よしもとばななの書き下ろし。
この人の本は「キッチン」からほとんど読んでいます。
好きというのとはちょっと違ってて、多分、主人公の(間違いなくほとんど女の子)独り言のような一人称で話が進んでいくから、するすると、まるで自分のことのように読めてしまうからだと思う。
共感してしまう箇所が多いだけに、自分の精神状態によっては時々彼女の本はうっとおしく感じてしまうこともある。
この本も、暗闇と、死と、幽霊がふんだんに盛り込まれていた。
でも、決して恐くはない。
静かで、とても美しい本だ。
「愛されるということは『この人に触っていたい、優しくしたい』と思われることなのだな」
という下りが一番好き。
人を愛する、ということがどういうことか分かっていても、反対に愛されるってどういうことか案外分かっていなかったりする。
彼女の本を読むのは、自分の中にある漠然とした物を、ハッキリと言葉にしてくれるからかも知れない。
湖の底って、暗くて寂しいだけじゃなくて、実は案外居心地がいいんじゃないかと思う。
だって、暗くて静かで遠くで低い音がして温かかったら、母親の胎内と同じ。
それは記憶に残っていないとしても、この世で一番安全な場所だと本能で知っているわけで。
だから、どん底で落ち込んでる人が、なかなか浮上できないのは、中途半端な落ち込みじゃなくて、湖底に落ち着いちゃって、逆に安らかな気持ちになってしまってるからじゃないかと。
浮いてる水面の方が、風や雨や人が乗るボートなんかの外的要因で、掻き乱されてしまって、決して平穏ではないからね。
えーと、こういう話ではないですね。
これは私のひとりごと。
風のない日の穏やかな水面のような、湖底の静寂のような、そんな話。
この人の本は「キッチン」からほとんど読んでいます。
好きというのとはちょっと違ってて、多分、主人公の(間違いなくほとんど女の子)独り言のような一人称で話が進んでいくから、するすると、まるで自分のことのように読めてしまうからだと思う。
共感してしまう箇所が多いだけに、自分の精神状態によっては時々彼女の本はうっとおしく感じてしまうこともある。
この本も、暗闇と、死と、幽霊がふんだんに盛り込まれていた。
でも、決して恐くはない。
静かで、とても美しい本だ。
「愛されるということは『この人に触っていたい、優しくしたい』と思われることなのだな」
という下りが一番好き。
人を愛する、ということがどういうことか分かっていても、反対に愛されるってどういうことか案外分かっていなかったりする。
彼女の本を読むのは、自分の中にある漠然とした物を、ハッキリと言葉にしてくれるからかも知れない。
湖の底って、暗くて寂しいだけじゃなくて、実は案外居心地がいいんじゃないかと思う。
だって、暗くて静かで遠くで低い音がして温かかったら、母親の胎内と同じ。
それは記憶に残っていないとしても、この世で一番安全な場所だと本能で知っているわけで。
だから、どん底で落ち込んでる人が、なかなか浮上できないのは、中途半端な落ち込みじゃなくて、湖底に落ち着いちゃって、逆に安らかな気持ちになってしまってるからじゃないかと。
浮いてる水面の方が、風や雨や人が乗るボートなんかの外的要因で、掻き乱されてしまって、決して平穏ではないからね。
えーと、こういう話ではないですね。
これは私のひとりごと。
風のない日の穏やかな水面のような、湖底の静寂のような、そんな話。