昨日、静岡県立大学で今年度2度目の「漢方の基礎学習と薬草園見学の会」
がありました。
まず(株)ツムラ医薬研修部 大武 光先生は「気鬱と漢方」の講演をされました。
東日本大震災以来、気鬱の方が増えているということで
今年度のテーマの痛みとは少し違うのですが、このテーマにされたそうです。
気鬱とは、気分が塞ぐこと。気分が晴々しないこと。
症状には頭冒感(何か頭にかぶった感じ)、梅核気(喉に何か詰まっている感じ)、
腹部膨満感、四肢腫脹感、イライラなど。
このような症状に、柑橘類の皮や韮、ニンニク、ラッキョウ、大根、玉ねぎなどが
良いそうです。
柑橘類の皮でワックスがかかっていないものを干して、少し紅茶に入れて飲むと良いそうです。干して何年も経ったほう効果がある?とか・・・
また、散歩や体操で身体を動かすことも、気鬱の解消には重要と説明されました。
次に善山整形ハーブクリニックの善山 克彦先生の「痛みとストレスの漢方治療」
の講演がありました。
整形外科で今まで常識とされていた器質的変化(捻挫、ヘルニアなど検査で原因が明らか)があるから、痛みが発生する。と言われてきたことが、当てはまらない場合に遭遇されて、
機能的変化(原因がはっきりしないが症状がある)の場合に、東洋医学でいう、心(しん)の影響、現代風にいえばストレスが関連しているということに注目されたそうです。
心は神明を主る。精神の働きを統括しているので、氣を補い、血を養う漢方薬が効くそうです。
今回は、帰脾湯や補中益気湯が紹介されました。
しかし、大事なことは薬だけでなく、今の症状が出た原因、環境を変えていく努力が必要と言っておられました。
鍼灸でも、痛みだけではなく、全ての病に対して、「内因なければ外邪入らず」
という言葉があり、
内因とは、怒、喜、思、憂、悲、恐、驚の七つの感情のことですが、何かしらの変化があり、怒は肝、喜は心、思は脾、憂、悲は肺、恐、驚は腎に関係があるとして、その病に適したツボを探して鍼、灸をしていきます。
西洋医学の、内科ではなく整形外科の先生にも、東洋医学が浸透してきていることで、多くの方々に元は同じ東洋医学の鍼灸治療にも理解が得られればうれしいです。
午後は、薬草園の見学を久しぶりに参加してきました。
炎天下の中、今回は薬草園の管理をされている宮本先生に説明いただきました。
多くの熱心な方々が先生を囲み、質問攻め。それでも嫌な顔をせず、答えて下さいました。
キハダが本当に黄色く、ステビアの甘いこと。見るだけでなく、触れたり、噛んだり、他にも色々体験出来てとても楽しかったです。
急に空模様が変化しゴロゴロしてきましたが、約二時間無事にまわれました。
![1187_2 1187_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/c7/31673260ebb82433e152fb07a9e43b6b.jpg)
六月に撮影した当帰に種ができていました。