の歌手は
年と共に音程が下がっていき、若いころは高くてかわいい声が、年を取ると低くなるそうだ
逆に男性は年と共に声が高くなっていくそうで、
共に声が出ずに○○年バージョンでキーを変えていくしかないそうだが
この755は男性だね、年々声が上がっていくように聞こえる
低い音は出ているのですが、豊かな低音ではなく、
わりと淡白な低音になってきた気がするが
中高域は、決して伸びていませんが、魅力的
若々しいい、ぴちぴちした伸びやかな音ではなく
ベテラン歌手が、円熟の歌声で熱唱するかのような魅惑の音
どちらかと言えば、いぶし銀のWEサウンドです
先日もついつい思わず聞きほれて、
後ろのALTECと同様の音量まで上げてしまっていたら突然のビビリ音
やっちまった~―
パリンパリンに渇いたコーン紙のどこかに、また亀裂が入ったようだ
再入院となってしまった・・・・・・

このWE755Aは1947年、昭和22年発売のスピーカー、
発売から今年で70年
人間の年齢の70歳と同じなんだろうか?
犬の1年は人間の15年、猫だと17年だという
スピーカーも人間と同じように年齢で良いのだろうか?
一般の規格品の電化製品の寿命は10年から15年
自動車も、約10年・10万キロ
規格が厳格で優れている、ジャンボジェットなどの旅客機は、
流石、約20~25年持つそうだ
鉄筋コンクリートの住宅の規格では47が寿命だそうな
日本人の男性の平均寿命は約81歳
・・・
モノにはみな寿命がある
スピーカーの寿命は何年なんだろう?
スピーカーの主要部分は、金属フレーム、半永久のマグネット、紙のコーン紙、
金属のフレームは100年以上持つだろうが
マグネットの磁力と、「紙」には寿命があると思う
問題は「紙」のコーン紙

70年前のコーン紙が、いまだに音楽を奏でているのはやはり驚異的なことではないだろうか
そりゃ、でかい音出せば亀裂が入っても仕方がない
でも小さい音ではその魅力も半減・・・
主治医曰く、
「でかい音で楽しみたければリコーンですね、新しいコーン紙にすれば問題無いですよ」
ずいぶん簡単に言ってくれるじゃないですか
そりゃ、ルーペで亀裂か所を見つけて補修作業は大変だと思うが
リコーン?
主治医
「それが嫌なら、バカでかい音出さないで楽しんで下さい」
はい・・・、わかりました