ミステリーサークル状の穴を作るトビイロウンカ。
昨年分ですが、次回関連で よろしかったら。
↓
水田のイネの穂がそろったあたりの時期から、あれよあれよというまに
イネの茎が灰白色になって株が倒れ始め、そのうちに遠目でもはっきり
わかるような円形の“窪地状の坪枯れ”ができる・・・
ちょっとした小型の “ミステリーサークル”のように、水田のあちこちに
陥没ができるのが イネの害虫であるトビイロウンカによる被害です。
その穴の大きさですが、今回の写真のケースでは 普通車のトラックが
すっぽりはいるくらい。ですから この虫の発生によるイネへの影響は
大きいものとなり[倒伏しない程度のイネにも発生していますからね]
● 収穫期の終盤ちかくの発生で 3割近くの減収
● 穂がでて30日くらいの発生で 5割近くの減収
● 穂がでてまもなくの発生では 収穫が皆無
という大被害をもたらすことになってしまうのが、現場でのイネをみる
とよくわかります[今回の写真は西都市にて09日に撮影]。
このイネの大害虫であるトビイロウンカ が、ただいま西日本を中心に
大発生。9月10日時点で16の都道府県で注意報や警報が発令される事態
となっていますよ。おそらくは 7月初めの台風などの温湿な南西から
の風に乗って海外から飛来した第一世代の子供たち が、繁殖したもの
だと考えられます。
このように、つぎつぎと世代交代して大繁殖していくトビイロウンカ。
早生種よりも晩生の品種・乾田よりも湿田・ウルチ米よりもモチゴメ
といった具合に被害が大きくなりますので、 心当たりのかたは水田を
よく観察し[成虫で5ミリ弱といったところ]、被害を発見されたとき
には出来るだけ早く関係機関の発表にそった対策を実施されるようにさ
れてくださいね。
なんたって、寄生されたイネは こんな状態 ↓
見るからに 痒そうでゾワゾワ してしまいます。
病虫害被害を軽減するために大切になるのは、なんと
いっても早期発見。被害にあったとして3割減収の場合
では10アール当たり3万円。1haでは30万、10ha
だと300万にもなりますものね~。これがもし壊滅なん
て事態となったらなら、ぞっとします。・・ということで
日常のこまめな観察ってやっぱり大切。。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」