特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター 公式ブログ

2011年3月17日設立。孤児遺児応援活動、被災地ボランティア活動等、現在進行形で被災者応援活動を行っています。

愛知ボラセンの活動予定⇩(更新日:2025.1.29)

NPO法人被災者応援愛知ボランティアセンターは、
観光庁からの「観観産第174号(平成29年7月28日)災害時のボランティアツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」に基づき、被災地ボランティア活動を実施しております。


【次回のワンコイン・サポーターズ事務作業】
2025年2月22日(土)13時~ 東別院会館地下106教室
 ※予定分が終わり次第解散となります。

第6回 フィリピン・キナタルカン島 訪問報告 

2015年04月06日 18時29分48秒 | [平成25年(2013年)台風第30号]フィリピン・キナカルタン島ボランティア

代表の久田です。

超満員の路線バス5時間の一人旅 
3月31日~4月4日に、15ヶ月前から愛知ボラセンが応援しているフィリピン・キナタルカン島へ6回目の視察に行ってきました。
今回は初の一人訪比。一人旅のため、コースの短縮をはかり、これまでとは違うコースでキナタルカン島へ行くことにしました。
セブ市北部バスターミナルから、約120km離れたセブ島北部のダンバンタヤンまで、路線バス一人旅。
バス料金は154ペソ。 1ペソ=約2.6円なので、約400円です。換算は円を3倍して、1割ちょっとマイナスしてください^^
折からのホーリーウィークス(日本のお盆のようなものですね)休暇のためか、バスは大混雑。でっかいザックを座席の間に押し込み、
かなり窮屈な姿勢に。なにせ路線バスで、120kmを普通の市バスのような感じの停留所に停まっていきます。約5時間のバス旅。
エアコンもないバスですが、全開の窓から入ってくるセブの風は快適でした。普通の市民の生活の息吹を感じ、5時間、飽きることなく乗っていました。
ダンバンタヤンからは小さな漁船でキナタルカン島まで30分。 乗客5人で満員のほんとに小さな漁船です。でも、海は凪いで快適な船旅でした。

 かわいいバスですが・・・ 小さな漁船で、キナタルカン島へ

  子どもたちが砂浜で遊んでいます。キティちゃんの浮き輪も!

さて、ここからは今回の視察の活動報告です。


コメを共同購入するキナタルカン・コープの活動が、愛知ボラセンが提供した資金で始まりました

愛知ボラセンが12月末に7万ペソ(約18万円)を提供した「キナタルカン女性協会=キナタルカン・コープ」(会員65人)の活動が始まりました。このプログラムは愛知ボラセン・キナタルカン島現地スタッフのルー・テネリンさんが島民に提案したものです。

キナタルカン・コープでは、愛知ボラセンが提供した資金により、2月にコメ750㎏を35,475ペソ(10㎏=473ペソ)、コーン245㎏を8,295ペソ(10㎏=約339ペソ)で共同購入し、そのコメ10㎏=510ペソ、コーン10㎏=350ペソで会員は購入します。2週間以内に代金を支払わないと1週間ごとに代金の5%をペナルティとして支払い、支払いが完了しないと次回の購入ができない仕組みになっています。

フィリピンでは、コメは1袋50㎏が小売としては最も多い分量です。単位が小さくなればなるほど割高になるのは日本でもフィリピンでも同じです。1家族が7~10人のキナタルカン島では、1家が1日100ペソ程度の現金収入のため、多くの家庭ではコメを50kgで購入できません。
そこで、キナタルカン・コープでは、コメとコーンを共同購入して、できるだけ安くコメを仕入れ、いささかの利益を乗せて会員に販売します。
 キナタルカンコープの主要メンバーのミーティング 

実績をあげると国家食糧庁から安いコメを買えるようになります
このプログラムが順調に進み、実績を積み重ねていけば、フィリピン農業省の管轄下にある国家食料庁(National Food Authority:NFA)から、50㎏を800ペソ(10㎏=160ペソ)で仕入れられるようになります。

これがこのプログラムの最大のポイントです。NFAからコメを買えるようになれば、会員の家庭では、コメの出費を1/3近く抑えることができるのです。現在、1世帯(7~8人)の年間コメ消費額は推定25,000ペソ。これが8,500ペソ程度に抑制できるようになります。

予定通りに購入が繰り返されれば、会員はさらに拡大していきます。会員が65人なのは、現在の力量に見合った会員数で、入会希望者はすでに多くいるといいます。将来的にはキナタルカン島約1,000世帯のほぼすべて会員になる可能性を持っています。主食のコメの支出を抑制できることは島民にとって大きな恩恵もたらします。島民のほぼ全員がキナタルカン・コープの会員になるとすれば、200万ペソ以上の収入をもたらすことができます。ちなみに町長の給与は月額5万ペソ程度と聞いたことがあります。

サンタフェ町長もキナタルカン島の3村の村長も支援を約束 
このプログラムで重要なことは、サンタフェ町ホセ・エスガナ町長とキナタルカン島にある3つの村の村長が支援の約束していることです。私は訪比のたびに町長や村長を表敬訪問しています。その中で、ホセ・エスガナ町長は、「世界中から多くのNGOがキナタルカン島に来たが、成果をあげているのは愛知ボラセンくらいだ」と、社交辞令でしょうが、愛知ボラセンを評価してくださっています。手前味噌ですが、現地スタッフを雇用し、島民と日常的な関係を築き、団体のプログラム責任者が2013年12月以降現在までの15か月間に6回も訪問している団体は、キナタルカン島では他には見当たりません。

愛知ボラセンの被災者応援活動は、緊急時の応援から、長期的な復興応援まで、被災者に寄り添って
愛知ボラセンは石巻市牡鹿半島十八成浜で、瓦礫撤去の応急段階から、徹底的に被災者に寄り添い、被災者の声に耳を傾け、押しつけにならない自発的な復興計画を長期的に応援してきました。これと同じような実践がキナタルカン島ではじまったといっても過言ではないと思います。

前述の最大200万ペソの収入は島民からもたらされたものです。その点ではこのプロジェクトは相対的な豊かさをもたらすものといえるかもしれません。しかし、今、満足にお米を食べられていない家庭ではもっと多くのお米を食べられるようになります。また、コメの支出額が下がり、エンゲル係数が低下することで、収入は変わらずとも、消費を他のものに向けたり、将来のための貯蓄にまわしたりすることも可能となります。

共同購入を適切に進めるようにとアドバイス
ですが、このプログラムは2月に第一回のコメの購入・販売が行われたままで、まだ第二回目の購入・販売が行われていないことがわかりました。代金の支払いを待っていたためです。ルーさんには、代金を払った人たちは次の購入を待っている。ルール通りにしている人が不利益を被ってはいけない。至急、第二回、第三回・・・の購入・販売をし、実績を上げ、できるだけ早くNFAからお米を買えるようにすることを伝えました。

村民のNGO「FOUR MPPP」のミーティングに参加 
 一方、キナタルカン・コープとは別に、キナタルカン島にある3つの村(フィリピンでは村のことをバランガイといいます)ハグダン村で、NGO FOUR MPPP(代表ウィリアム氏)が最近結成され、愛知ボラセン現地スタッフのルーさんもメンバーとして参加しています。目的は島民の生活の向上。村民への炊き出し、ソーラー発電、健康・医療に関するプログラムの提供をめざしています。

 私は4月1日夜にFOUR MPPPのミーティングに参加しました。この夜、集まったのは10数人の中高年の皆さん。キナタルカン島を心から愛する人たちです。代表のウィリアム氏の夫人ビヒーナさんはビッグママといった感じの頼りがいのありそうな女性で、実質的な中心はビヒーナさんと思えました。

ミーティングはウィリアム氏の自宅で開かれました。普通の人の家に入るのは初めてでした。ウィリアム氏の自宅はいまだに屋根がブルーシートのままで、そのブルーシートのあちこちに穴があいています。この夜は風が強く、つねにブルーシートが風に揺られ音をたてていました。被災地にいることを改めて実感しました

ミーティングではこういう施設を作りたいとメンバーは熱く語ります。確かにそういう施設ができ、村民の生活向上を図ることができるのはよいことでしょう。しかし、施設を運営していくのには費用がかかります。その費用はどうするのかと尋ねました。私の質問の意図が通訳をしているルーさんにうまく伝わらなかったのかもしれないが、運営するための費用捻出などのプランを聞くことはできませんでした。
 NGO FOUR MPPPの皆さんと記念写真^^   天井はブルーシートのまま

愛知ボラセンは被災者が継続的で自立的な活動ができるような応援活動をしたいと考えています
外国のNGOなどからの補助金でハコモノを建築し、運営も補助金を頼ることは途上国支援ではよくあることです。現に、滞在中に2つのグループが愛知ボラセンハウスを訪れ、バスケットボールチームのユニフォーム代金の提供を求めてきました。1チーム2,000~3,000ペソ程度です。私の考えを理解しているルーさんは丁寧にお断りしました。たいした金額ではありませんから、私のポケットマネーで提供できなくもありません。ですが、外国のNPOなら資金をだしてくれると思わせてしまうことはおそらく正しいことではないでしょう。

 応急段階で丁寧な活動をして、被災者との基本的な信頼関係を築き、ささやかな知恵を提供し、被災者の皆さんが前向きな姿勢になり、継続的に自立的な活動ができるような応援方法を提供したい、というのが愛知ボラセンの被災者応援の基本的な考え方です。

キナタルカン島の魅力を語り、日本からスタディーツアー客の誘致をFOUR MPPPに提案
私は、私がなぜキナタルカン島を15か月に6回も訪問しているかの理由を皆さんに語りました。島民は貧しいのですが、自然は豊かで、島民の心も豊かであり、キナタルカン島の人びとはこの島で暮らしていることを積極的に選択し、貧しいから不幸ではなく、貧しいけれど幸福であり、日本にはない「地上の楽園」のようなものを私は感じていること。そして、私といっしょにキナタルカン島にきた愛知ボラセンのボランティアさんたちも同じようなことを感じ、ほとんどの参加者はまたキナタルカン島を訪れたいと考えていることを伝えました(どれだけ伝わったかはわかりませんが^^;)。

そこで、私は日本からのスタディーツアー客を誘致することをFOUR  MPPPの皆さんに提案しました。キナタルカン島が観光地になることを島民は望んでいません。今の暮らしが劇的に変わることも望んでいません。ですから、1回5人程度の小規模で、島滞在3泊~4泊程度の日程で、年間10数回のプログラムに合計100人程度の参加者を誘致できれはいいと私は考えています。

手始めに今年8月11日~16日に計画している愛知ボラセンスタディー&ボランティアツアーの受け入れを依頼したところ、大歓迎されました。FOUR MPPPに手数料を支払います。愛知ボラセンのプログラムがキナタルカン島に多少なりともの経済効果をもたらすことになります。東北の被災地ツアーが被災地復興の一助になるというのと同じことです。

スタディーツアー誘致は1年間の準備をおき、2016年に50人程度、2017年に80人程度、2018年に120人程度の参加者をみこし、Tシャツなどのおみやげなどの販売も含んで、年間50万ペソ程度の経済効果が生まれるといいなと思っています。ささやかな収入ですが、FOUR  MPPPが自立的な活動を続けていくのには十分だと思います。

現地スタッフ・ルーさんの日本語能力向上がこのプログラムのカギ
このプログラムのキーパースンは、島民と日本人スタディーツアー客をつなぐ愛知ボラセン・現地スタッフのルーさん。現在、ルーさんはある程度の日本語能力はもっています。ですが、ひらがなはなんとか読める程度。英語教員の資格をもっていることも関係あると思いますが、独学で日本語を学び、来日したことはありません。言語能力はかなり優れていると思われます。

ツアー客誘致となると、日本語で参加希望者とのメールのやりとりもできなければなりません。ルーさんの日本語能力を飛躍的に高める必要があります。
 ル-さん 

ルーさんが日本で1ヶ月の語学留学をするための資金30万円を愛知ボラセン・FOUR MPPPに出資してください
ルーさんの日本語能力を向上させるために、ルーさんを日本に招き、4週間の日本語レッスンを受けさせる必要があると考えました。
そのためには、ルーさんの生活費なども考慮して、30万円ほど必要と思われます。

そこで、皆さんにお願いがあります。

愛知ボラセンとFOUR MPPPは、30万円を援助してくださいとはいいません。
30万円を出資してください。30万円を出資してくださる方を募集することにしました。
5万円一口で、このプログラムの収益が出たら、全額返金します。
さらに、お礼としてスタディーツアーに参加される場合、ツアー現地参加費(航空券は別途)を25%OFFとさせていただきます。
10万円の出資は50%OFF、20万円の出資は100%OFF、
30万円は100%OFF1回と50%OFF1回(3人参加で50%OFF1回という利用も可、他も同様に分割使用可)とさせて頂きます。
また、ルーさんが来日した場合のホームスティを受け入れてくださる家庭も募集しています。
お礼はツアー現地参加費25%OFFとさせて頂きます。
ご協力頂ける方は、愛知ボラセンまでメールをお願いします。
aichiborasen@gmail.com 

愛知ボラセンが提供した応急仮設教室をFOUR MPPPの事務所とすることも大筋で了承
FOUR MPPPの施設については、ミーティングで以下のことを話し合いました。愛知ボラセンはハグダン小学校に2棟の応急仮設を建てましたが、ハグダン小学校にはキリスト教のボランティア団体である国際カリタスによってきれいな校舎が建てられています。

そこで、愛知ボラセンが提供した2棟のうち1棟をFOUR MPPPの施設として利用するのはどうかというFOUR MPPPからの提案がありました。愛知ボラセンとしてはハグダン小学校がOKなら、喜んで提供したいと答え、FOUR MPPPがハグダン小学校と話し合うことになりました。当面はこの応急仮設教室で活動をという方向になりました。

活動費・運営費の多くを補助金に頼らず、自前で工夫することがNPO、NGOのポイント
自分たちで活動費を作り出すことが、自主的な活動の基本です。とはいえ大きな活動には補助金は必要です。ですが、自分たちで活動費を作り出す意志のない災害ボランティア団体の活動は、その活動が依存的になり、それは被災者に対しても依存的なプログラムを提案してしまうことにつながる、と私は考えています。

キナタルカン・コープもFOUR  MPPPも自分たちで活動を担っていこうとしています。愛知ボラセンはこの2つの団体の活動を応援することを、今後のキナタルカン島応援活動の柱としていこうと考えています。皆さんのご協力をお願いします。

 

FOUR MPPPの皆さんとピクニック^^
FOUR MPPPのミーティングの翌日、キナタルカン島のとりわけすてきな所へピクニック。
とれたてココナッツのジュースと果肉、コンデンスミルクにクッキーをいれた「ラマオ」。
ココナッツとり名人のジョンウェイさん  「ラマオ」美味です!

 レイク・ラアウ 海ぶどうの湖=久田命名  泳いでしまいました^^

 とったばかりの海ぶどうと焼き魚。これをココナッツビネガーで食す。美味!
 ビンに入っている白濁した液体がココナッツビネガー。奥でご飯をよすっているのがビッグママ^^

キナタルカンの海~この写真を見た副代表・田中「鳥肌たちました」~

    

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

活動予定カレンダー