Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

正しいことは間違っていると考えるリスクアセスメント

2011-05-10 19:04:11 | インポート
技術者や研究者が忘れてはならない言葉がある。

『今正しいと思っている事はやがて間違いになる』

武田邦彦教授の文を引用させてもらってます。

リンゴは地面の下の悪魔が引っ張っているとされたが、
やがてニュートンが万有引力を説明した。

質量のない光が重力で曲げられるという説があったが、
それは空間の歪みだという説明になった。
今ではエントロピーの説明が適切だと言われている。
(エントロピーって物質や熱の拡散のでたらめの程度)

つまり、正しいと思っていることは正しくない、
という思考ベースが科学を発展させるばかりか、
リスクを未然に防ぐことができる。


原発は安全であるというのは説ではなく、ダマシであるというのが今回わかった。
原発は危険である。という説でスタートしていれば、
もしかしたら今ころは、原発はM9震災でも安全である、
と実証できたかもしれない。

震災や津波ではなく、軍事攻撃って想定すれば良かったんだ。

福島なんか、リスク分析やFMEAといった手法が今ほど盛んではない時代に作られたプラントだ。
今回の事故で、ああやっとけば良かったな、とボロボロ出てくる始末。
事故を繰り返して成熟を待つなんて、500円で買えるオモチャにも許されんのだよ。


今回の福島原発の事故は、人間が考えられない範囲という程大げさではなく、
単に「東京電力が考えた範囲外」だったということだった。
日本のトップをゆく電機メーカーや装置メーカーならあり得ないね。
だから東電の責任は人の命より重い。

まあ、今回の事故で、安全を保証できる原発は日本にはないという事がわかった。
軽水炉だけ守って、他の電源や設備まで気がマワッとらん。

あとリスク分析で起こり得る事態を一体どのように捉えているのだろう?
先に書いたけど、起こり得る事態とは地震や津波ではなく、
原発そのものが破壊されるということですよ!

テロ攻撃、宇宙人襲来とかあるやんけ。

で、破壊されたときに、東電は地域住民のためにペットボトルの水を備蓄してますか?
東電は、小学生の疎開先学校をちゃんと事前に契約していますか?
東電は、汚染された土の交換と、処置先を決めていますか?

っつうことなんだな。
これを決めずに原発を運転したらアカン。

アメリカやロシアだって汚染物の処置先は決めれない。
狭い日本にあるわけないじゃん。

安全だけではなく安心を確保しなくちゃいけない。

東電の顧客満足の指標は、電力による生活安定ではなく、原発に関わる生活安心でしたね。
でも、もう遅いよ。

生活安定は、太陽光発電がなんとかなればいいなあ~。