オーディオは楽しい、そして難しく、奥深く、謎だらけ
其れを人は泥沼とも言う^_^
WE 141を改造したフォノイコを使っていますが、
そのフォノイコに使用する球なんですが
またいつも通り
「良い音と、楽しい音」どちらを選ぶかで、迷いに迷ってドツボにはまっています
WE141Aは本来、WE142Aや、WE143Aのパワーアンプに内蔵されて、
その前段として使われた前段増幅アンプ、
※注、ほんとに注意ですがゲインコントロールは有りますが電源ONでこれを使ったら大変なことになるアンプ
ブースターアンプとして使われたとも聴いています
構成はWE618Bで受けて、V1に6J7、V2には6SN7で増幅する600Ω受、出しのアンプです
その昔は大した部品が使われていないことから、貴重な618Bを取り出し残骸として
廃棄処分で捨てられたらしいが
もったいない精神の私は、この141Aに18A電源を繋いでみて、
その音質にびっくり
音の良さに惚れて、ちゃんと可変できるボリュームを付けて、
初段アンプとして長年使ってきました
注、私はプリアンプやコントロールアンプとは、
フォノイコやトーンコントロール等が付いているアンプを称するのであって
あくまでも初段増幅だけのシンプルなアンプ141や120Aアンプはラインアンプというか
やはり前段増幅アンプであると思っています
その後、WE120A型アンプがメインになってきたので、
141Aは改造してフォノイコライザーとして使っています
イコライジングカーブはわりと適当ですがRIAAに程近いカーブとなっています
今回悩みの種はこのWE141Aフォノイコの増幅管
141はWEのオリジナルなのになぜか、WEの真空管を使わずに
初段増幅にRCA 6J7を使へとの指示が書かれています
V2には6SN7を使った、自社のWE真空管を使わない前提のアンプ
誰がどう見ても安物メタル管RCA 6J7を
同等管で、電圧も同じで
超高級で世間の評価も超高い、音の良い「WE348A」に変えて
聴きたいと思うのはオーディオマニアとして当然の選択だと思います
願いをかなえて、
やっと手に入れたWE348Aでまさに
最高の音質、最高の品質を楽しんでいましたが
確かに音はよくなるのだが、失うものも多いのです
「WE348A」真空管とはWEの様々なアンプに使われてきた
名真空管と呼んでいいWEを代表する真空管で、市場価格も高額です
使われた機器ではWE120Aや130B、ラインアンプや
WE最高の音質と言われる、音の良い133A等のアンプ
パワーアンプでは1940年に作られたWE124Aなどが有名です
WE124Aアンプでは「お金持仕様」と「貧乏人仕様」が有り、
リッチマン仕様では、出力管にWE350Bを使い
WE348A・WE274Bを使いなさいと示されています
貧乏人は仕方ない、
6L6で、6J7と5U4Gでも音は出ますよ、との表示があります
貧乏人金持ちは嘘です、(笑)
大切なのはこの二つの表示の球をシャッフルしないことでしょうね
WE124Aと同じ350Bをプッシュプルで使ったアンプで
1947年に作られたWE142Aがあります、124の後継と言っていいと思います
私は縁あってWE142型を使っています
※注、WE124の初段はWE141とほぼ同じですが、141とは明記されていません
後継の142やパラプッシュの143で、前段に141が使われるようになったようですね
WE124Aと後継のWE142Aの二つ同時に聞き比べたことはありませんが、
WE124Aアンプほうが軽やかな響きで、音が良かったように感じます
私はこの音の良さはWE348Aによるものだと感じていました
後継WE142Aアンプは、前作WE124Aとは違い、
出力がWE350Bでも6L6でも、
初段は6SN7を使い、整流管も5U4Gのみです
安物の球を使うようになったので、
142は124の省略版だ、ともいう方もいます
確かに音の傾向はかなり違います
某、高級雑誌でもWE124Aのほうが評価は全然高く
まあ、一聴するとWE124Aのほうが確かに音が奇麗で響きも良いと、私も思います
同じ350Bを使っている、WE124AとWE142Aの音の違い
これは初段のWE348Aの音の傾向の違いと言ってもいいのだと思います
WE124AではWEの「丸金の」指示通り348A真空管を使ったほうが音がいいと思います
WE348Aは素晴らしいサウンドを奏でます
WEの指示の通りが一番音が良い
今のように〇貧や〇金で別れるのではなく
純粋に音で評価していた時代の、WEに選ばれた真空管が一番いい
それは分かっていて、常に肝に銘じているのですが
・・・・・、
何度も同じことを繰り返しているきがします、過去にも音の良さを追求し、
高品質・高音質を求める時期があり
フォノイコに改良する前のラインアンプで、一度141に348を使ってみた事がありましたが
思った音にならすに、すぐに手放してしまった過去があります
あの時とは今は違う、聴き方も周りの装置も、俺という人間も成長した
今度はフォノイコだから、絶対に高音質・高品質は当たり前
絶対にモノになる素晴らしいサウンドを奏でるはずだ
と思い
再度WE348を試してみました
お品のある高音質で音は素晴らしい、
絹のような肌触りも心地よい、
官能的でその音の良さに酔いしれるというか
WE 348 Aはやっぱり凄い、もうこれしかない!
と、自分に言い聞かせて
最高の声の響きや弦の響きを楽しんでいましたが
先日友人が聴きにこられて、久々にドラムセッションのレコードをかけたら
あらららら~!
「打楽器が弱い、柔い」
今までもなんだか少し打楽器が弱いなー、とは感じていましたが
これが「品位のある音、高音質」なのだ、と言い聞かせていた気がします
これほど弱い、つまらない音だったとは・・・・、
音の良さに気を取られていました
そうなんです、この高音質なサウンドはつまらないのです!
俺が求めていたのは、音楽の楽しさ
音楽の躍動感
演奏者の情熱が伝わるリアリティー
高級な真空管では、この熱や、力が、なかなか伝わらない
やっぱりこの真空管は私には、合わない!
※注、現時点での私の財力、装置、家庭状況での評価です、次回のブログで反対の事を書くかもしれないことをご了承ください(笑)
どうしよう・・・RCA 6J7に戻そうか
でも今更あんな音の悪い「世間の評価も低い球」を使っても
なんて思いながらも
結局RCA 6J7に戻して
すっきりさわやか
キレが戻った、透明感が戻った~!
我が励磁サウンドを活かすのはこの球ですね
やっぱりWEが選んだ適材適所は素晴らしい!
WEはわかっていたのだろうか
WEではこのWE141のV1には自社の真空管よりも
RCA 6J7のほうが音がいい
という結論に達したのだろう、
その適材適所の選択、それが刻まれた通りがいちばんですね
余談ですが
WE91Bで310と二段と、348を一段の二種類の91Bを持っていますが
これもやはり91Bらしい力のあるサウンドは310を使ったほうが
全然躍動感があります
市場価格は348Aのほうが全然高いのに、市場価格と音はやっぱり比例しない
そんな気がします
因みに真空管の市場価格は難しいです
真空管の市場価格は「マニア間での特殊な市場価格」で一般的ではありません
絵画や腕時計、女性の貴金属等は「世間の誰もが認める市場価格」とのことですが
真空管の値段は「一部のマニア相場」であり
一般的な賠償事故等では殆ど評価せれませんのでご注意ください
裁判をやって賠償を求めようと、弁護士に相談したところ
「裁判官がマニアだったら通るかもしれませんね~」
との回答でした
私は身をもって知りましたが世間からは特殊な趣味のマニア相場
であり
美術品や書画・骨董品、高級腕時計などはまったく別の評価
所詮機械部品の一部であり
よくみられたとしても
ブリキのおもちゃ と 真空管
程度とみるのが世間一般のようです
(笑)
でも資産隠しに300Aを100本持っていてもどうなのかな~
・・・・
まあ、真空管なんて所詮そんな価値のものでしょう、
突出した性能や、誰もが認める美があるわけでもなく
一部のマニアがプラシーボ効果も相まって、良い音に聞こえる程度の真空管
全く市場価格なんて何の意味があるのでしょうか
それから
WE348Aくれ、とか安く譲ってくれとか言われても譲りません!
せっかく手に入れたWE348Aは転売するより、別の適材適所の使い方を探します
WE120Aラインアンプにでも使おうかな~