グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

作物の生長にあわせて変化する土壌検査値。

2017-07-10 14:59:26 | Weblog
作物の生長にあわせて変化する土壌検査値。K

土の検査 の つづき です。

栽培がおこなわれているハウスの土の土壌検査値は、作物を育て収穫
していく過程で変化し続け
ていきます。


わかりやすい図.jpg 見取り図.jpg


その変化を、上の右図の「5連棟あるハウス」のEC値を例にとって説明し
てみるとすれば、

ののののののののののののののののののののののの1の棟ののの2の棟
表面から5センチの深さの土の9箇所平均のAののの0.32ののの0.41
10センチから30センチの土の9箇所平均のBののの0.81ののの0.92

という前回の数値は、たとえば畝の表面に肥料が散布されることによって

ののののののののののののののののののののののの1の棟ののの2の棟
表面から5センチの深さの土の9箇所平均のAののの1.08ののの1.12
10センチから30センチの土の9箇所平均のBののの0.75ののの0.98

という具合に、土の上部と下部の数値が逆転することになります。

その後、毎日かん水されるととともに、すこしづつ分解された肥料成分は
下部に移動したり・植物の根に吸収されることによって

ののののののののののののののののののののののの1の棟ののの2の棟
表面から5センチの深さの土の9箇所平均のAののの0.83ののの1.02
10センチから30センチの土の9箇所平均のBののの0.79ののの0.94

という具合に、土の上部と下部の数値が同じくらいになってきたりもします。

というわけで今回は、同じハウスの・同じ棟の・同じような深さの平均値であっ
たとしても、土壌検査値は

  栽培管理に伴う施肥の影響によっておおきく変化する
  栽培管理に伴うかん水の影響によっておおきく変化する
 
ということを、ご説明してみました。

ということで〔前回は土壌検査に使用する土の採取の場所を決めておくことが
大切
だというおはなしでしたが
〕、今回は“土壌検査を栽培管理に有効に活か
す”ためには、土壌検査に使用する土の採取の時期に“法則性をもたす”こと
でデータがより正確になる
というおはなしでした〔たとえば土を採る時期を
“施肥してそのあと2回かん水した時点で採取する”とかいった具合に
〕。


晴れ  土壌検査をおこなう側から見ればですね・・・測定の数字が変わるこ
  とで、“かん水量がちょっと少ないみたいだな”とか、“おっ、今回
  は早めに肥料を補給されたな”とか、土の検査値の変化をみるだけで
  そんなことまでわかってくるようになることもあります。
  いわゆるプロファイリングですが、土壌分析値から見た推理があたる
  とやっぱりうれしいです♪

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