NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

はっぴぃえんどまにあ、と

2009-08-17 | 休み
学生時代に避けて通れないことの一つに、”はっぴぃえんど”まにあに遭遇してしまうことがあります。少しだけこすっからい音楽が好きだとはっぴぃえんどが大好きだと、はばからない人に出会ってしまうのです。


―「佐野元春のザ・ソングライターズ」(NHK)


ぼくは予備校時代と大学時代に遭遇しました。決まって彼らが言うのは、「はっぴえんどが日本語ロックを作ったんだよ」この一文に尽きます。その功績はそれとしてドヤ顔のあなたは何んなんだと関係ないだろと思わなくも無いですが、知識にすがる類の人間であるぼくもその気があってやらかしてしまうので、それを否定は出来ないのだけれど。もうちょっとナチュラルに出会いたかったな、はっぴぃえんど。


「日本語で初めてのロックなんだよ、すごいんだよはっぴぃえんどは!」と言われれば言われるほど、反作用。いや、歴史的に見ればそうなんだろうし、すごいことなんだろうとは思うけど、もうぼくらの世代ははっぴぃえんどの次の次の次の世代くらいから見てきてしまっているから、もっとナチュラルな日本語詩を見てきてるから、と。そもそもナイーブ過ぎる松本隆さんの詩はロックというか歌謡曲のようだし。

ようはこれが日本語ロックの祖だよと言われてもピンと来ない。従来のロックの枠組みからのギャップとしての”ですます”調やナイーブ過ぎるその歌詞、”はっぴぃえんど”という今からすると狙いすぎて滑っているバンド名もろもろがピンと来ないし、むしろ生理的に気持ちが悪い。もちろん何度も言うけど日本のロック史的な意義は分かるけれど、曲それ自体は作品として素晴らしいと思うけれど。

ただその松本隆さんの詩が歌謡曲、アイドルの歌の詩になると途端に収まりが良い。”ですます”調のある種の抑制も無く、ナイーブ過ぎる歌詞世界はロックを標榜するバンドには似合わなかったけれど。ソングライティングを理性と言う佐野さんに対して真っ向から感性であるとする松本さん。ソングライティングを感性とする一方で80年代のアイドルへの歌詞をして、時代を読むこととマーケティングは違うと言い切る松本さん。


でも作品としてすごいとは思える。本質の部分で好きにはなれないけど。自分の感性への信頼がすごい。


それにしても。あの学生の質問の仕方はNHK側が指示してるんだろうか、学生側が自主的にしてるんだろうか。確かに質問者の身分を明らかにするのは礼儀だとは思うけれど、就職活動かよって思ってしまいます。しゃべり方も就活のそれで高等教育を受けたしゃべり方の人が殊に引っかかる。そしてそれにしても聴講する学生の男女比。さださんの時、あれほど少なかった女子が小田和正さんとこの人の時には多いという現実。そして来週はシカオちゃんなのです。