祟ったスッポンのはなし。
縁起がいい動物・長寿のおめでたい動物・さらには神様の使いとされ
ることさえある 亀。いっぽう同じ亀の一種でありながら、日本では
妖怪視される事もあり あまつさえ人に憑いたり祟ったりする話もあ
る スッポン。
この差はどこからくるのでしょう。
一般的な亀と区別されることがおおいのは、まずはスッポンの激しい
性格が大いに影響しているといってもよいかもしれません。なんとい
ってもスッポンの英語名は snapping turtle 。直訳すると「噛み
つく亀」というのですから穏やかではありません。
さても激しいその性格に加え、もうひとつ注目したいものがあります。
それが スッポンの“眼”・・・なんといっても、これですもの。
甲羅が数センチにすぎない子どものスッポンとはいってものこの眼力/
めぢから、たいしたものだとはおもわれませんか。カメ類のなかでも
いや生物界においても、スッポンの眼力にはただならぬものを感じて
しまうのです。
そんな激しい気性と鋭すぎる眼力を持つ動物であるスッポンがですよ、
何年も何十年も生き続けて歳を重ねていったとしたらどうでしょう、
ヒトの近づくことの少ない古ーい池などで ぬし/主 といわれるほ
どにでかく成長していったらどうでしょう。
・・・そんな大物になったとしたら、化けたり、憑いたり、祟ったり
しても不思議はないように思えてしまうのです。
そんなスッポンの眼力についてのお話しのご紹介です。出典がはっき
りしないのですが、明治時代以前につぎのような話があります。
『すっぽんを調理することにかけて名人といわれた男がいた。ある日、
地元のお殿様から呼び出され、池の主ともおもわれる大すっぽんの
調理を命ぜられた。殿様から依頼された名誉な仕事、名人は張り切
って調理にとりかかったまではいいのだが・・・この日にかぎって
突然 大すっぽんの視線が気になった。しかしそこは名人、みごと
に大すっぽんを調理し、殿様におおにほめられた。 』
というもの。しかし物語はつづきます。
『その日を境に 名人はとかくスッポンの視線が気になりはじめた。
すっぽん料理をはじめようと、包丁をにぎるのだが、あの日の大す
っぽんの視線を思い出す。しまいにすっぽんを調理できなくなり、
料理人をやめざるをえなくなり、やがては重い病をえた。』
うーん、このおはなし、・・・なんだか、わかる気がします〔そして
赤い眼をした巨大魚の話は こちら〕。つづく。
◎ 歌舞伎座のスッポン→舞台上、奈落からセリ上がってくる仕掛けを
総称で「セリ」といいますが、歌舞伎座の花道で観客から見て七三
のところにある仕掛けは、特別に「スッポン」とよばれています。
妖怪や亡霊などキワモノの役どころが登場するときのみ使用され、
観客の目にはとても気になる場所として知られています。
もっとも語源は、仕掛けがスッポンのように〔首が〕のびるところ
からきていると言われているようですが、それだけかなぁともおも
うのです。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
縁起がいい動物・長寿のおめでたい動物・さらには神様の使いとされ
ることさえある 亀。いっぽう同じ亀の一種でありながら、日本では
妖怪視される事もあり あまつさえ人に憑いたり祟ったりする話もあ
る スッポン。
この差はどこからくるのでしょう。
一般的な亀と区別されることがおおいのは、まずはスッポンの激しい
性格が大いに影響しているといってもよいかもしれません。なんとい
ってもスッポンの英語名は snapping turtle 。直訳すると「噛み
つく亀」というのですから穏やかではありません。
さても激しいその性格に加え、もうひとつ注目したいものがあります。
それが スッポンの“眼”・・・なんといっても、これですもの。
甲羅が数センチにすぎない子どものスッポンとはいってものこの眼力/
めぢから、たいしたものだとはおもわれませんか。カメ類のなかでも
いや生物界においても、スッポンの眼力にはただならぬものを感じて
しまうのです。
そんな激しい気性と鋭すぎる眼力を持つ動物であるスッポンがですよ、
何年も何十年も生き続けて歳を重ねていったとしたらどうでしょう、
ヒトの近づくことの少ない古ーい池などで ぬし/主 といわれるほ
どにでかく成長していったらどうでしょう。
・・・そんな大物になったとしたら、化けたり、憑いたり、祟ったり
しても不思議はないように思えてしまうのです。
そんなスッポンの眼力についてのお話しのご紹介です。出典がはっき
りしないのですが、明治時代以前につぎのような話があります。
『すっぽんを調理することにかけて名人といわれた男がいた。ある日、
地元のお殿様から呼び出され、池の主ともおもわれる大すっぽんの
調理を命ぜられた。殿様から依頼された名誉な仕事、名人は張り切
って調理にとりかかったまではいいのだが・・・この日にかぎって
突然 大すっぽんの視線が気になった。しかしそこは名人、みごと
に大すっぽんを調理し、殿様におおにほめられた。 』
というもの。しかし物語はつづきます。
『その日を境に 名人はとかくスッポンの視線が気になりはじめた。
すっぽん料理をはじめようと、包丁をにぎるのだが、あの日の大す
っぽんの視線を思い出す。しまいにすっぽんを調理できなくなり、
料理人をやめざるをえなくなり、やがては重い病をえた。』
うーん、このおはなし、・・・なんだか、わかる気がします〔そして
赤い眼をした巨大魚の話は こちら〕。つづく。
◎ 歌舞伎座のスッポン→舞台上、奈落からセリ上がってくる仕掛けを
総称で「セリ」といいますが、歌舞伎座の花道で観客から見て七三
のところにある仕掛けは、特別に「スッポン」とよばれています。
妖怪や亡霊などキワモノの役どころが登場するときのみ使用され、
観客の目にはとても気になる場所として知られています。
もっとも語源は、仕掛けがスッポンのように〔首が〕のびるところ
からきていると言われているようですが、それだけかなぁともおも
うのです。
