グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

the curse  / 祟り。

2022-02-07 17:07:47 | Weblog
次回分関連資料として、2008年分の再掲載です。
 ↓

『 the curse  / 祟り。 』

家族連れの釣りや、ジョギングにサイクリングなどのスポーツをされる人
たちでにぎあう場所が、多摩川の河口にほど近い場所にある。潮風やお日
さまといった明るいイメージで溢れる場所・・・それが、ここ穴森稲荷の


のどかな風景.jpg 大鳥居さま。 

「祟り」という言葉を海外にまで広めたという大鳥居さまですか、これほ
ど「祟り」という言葉と無縁な場所はないのではないかと、個人的には
思ってしまうのです。

そんな有名すぎる羽田の大鳥居の謂われを伝えた「THE EAST」誌
の英文の記事をとりあげみました。お話は、こうです。


the curse  / 祟り

The area around Haneda was originally a temple town
for the Anamori Inari Shrine.


羽田一帯は、もともと穴守稲荷神社の門前町でもあった。


Before the war, the shrine sat inside today's Haneda
Airport.But, with the ending of the war and the eviction
of residents in neighboring areas, the shrine too was
transferred to it present location.
Although there were several proposals over the years
to take down the shrine, a series of mysterious accidents
fell upon those involved in the construction and
the shrine escaped the threats of tear down thanks to
those in fear of the "curse."


しかし、終戦を迎え、近隣地区の住民たちが強制退去されたのだが、
穴守稲荷神社の大鳥居だけは撤去されず、長らく旅客ターミナルビル前面
に残されていた。
何度か取り壊しや移転案も出たのだが、その度に工事関係者の事故が相次ぎ、
祟りを恐れてか撤去出来ずにいたのである。


というものです。

西暦2000年前後までは、その場所にたっておられましたので、ご存知の
方も多いことかと思います。

もう少し詳しく説明しますと・・・

日本初の国営民間航空空港「東京飛行場」として昭和6年に開港した羽田
 空港は、終戦時に進駐軍によって接収され、穴守神社神社とその門前町
 〔穴守町・鈴木町・江戸見町〕の1200世帯・3000人も立ち退きを
 余儀なくされた。

 しかし、大鳥居は残った。

 壊そうとしたら不思議な事故が頻発し、進駐軍の工事の担当者が次々と変
 死したためであるという噂とともに。その後進駐軍/米軍からの空港返還
 後も、移動や撤去の話は何度も出ましたが、やはりこれまでの話の経緯を
 恐れてか、鳥居は残された。


と、いうことですね。

まあ、しかし よくよく考えと見ますと、日本の神は本来、祟るもの。

将門さまや道真さまはもとより、流行り病や天災などの災厄そのものが神の
「curse」であり、それを暴れぬように畏れ鎮めて祀り上げたものが、日本
の神社祭祀の始まり
であるともいいます。
そういう視点から見れば、まさに神社本来の姿が日本の表玄関ともいうべき
羽田空港に息づいていたというわけでしょうね、この穴守さまの大鳥居のケ
ースは。

経緯.jpg


そういったわけで、日本の神さまの成り立ちを考えさせられるにふさわしい
穴森稲荷さまの大鳥居をご紹介させていただきました。お近くにお越しの節
は、穴森稲荷さまとあわせてご参拝いかがですか。

経緯2.jpg そうそう、そしてその後の、移転されたお話です。

大鳥居.jpg

1998年、新しい滑走路を建設することが羽田空港で決定・・・いよいよ
撤去かと思われたのですが、付近の住民をはじめとする有志が移転費用の負
担を申し出たために、壊すことなくクレーンで移動することとなったのです。
そうして1999年2月。800メートルの距離を4日間かけてゆっくりと
移動され、現在の場所に無事に鎮座
されました。



晴れ 稲成りで稲荷さまだけに、お稲荷様と農業には深い関係があるこちら
  ・・・ということで羽田にいくたぴに参拝させていただいております。

「<emoji code="h420" /> 夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜


イネの守護神。

2022-02-03 13:48:22 | Weblog
イネの守護神。
3回シリーズの一回目。次回・次々回もよろしかったら。


イネとイネつくりに関係した神様、それがお稲荷さまです。

 稲成りに、稲生り(いねなり)で、稲が成育すること、
 また 稲つくりを担(にな)うこと、すなわち 稲荷 。


そうした理由から、古来より人々は伏見稲荷に参詣し、稲荷山の土
を持ちかえります。稲荷山の土を戴いて、それを自分の田畑に撒け
ば五穀がよく稔り、害虫がつかないという素朴な信仰のかたちです。

 前つがたは諸国の農民山州伏見稲荷山の土を求田毎に入れば
 保食神の加護にてよく実のるとて皆人ごとに土をもとむ。

と、大阪の随筆家であった田宮仲宣・文永壬午年〔1822〕刊の
随筆集には、この稲荷山の土に関して書き留めてもいるようです。
この風習が、のちのち各地神社の現代でも見受けられる「清め砂」
や「御神砂」となっていったのかもしれませんね。

そのような日本民俗信仰における稲作の神、お稲荷さま。

仕事がら自分は、個人的に羽田の穴守稲荷神社にお参りさせていた
だいております[以前掲載した 不思議な砂の話 の回でご紹介し
た御神砂は、穴守さまからいただいたもの、境内には時期になると
バケツ稲もつくられていたり/こちら]。

そんな穴守さまの紋どころには、はっきりとイネの姿が描かれてお
ります。

そして、キツネのお話です。

狐が稲荷神そのものであると誤解されている方もいるかもしれませ
ん。たしかにどこの稲荷社の境内にもおキツネさまばかり/笑。しか
しキツネはあくまでお使い〔中世以前にはキツネの姿はみられなか
ったといいます
〕。

穴守神社のご祭神は、紀記などで食物の祖神・農耕の神とされる保
食神、豊受姫命/とようけひめのみこと。 女性神であらせられます。


晴れ 文中の随筆家・田宮仲宣さんっておもしろい>

 田宮仲宣が別の随筆集に書いた文の話ですが・・・「以前ある人の
 子に狐が憑いた。この狐、たいしたもので諸氏百家を暗記しており、
 誰もこの憑いた狐との問答に勝てなかった。しかしある人がある質
 問をしたら、あっさりと観念して離れたのだそうです。さあ、諸氏
 百家を暗記していたという その狐がわからなかった質問 です。
 あなたならなんと問われますでしょうか? じつはその質問・・・・

  論語の中で、「子曰く」とは何回出てくるか
  と問うと、狐は観念して離れた。

 と、いうことですが・・・これにはわたくし はげしく納得/笑。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染