グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

厳寒期にミネラルを効かすには。

2015-03-07 13:11:53 | Weblog
厳寒期にミネラルを効かすには。

ミネラル欠乏がおこる原因には[ミネラルのあいだの派閥争いだけで
はなく]作物の植えられている土のPHの状態も影響しているものだ
というはなしのつづきです。

 ↓

不足しているミネラル分を予防的に補充することだけでミネラル欠乏
が解決できるのなら、問題はありません。しかし

「作物の栽培中に マグネシウム欠乏や石灰欠乏、ホウ素欠乏がおこ
 ったので、それらのミネラルを補給してみたのだが事態が改善しな
 かった。そこで翌年の作付けでは、ミネラル欠乏の起こる前にあら
 かじめ予防的にミネラルを補給してみた。しかし、それでもミネラ
 ル欠乏がおこってしまった」

といった場合などには、対処方法を変えなければなりません。

そのような場合の短期的な対処方法として、まずしなければならない
のは、土のPHの測定です。

その土壌測定の検査結果で土のPHが高いということになれば、その
場合のミネラル補給の対策として

 PHの低いミネラル資材を使う

ということが効果的な対処方法となります。

具体的にいえば・・・たとえばマグネシウムの補給には、成分が高く
その割に低価格な苦土石灰や水酸化マグネシウム資材が一般的につか
われがちになります。
しかし 土のPHが高いことがミネラル欠乏を助長しているという現
実も推測されるわけ
ですから、そのあたりを考慮したうえで ここは
むしろ

 PHの低い硫酸マグネシウム系の資材を使う

ほうが、より効果的な対処法となります。

それと同じように カルシウム欠乏が起こった場合の石灰の補給では、
PHが高い石灰資材ではなく

 中性に近い硫酸石灰系の資材を使う

ほうが、より効果的な対処方法となります。

さらに 石灰系の欠乏と併せて土のECが低い状態で土の状態が推移
しているのであれば

 硝酸石灰系の資材を使う

という方法も[一石二鳥ですよ]考えられることになります。

ということで今回は、寒さが厳しく日照が不足がちな2月におこりや
すい[苦土欠乏や石灰欠乏といった]ミネラル欠乏時には、短期的には
土のPHやECの状態も加味したうえで 対処する資材をチョイス

ることが、より効果的な対処につながる というおはなしでした。

ちなみに資材ですが、 

 ● PHの低い 硫酸マグネシウム系の資材
 ● 中性に近い 硫酸石灰系の資材
 ● 肥料が切れている場合に使う 硝酸石灰系の資材

などがあります。よろしかったら、ご参考に。


◎ 作物が弱っているときですから、その意味でも あたりの
  やわらかい
低成分の資材や、副成分のはいった資材をつか
  ってあげよう というおはなしでもありました。
  弱っているときには人だってお粥なんかをたべるんですから
  そんなかんじで対処してあげましょう。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜