世界最古の木を増殖した方法は。
世界最古の木といわれる「ウォレマイ・パイン」の話は前回[こちら]でし
たが、2023年現在では そんな「ウォレマイ・パイン」もふつうに販売
されているよ・・と思われている方も多かったことと思います。そこで
今回は、そんな貴重種がいかにして増やされていったかのはなしとなりま
す。2006年分の当ブログ記事ですが、よろしかったらご参考に。
↓
下にある一枚の写真。じつはある植物の競売会を写した報道写真なのです。
←いかにもな白黒写真
写真の左側には椅子に腰掛ける熱気に包まれた200人を越す人々。右側
には、オークションの主催者然とした、挙手した人を指さすかのように手
を伸ばしているスーツ姿の男。
そしてなんといってももっとも注目すべきは、手前に写っている鉢植え。
「ウォレマイ・パイン」です。
そう、その生息地は極秘。研究者でさえ目隠しをされ、ヘリコプターで生
息地に入るのが義務付けられているはずの植物ではありませんか。そんな
貴重な植物が、世紀の大発見といわれた絶滅寸前の植物が、よもやオーク
ションにかけられ、しかも好事家に高値で取引されているというのであれ
ば、これはじつにゆいしき事態ではありませんか。ないものをねだるのは
ヒトの性〔さが〕とはいえ、悲しすぎる話でもあります。
なーんて、報道写真を見て想像しながらの物騒な話しをしてしまいました
が、これは正規の合法的なオークションの報道写真なんです。驚かれた方、
申し訳ありません。この写真は2005年10月23日にオーストラリア
のシドニーで撮影された写真となります。
そして真実は・・「ウォレマイ・パイン」の発見地のあるオーストラリア
のニューサウスウェルズ州当局の発案によるオークションで、保護のため
の活動の一環として開かれた競売会のもの。
ニューサウスウェルズ州当局は、「ウォレマイ・パイン」の増殖に成功し
たのです[増殖分をオークションにかけたとのこと]。原木から枝を切り取
って繁殖・販売を担当したのは クイーンズランド州政府なども出資する
ウォレマイ・オーストラア社。
そしてこの写真には、「木は大きいもので2.5メートル。オークション
にかけられた木は1本あたり1500豪州ドル〔約13万円〕を予想して
いたにかかわらず、予想値を大幅に上回る1本あたり3000豪州ドル
〔約26万円〕の値がつけられた」というコメントがつけられています。
そして記事中にもある、その保護の方法ですが・・・
州はウォレマイ・オーストラア社に繁殖と販売の独占権を許可
↓
州は同社から販売本数に応じ販売権料を受け取る
↓
その販売権料を絶滅が危惧される危惧植物種の保護に使用する
という試みなのです。
この写真の2005年10月23日のオークションで販売された「ウォレ
マイ・パイン」は292本といいますから、すでに発見当時の群生を
うわまわっています。そして翌2006年4月には日本をはじめ米国・
欧州でもその一部が販売されましたが、そのときの本数は50万本超!
といわれていましたから、ウォレマイ・オーストラア社の増殖技術に
は素晴らしいものがあるようですね。
ちなみにこのときに日本で販売された「ウォレマイ・パイン」は 完売
・・・そしてもちろん日本での販売価格には、「ウォレマイ・パイン」
ほかの繁殖保護費用が上乗せされていたとのことですよ。このように
増殖することで盗掘を防ぎ、さらには保護の資金も稼ぐというじつに
スマートな好事例だとおもうのですが、皆様どう想われますか。
ということで今回は、世界最古の木といわれるオーストラリアの「ウォ
レマイ・パイン」と、その貴重な木の保護のやり方についてのご紹介
でした。
たとえばここ南九州のエビネランなど、盗掘に次ぐ盗掘で
すっかり生息本数が減少してしまったという苦すぎる過去
があります。このオーストラリアの取り組みなどは個人的
には おおいに参考になる気がするのですけれども。。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
のの
世界最古の木といわれる「ウォレマイ・パイン」の話は前回[こちら]でし
たが、2023年現在では そんな「ウォレマイ・パイン」もふつうに販売
されているよ・・と思われている方も多かったことと思います。そこで
今回は、そんな貴重種がいかにして増やされていったかのはなしとなりま
す。2006年分の当ブログ記事ですが、よろしかったらご参考に。
↓
下にある一枚の写真。じつはある植物の競売会を写した報道写真なのです。
←いかにもな白黒写真
写真の左側には椅子に腰掛ける熱気に包まれた200人を越す人々。右側
には、オークションの主催者然とした、挙手した人を指さすかのように手
を伸ばしているスーツ姿の男。
そしてなんといってももっとも注目すべきは、手前に写っている鉢植え。
「ウォレマイ・パイン」です。
そう、その生息地は極秘。研究者でさえ目隠しをされ、ヘリコプターで生
息地に入るのが義務付けられているはずの植物ではありませんか。そんな
貴重な植物が、世紀の大発見といわれた絶滅寸前の植物が、よもやオーク
ションにかけられ、しかも好事家に高値で取引されているというのであれ
ば、これはじつにゆいしき事態ではありませんか。ないものをねだるのは
ヒトの性〔さが〕とはいえ、悲しすぎる話でもあります。
なーんて、報道写真を見て想像しながらの物騒な話しをしてしまいました
が、これは正規の合法的なオークションの報道写真なんです。驚かれた方、
申し訳ありません。この写真は2005年10月23日にオーストラリア
のシドニーで撮影された写真となります。
そして真実は・・「ウォレマイ・パイン」の発見地のあるオーストラリア
のニューサウスウェルズ州当局の発案によるオークションで、保護のため
の活動の一環として開かれた競売会のもの。
ニューサウスウェルズ州当局は、「ウォレマイ・パイン」の増殖に成功し
たのです[増殖分をオークションにかけたとのこと]。原木から枝を切り取
って繁殖・販売を担当したのは クイーンズランド州政府なども出資する
ウォレマイ・オーストラア社。
そしてこの写真には、「木は大きいもので2.5メートル。オークション
にかけられた木は1本あたり1500豪州ドル〔約13万円〕を予想して
いたにかかわらず、予想値を大幅に上回る1本あたり3000豪州ドル
〔約26万円〕の値がつけられた」というコメントがつけられています。
そして記事中にもある、その保護の方法ですが・・・
州はウォレマイ・オーストラア社に繁殖と販売の独占権を許可
↓
州は同社から販売本数に応じ販売権料を受け取る
↓
その販売権料を絶滅が危惧される危惧植物種の保護に使用する
という試みなのです。
この写真の2005年10月23日のオークションで販売された「ウォレ
マイ・パイン」は292本といいますから、すでに発見当時の群生を
うわまわっています。そして翌2006年4月には日本をはじめ米国・
欧州でもその一部が販売されましたが、そのときの本数は50万本超!
といわれていましたから、ウォレマイ・オーストラア社の増殖技術に
は素晴らしいものがあるようですね。
ちなみにこのときに日本で販売された「ウォレマイ・パイン」は 完売
・・・そしてもちろん日本での販売価格には、「ウォレマイ・パイン」
ほかの繁殖保護費用が上乗せされていたとのことですよ。このように
増殖することで盗掘を防ぎ、さらには保護の資金も稼ぐというじつに
スマートな好事例だとおもうのですが、皆様どう想われますか。
ということで今回は、世界最古の木といわれるオーストラリアの「ウォ
レマイ・パイン」と、その貴重な木の保護のやり方についてのご紹介
でした。
たとえばここ南九州のエビネランなど、盗掘に次ぐ盗掘で
すっかり生息本数が減少してしまったという苦すぎる過去
があります。このオーストラリアの取り組みなどは個人的
には おおいに参考になる気がするのですけれども。。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
のの