松竹梅よりも神聖・貴重とされた植物。
前回からのつづきになります。
皇室というか公家社会においては松竹梅よりも貴重とされた植物があ
ります。
と書くと、それはその植物は天皇家の家紋ともされた菊ではないのか・・
と思われた方も多いかとおもいます。しかしちがうんです、この植物は、
Livistona chinensis こと ビロウ。
いかにも南の島の海岸に生えていそうなイメージのあの植物になります。
このビロウ、古名はアヂマサ。東アジアの亜熱帯(中国南部、台湾、南
西諸島、九州と四国南部)の海岸付近に自生し、北限は福岡県宗像市の
沖ノ島となる植物です。 こちら 。
ヤシ科の常緑高木であるビロウ。形態的には葉先が細かく裂けて垂れ下
がるのが特徴です。そして幹がツルツル。天孫降臨の地とされるここ宮
崎の地では青島をはじめ、宮崎県門川町の、その名も枇榔〔びろう〕島
に自生しています。
さて そのビロウ、なぜに公家社会に置いて貴重な植物だといわれるの
でしょう。
じつは葉の部分が特別視というか神聖視というされていたようで、代表
的な用途としては貴族の乗り物のイメージが強いあの牛車。そのなかで
もとくに上級貴族の乗る牛車の屋根材として 使われたのだそうです。
そういったビロウの屋根を持った牛車のことをわざわざ檳榔毛車(びろ
うげぐるま)ともよんで特別視していたともいわれますから、ビロウは
当時の社会においてとても貴重で高価なものだったにちがいありません。
ちなみに 記録に残っているところでは九条関白家の檳榔毛車に使用さ
れたビロウの葉についての記述で『牛車の屋根を葺くビロウの葉につい
ては日向の国の青島よりわざわざ取り寄せた』などという部分が確認さ
れてもいるようですから、いまのように交通が発達していない時代にお
いてはとてつもなくすごいことだったのでしょう。
いまの時代でいえば、これってこのかんじって・・・牛車って いまで
いうところの高級外車みたいなかんじで
うちの車は檳榔毛車で、しかも屋根材は あの青島[ちなみに江戸時
代まで神域とされ入島も禁止]からお取り寄せしているんですのよ
なんて、貴族の間での持ち物自慢的な会話が交わされていたのかもしれ
ませんね[笑]。
そして牛車の屋根材としてだけではなく、ビロウの葉には じつはもう
ひとつ、皇室行事と深くかかわっているという、ある意味 神聖な話が
ありまして・・・つづく。
庶民の生活に活用されている シュロに くらべて
ただあるだけで珍重されているかんじがするビロウ。
おなじヤシ科の植物なのに、ずいぶんと差があったの
ですねー、とくに牛車の時代には。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
前回からのつづきになります。
皇室というか公家社会においては松竹梅よりも貴重とされた植物があ
ります。
と書くと、それはその植物は天皇家の家紋ともされた菊ではないのか・・
と思われた方も多いかとおもいます。しかしちがうんです、この植物は、
Livistona chinensis こと ビロウ。
いかにも南の島の海岸に生えていそうなイメージのあの植物になります。
このビロウ、古名はアヂマサ。東アジアの亜熱帯(中国南部、台湾、南
西諸島、九州と四国南部)の海岸付近に自生し、北限は福岡県宗像市の
沖ノ島となる植物です。 こちら 。
ヤシ科の常緑高木であるビロウ。形態的には葉先が細かく裂けて垂れ下
がるのが特徴です。そして幹がツルツル。天孫降臨の地とされるここ宮
崎の地では青島をはじめ、宮崎県門川町の、その名も枇榔〔びろう〕島
に自生しています。
さて そのビロウ、なぜに公家社会に置いて貴重な植物だといわれるの
でしょう。
じつは葉の部分が特別視というか神聖視というされていたようで、代表
的な用途としては貴族の乗り物のイメージが強いあの牛車。そのなかで
もとくに上級貴族の乗る牛車の屋根材として 使われたのだそうです。
そういったビロウの屋根を持った牛車のことをわざわざ檳榔毛車(びろ
うげぐるま)ともよんで特別視していたともいわれますから、ビロウは
当時の社会においてとても貴重で高価なものだったにちがいありません。
ちなみに 記録に残っているところでは九条関白家の檳榔毛車に使用さ
れたビロウの葉についての記述で『牛車の屋根を葺くビロウの葉につい
ては日向の国の青島よりわざわざ取り寄せた』などという部分が確認さ
れてもいるようですから、いまのように交通が発達していない時代にお
いてはとてつもなくすごいことだったのでしょう。
いまの時代でいえば、これってこのかんじって・・・牛車って いまで
いうところの高級外車みたいなかんじで
うちの車は檳榔毛車で、しかも屋根材は あの青島[ちなみに江戸時
代まで神域とされ入島も禁止]からお取り寄せしているんですのよ
なんて、貴族の間での持ち物自慢的な会話が交わされていたのかもしれ
ませんね[笑]。
そして牛車の屋根材としてだけではなく、ビロウの葉には じつはもう
ひとつ、皇室行事と深くかかわっているという、ある意味 神聖な話が
ありまして・・・つづく。
庶民の生活に活用されている シュロに くらべて
ただあるだけで珍重されているかんじがするビロウ。
おなじヤシ科の植物なのに、ずいぶんと差があったの
ですねー、とくに牛車の時代には。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」