明美指圧はりきゅう室の健康歳時記

季節の変化を身心で感じていますか?

九鍼十二原篇 ⑥

2013-09-21 22:07:26 | 学問

9月8日の静岡脉診医学研究会で、

久しぶりに「霊枢」の講義がありました。

黄帝曰く、願わくは五蔵六府の出づる所の処を聞かん。

岐伯曰く、五蔵五諭、五五二十五諭、六府六諭六六三十六諭。経脈十二、絡脈十五、凡そ二十七気、以て上下す。出づる所をと為し、溜るる所をと為し、注ぐ所をと為し、行る所をと為し、入る所をと為す。二十七気の行る所、皆五諭に在るなり。節の交、三百六十五会。其の要を知る者は、一言にして終わる。其の要を知らざれば、流れ散じて窮まりなし。言う所の節なる者は、神気の遊行出入する所にして、皮肉筋骨に非ざるなり。

今回は、経絡治療には欠かせない、五行穴の基本が書かれていました。

井榮兪経合(せいえいゆけいごう)は、本治法には欠かせません。

脉診、腹診などの診察(望聞問切)の後に、

主訴が、肩や腰にも関わらず、

まず先に、肘から手先、膝から足先のツボに刺していますよね。

あれが五行穴。(五要穴も含まれていますが・・・)

詳しいツボの名前は書かれていませんが、

節なる者は、神氣の遊行出入りするところ。

ツボは生きている!と言われますが、

確かに、反応のないところに刺しても効きませんね。

以下は、診察、診断、治療に関する注意事項が書かれていました。

其の色を睹、其の目を察、其の散復を知る。其の形を一にし、其の動静を聴き、其の邪正を知る。右はこれを推すを主り、左は持してこれを御し、気至れば而ちこれを去る。

凡そ将に鍼を用いんとすれば、必ず先に脈を診、気の劇易を視て、乃ち以て治すべきなり。五蔵の気已に内に絶え、而るに鍼を用いる者反って其の外を実するは、是れを重竭と謂う。重竭なれば必ず死し、其の死するや静なり。これを治する者輙ち其の気に反して、腋と膺とに取ればなり。五蔵の気已に外に絶え、而るに鍼を用いる者反って其の内を実するは、是れを逆厥と謂う。逆厥なれば則ち必ず死し、其の死するや躁なり。これを治する者反って四末に取ればなり。刺の害、中たりて去らざれば、則ち精泄し、中たらずして去れば、則ち気を致す。精泄すれば則ち病益ます甚だしくして恇え、気を致せば則ち生じて廱瘍を為す。

鍼の刺し方によっては、病状を悪化させることもある。と。

氣の去来を正しくとらえて、鍼の刺し、抜きをしなさいということです。

これは大変難しいことですが、

常に指先に意識を集中して、去来を逃さないように心がけています。

心に留めておきたい文章です!


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