福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

我が魂は、皆さんの歌声の中にある

2022-02-26 23:21:48 | コーラス、オーケストラ
2022年2月27日は、東大和市民合唱団「第九を歌う会」本番を振る筈であったが、何の因果が23日の夜、前触れもなく突然発熱し、オケ稽古初日の24日にPCR検査をしたところ、無情にも陽性。
ということで、降板となった。

年が明けてからは、外出機会も減らすなど、特に感染には気を付けていただけに、残念でならない。

よりによって、なぜこのタイミング?

運命を呪いたくもなるが、人生にそういうことは良くあるものさと、観念することにした。

以上、チケットのご購入者のためにも、いち早くご報告すべきであったが、39度を越す熱や全身痛のため侭ならず、症状の和らいだ今となってしまったことをお詫び申し上げる。

今回の第九に賭ける意気込みは我ながら相当なもので、日常の8割は第九のことを考えていたと思う。演奏のイメージも日に日に膨らんでいただけに、幻となってしまったことは無念である。必ずやリベンジしたい。

しかし、問題は、そんな我が個人的な想いよりも、関係者にご迷惑をかけてしまったことである。関係者を失望させ、また、様々なお手間をお掛けしてしまったことは、まことに心苦しい。

幸いにも、都響団友さんとの縁も深い佐藤寿一先生に代役をお引き受け頂いた。急な要請にお応え頂いた佐藤先生には心より感謝申し上げたい。

以下、わたしから、合唱団に送ったメッセージを転載する。ここに我が想いがある。

東大和市民合唱団「第九を歌う会」の皆様、
この度は、本番をご一緒できなくなり、まことに申し訳ありません。

また、20周年記念という節目のコンサートにわたしを選んでくださった役員の皆様には、ご恩返しができず、ただただ辛く、無念に思っております。

東大和の第九を歌う会は、世間一般の市民の第九とは一線を画したクオリティの高い合唱団です。レッスンは充実したものでした。
蒔かれた種は、確実に発芽し、大きく育っています。本番では、必ずや美しい花を咲かせてくれることでしょう。

わたしの心は、ハミングホールにあります。
本番では佐藤先生の背後にわたしが立っていると思い、思う存分、歌ってください。

また、お世話になった沼田先生、中村先生、笹先生には、直接のお礼を申し上げる機会がなくなりました。この場をお借りして、感謝の意を伝えたいと思います。有難うございました。

コンサートの成功を心より祈念しながら。

福島章恭


新年明けましておめでとうございます(2)いよいよ「第九」を指揮!

2022-01-02 18:52:59 | コーラス、オーケストラ

2022年、もっとも興奮するイベントが、いきなり2月に訪れる。
東大和市民合唱団「第九を歌う会」20周年記念演奏会に於ける「第九」である。
間違いない。

東大和市民合唱団「第九を歌う会」さんとは、2001年の第1回コンサートからの長いお付き合いになる。
最初の2年間は、「第九」の合唱指揮者として。これは、間接的に故・堤俊作先生によるお導きであった。
そして、本番指揮者兼合唱指揮者としては、モーツァルト「レクイエム」(2005年,2019年)、ヘンデル「メサイア」(2009年,2013年)と迎えてくださった。
即ち、20公演中の6つもの公演に携わらせて頂いたことになる。
わたしをとても大事にしてくださる団であり、わたしにとっての故郷のような団なのである。

本来であれば、昨年の2月に行われる予定であった創設20周年を記念する演奏会。何としても開催まで漕ぎ着きたい。
不幸中の幸いとしては、約1年間延期されたことで、私自身、より多く「第九」を学べていること。
昨年4月に「7番」を振った経験が生きるであろうことも大きい。
また、コロナ禍に打ち克つために身につけた合唱のための指導法が、今回の公演に向けても成果を見せ始めているのも嬉しい限り。

感染への心配などもあってか、合唱団員は数こそ集まっていないのだけれど、覚悟を持っていらしているだけに各人のモチベーションは高く、毎週手応えあるレッスンが展開できている。
20周年記念に相応しい豪華なソリスト陣との共演もおおいに胸の高まるところだ。

乞うご期待。
どうぞ、お誘い合わせの上、ご来場ください!

東大和市民合唱団「第九を歌う会」20周年記念演奏会

ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」序曲
                           交響曲第9番ニ短調op.125「合唱付」

2022年2月27日(日) 開場13:15 開演14:00
 
東大和市民会館ハミングホール 大ホール

指揮(合唱指揮): 福島章恭
ソプラノ: 大隅智佳子

アルト: 小林由佳
テノール: 澤崎一了
バリトン: 村松恒矢

管弦楽:東京都交響楽団団友会オーケストラ
合唱: 東大和市民合唱団「第九を歌う会」
副合唱指揮:沼田臣矢

自由席券 3,000円
指定座席券は完売いたしました。

主催:東大和市民合唱団「第九を歌う会」
岡田:090-7838-7576
本荘:090-1773-8897

共催:東大和市民会館ハミングホール

 

 

 


新年明けましておめでとうございます(1)昨年を振り返る

2022-01-01 14:21:15 | コーラス、オーケストラ


新年明けましておめでとうございます。
 
昨年はお世話なりました。
本年もよろしくお願い致します。

昨年は、まだまだ合唱指揮活動が本格的に復活できなかったこともあり、自己研鑽に多くの時間を割いた1年となりました。
レッスンや本番の減少は、精神的にも経済的にも辛いことではありましたが、コロナ禍前の多忙の日々ではできなかったであろう勉強の出来たことは幸いでした。
腰を据えてスコアを読んだり、指揮法、発声法について考察した時間は、既に日々のレッスンに生かされておりますし、今後のわたしの活動を支えてくれることになりましょう。
 
そんな日々にあって、ふたつの大きな演奏会がありました。
ひとつは、昨年3月13日に行われたのやまと国際オペラ協会によるモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ハイライト&「レクイエム」公演(やま芸術文化ホール・メインホール)。
オーケストラ・ピットの中に、幾重にもパーティションの置かれるという悪条件の中、自分にとっても初挑戦となるオペラの指揮が、抜粋とはいえ、滞りなく出来たと言うことは、大きな自信となりました。
このような機会を与えてくださった関係者の皆様には、心より感謝しています。
 
  
 
つづいては、4月17日に行われた「福島章恭シリーズ2 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」(杜のホールはしもと)。
モーツァルト「フィガロの結婚」序曲&「ジュピター」、ベートーヴァン:交響曲第7番という魅惑のプログラム。
コロナ禍にあって、経済的には満身創痍の自主公演。
念願のベートーヴェンの交響曲初指揮となりましたが、東京フォルトゥーナ室内管の献身的な演奏に支えられて、なんとか責任は果たせたのではないかと、自負しています。
ライヴ全曲は、かもっくすレーベルよりCD化されており、好評を博しております。https://tower.jp/item/5214401/モーツァルト、ベートーヴェン 

 
大フィル合唱団の活動としては、まずは、4月定期のモーツァルト「戴冠ミサ」(指揮:尾高忠明先生)。
初日の演奏はNHK-FMにて収録され放送もされました。
音楽監督である尾高先生とは、ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」にて共演予定でしたが、コロナ禍にあって大規模な合唱作品へのリスク回避より、小規模なモーツァルト作品となりました。
尾高先生のモーツァルトへのアプローチの気品溢れる優雅さが印象に残っています。
あの気高さに、合唱は、どこまで寄り添えたでしょう・・・。
もっと、出来たことはあると思いますので、この課題は、本年のデュリュフレ「レクイエム」でリベンジするつもりです。
 
 
9月の大坂クラシックでは、大阪中央公会堂中集会室で、大人数では歌えないということで、合唱団を女声1グループ、混声2グループの3つに分け、別のプログラムを歌いました。
混声によるラインベルガー「レクイエム」、三善晃編「唱歌の四季」も思い出深いですが、木下牧子「C.ロセッティの4つの歌」からの3曲は、大フィル合唱団の女声だけによる新鮮な体験でありました。
 
秋のツェムリンスキー&シェーンベルクの流れたことは痛恨でしたが、上岡敏之マエストロとのまたの機会のあることを信じたいと思います。
 
さて、年の締めくくりは、恒例の「第9シンフォニーの夕べ」。
ラルフ・ヴァイケルトさんとの共演が果たされなかったのは本当に残念ですが、ガエタノ・デスピノーサさんとの新たな出会いを楽しみました。
初日後に書いたとおり、大フィル合唱団にとっては大事な演奏会となりました。
おそらく、コロナ禍前の実力のまま、あの逆境に立たされたなら、まったく歯が立たなかったでしょう。
マスクやディスタンス対策を練る時間のとれたことが、コロナ禍によって研究時間があったから、というのは皮肉な話ですが・・。
合唱団には確実な進歩が見られ、実に頼もしく思いました。
 
お客様、オーケストラの皆さん、関係者の方々に歓んでいただけるのは、もちろん大事なことですが、もっとも嬉しかったことは、共演するソリストの皆さんに評価して頂いたことです。
声を熟知し、置かれた状況の困難さを知る、現代日本の最前線に立つ声の表現者の方々に、お誉めの言葉を頂くことは、なんという名誉でしょう。
辛いことの少なくない日々ですが、これらの声を心の支えに、今年1年も頑張って行けるかな、と思っています。
 
さて、些か長くなってしまったので、本年の抱負については、次回に譲りしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「第9シンフォニーの夕べ」逆境を力に変えた大フィル合唱団

2021-12-30 00:58:36 | コーラス、オーケストラ

朝比奈先生の20回目の命日のこの日、1964年からつづく大フィル伝統の「第9シンフォニーの夕べ」初日が大盛況のうちに開催された。

昨年はマスク着用のうえ、オーケストラとコーラスの間に、人の背丈を超すアクリル板が置かれ、しかも1日だけの公演。それでも、舞台に立って歌える歓びを噛みしめたものだが、今年はアクリル板を外し、オーケストラとの一体感を感じながら、満席に近い聴衆の前で歌うことができたことは、ひとつの前進と評価して良いだろう。ここまでお膳立てしてくださった関係者のご尽力に感謝を捧げたい。

大フィル合唱団の健闘を讃えたい。
未だ外すことの叶わなかったマスクによって声をミュートされ、換気のために開かれた反響板の隙間に声を吸い取られ、さらにメンバー間の大きなディスタンスによりアンサンブルが困難となる、という三重苦をものともせず、力強く歌いきってくれた。

春の「戴冠ミサ」以降、マスク対策のため、呼吸法、発声、そしてディクションの強化が求められ、対策を施してきたわけだが、それが実を結び、いままでにない力強さを身に付けてくれたように思う。

今宵のクオリティのまま、マスクを外すことができたなら、どれだけ感動が上積みされることだろう。しかし、これが終点であるはずもなく、まだまだ課題はある。裏を返せば、伸びしろはある、ということであり、更なる成長に期待したい。

ワイケルト先生との共演は叶わなかったものの、代わりにいらしたデスピノーザ先生との出会いは幸せなものであった。マエストロからは、これまでの大フィル合唱団にはなかった軽やかなアプローチへの可能性を拓いてくださったし、ドイツ語ディクションへの課題も頂戴した。大フィル合唱団の新しい財産となったことは間違いない。

そして、三宅理恵さん(ソプラノ)清水華澄さん(アルト)福井 敬さん(テノール) 山下浩司さん(バリトン)による輝かしい声とアンサンブルにも、感動を頂いた。まさに声による至福の饗宴であった。


2021年12月29日 (水) & 30日(木)午後5時開演

フェスティバルホール

指揮:ガエタノ・デスピノーサ

独唱:三宅理恵(ソプラノ)清水華澄(アルト)
   福井 敬(テノール) 山下浩司(バリトン)
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

ベートーヴェン/交響曲 第9番 二短調 作品125「合唱付」



大フィル合唱団 大阪クラシックに登場!

2021-09-07 23:40:55 | コーラス、オーケストラ

大阪クラシック 第4公演 

9月12日(日) 19:30
大阪市中央公会堂 中集会室

全席指定 1,000円

【指揮】福島章恭 【ピアノ・キーボード】小林千恵
【合唱】大阪フィルハーモニー合唱団

木下牧子/C.ロセッティの4つの歌(第3曲は割愛)
ラインベルガー/レクイエム 作品194
三善 晃編曲/唱歌の四季 (朧月夜/ 茶摘/ 紅葉/ 雪/ 夕焼小焼)

告知が遅くなりましたが、大フィル合唱団の「大坂クラシック」への出演情報をお知らせします。

来る9月12日(日) 19時30分 大阪市中央公会堂 中集会室に於ける第4公演です。
昨年は、かつてない大きな試みを予定していながら。コロナのために涙をのみ、本年はリベンジも込めての出演となります。

プログラムは、以下の3曲。

女声:木下牧子/C.ロセッティの4つの歌(第3曲は割愛)
混声:ラインベルガー/レクイエム 作品194
混声:三善 晃編曲/唱歌の四季 (朧月夜/ 茶摘/ 紅葉/ 雪/ 夕焼小焼)

本年は、コロナ感染症防止対策により、大所帯である大フィル合唱団全員がひとつのステージに乗ることは適いません。そこで、全体を2つの混声合唱団と1つの女声女声合唱団に分割し、3つのステージを組むこととしました。それおぞれが、約30名の編成となります。

オケ付きである大フィル合唱団としては、いずれも希有な選曲となりますが、とりわけ、女声のみのステージというのは珍しいと思われます。ホルスト「惑星」、マーラー「3番」への出演経験はありますが、コーラスとピアノだけという機会は、今後もそうそうないのではないでしょうか?
その御蔭もあって、レッスンはとても新鮮で、メンバー一同、生き生きと歌ってくれています。

もちろん、演奏が生き生きとするのは、木下作品の魅力あってのこと。
クリスティーナ・ロセッティによる生と死の境界線を行き来する詩の世界が、美しく格調高い音楽となっています(出演時間の都合で第3曲「それはなに」は割愛)。

混声のふたつのステージは、ラテン語による典礼音楽と日本語による唱歌を選びました。

ラインベルガーでは、なんといっても無伴奏二重合唱によるカントゥス・ミサop.109が最高傑作なのですが、それは、メンバー全員がひとつのステージに乗れるときまで待つとします。
「レクイエム」は、ラインベルガーならではの親しみやすさ、甘味で陶酔的なハーモニーによる佳作です。

三善先生の「唱歌の四季」は、個人的に、出版前に三善先生手書きのコピー譜で歌った懐かしい作品。そのときの指揮は、合唱界のレジェンド田中信昭先生でした。若き日に受けた田中先生の教えは、いまもわたしの中に生きていると思われます。
美しい日本の風土や日本人本来の心が描かれた5つの唱歌をもとに、三善先生が描き上げたファンタジーと言えましょう。
ピアノパートの美しさも特筆すべきで、小林千恵さんによる妙技にもご期待ください(今回は、ピアノ1台版による演奏になります)。

うっかりしていましたが、ウェブでのチケットの発売は9日(木)までのようです。

ご興味のある方は、どうぞお急ぎください!!

ローチケ
https://l-tike.com/order/?gLcode=53553&gPfKey=20210812000000924365&gEntryMthd=01&gScheduleNo=1&gCarrierCd=01&gPfName=第4公演&gBaseVenueCd=54466&version=PC

チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2121858&rlsCd=001


CD発売記念公開! ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92 より第3楽章「スケルツォ」 福島章恭 東京フォルトゥーナ室内管

2021-07-09 01:03:06 | コーラス、オーケストラ

 

CD発売記念公開! 
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92 
第3楽章「スケルツォ」ノーカット版 

福島章恭指揮 東京フォルトゥーナ室内管弦楽団

いよいよ今週末、「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」ライブCDが発売となります。

待望の発売を記念し、「7番」スケルツォをノーカットにて公開します。

お楽しみ頂けると幸いです。

かもっくすレコードにて直販もしておりますが、お振り込みがご面倒な方は、下記にてお求めください。

タワーレコード:https://tower.jp/item/5214401/モーツァルト、ベートーヴェン

HMV: https://www.hmv.co.jp/artist_ベートーヴェン(1770-1827)_000000000034571/item_ベートーヴェン:交響曲第7番、モーツァルト:交響曲第41番『ジュピター』、『フィガロの結婚』序曲、他-福島章恭&東京フォルトゥーナ室内管弦楽団(2CD)_11968815

アリアCD(会員制):http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=label%2Fkmc2104 

 

 


ツェムリンスキー:詩篇第23番 自習教材 全パート用 

2021-07-08 22:31:51 | コーラス、オーケストラ

Zemlinsky: Psalm 23 Self-study materal for ALL PARTS

久しぶりのブログ更新です。

いよいよ、今週末に発売される我がライヴCD「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」のプロモーション活動すら後回しにして没頭していたのが、
この音源、即ちツェムリンスキー:詩篇第23番。その合唱団員向けの自習教材 の制作です。

どうも、ひとつのことに熱中すると、他のことができなくなるのは悪い癖ですね。

かれこれ20年ほど前にブルックナーの交響曲をバーチャル音源で再現しようとしたことはありましたが、
当時は、音源ソフトも今ほど充実しておらず、何より家庭用パソコンのスペックが低すぎて断念したことがありました。
一番の問題は、MIDIキーボードで叩いてから音が発せられるまでのレイテンシーで、そのタイムラグに耐え切れなかったわけです。

昨年の夏、改めてDAW(Digital Audio Workstation)の世界に挑戦しようとしたのは、コロナにより合唱のレッスンが殆どキャンセルされ、自宅での有り余る時間を有効に活用しようということからでした。
御蔭さまで、合唱団向けのパート音源やら、自分で歌うための伴奏音源を制作するなど、導入の成果はあったかな、と考えています。

実は、上述の「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」コンサート前には、ベートーヴェン「7番」のスコア再現も行いました。
大いに勉強になりましたよ。
リアルなオーケストラに近い音色でスコアを再現することで、様々な発見があったからです。
たとえば、第1楽章の主部での、バスのリズムが付点からノーマルに移り変わる意味付けなど、スコアを眺めたり、レコードを聴いているだけでは、気付くことはできなかったでしょう。
この音源は、あくまで自分の勉強のためのもので、パート間のバランス処理もしていないなど、観賞用とは呼べず公開は出来ません。
年明けには、東大和市で「第九」初指揮の計画もあり、ぼちぼち、「第九」の制作にも入らなければ、と思っているところです。

ツェムリンスキー「詩篇第23番」は、シェーンベルク「地には平和を」とともに、来る10月14日、15日に予定されている大阪フィル第522回定期演奏会の演目です。
両作品とも、大フィル合唱団にとっては、取り組んだことのないタイプの作品であること。
また、コロナによりレッスン回数が制限されていることから、例外として、団員の自習練習用音源の制作に取りかかったわけです。
例外というのは、大フィル合唱団には、「音取りは各自が責任を持って行う」という暗黙の了解があるからです。
親切のつもりで音取り教材を作ってしまうと、いつしか、それが当たり前のようになってしまうのは良いことではありません。

単に音取りだけが目的なら、ピアノ・リダクションされた音を再現し、コーラス・パートを木管楽器の音色で演奏すればよかったのですが、
自分の勉強と楽しみを兼ねて、スコアの完全再現に挑戦した次第です。

制作の敵は、わたしの哀れな演奏能力よりも、まずは視力でした。
今現在、フル・スコアは手書きのものしか存在せず、浄書されたものとはいえ、とにかく音符がはっきり見えない。
さらに、臨時記号のフラットとナチュラルの見分けが付きにくかったりと苦労をしました。
それが、移調楽器のパートとなると、はじめのうちは瞬間的に迷路に迷い込んだようになりました。

などなど、面倒な作業の連続ではありましたが、それを上回る愉しさはありました。
何より作品の美しさを味わえたこと。
正直のところ、事前にナクソス・ミュージックライブラリやYouTubeでこの作品を聴いたときには、これほどの名曲であることに気付きませんでした。
しかし、録音しながら、しばし、「ああ、時間よ止まれ」と思える瞬間が何度も現れ、恍惚としたものです。
その感動をお伝えできれば幸いです。

表題のとおり、コーラスの全パート用のものです。
だったら、リアルな演奏の録音を聴けば良いではないか?
というご意見はご尤もですが、バーチャルであるからこそ見える美もあります。

また、合唱団員にとっては、リアルな演奏を聴きながらよりは、自分のパートが聴き取りやすく、練習に役立つのでは、と期待します。

さて、これより、各パート用にミックスダウンした音源をYouTubeにアップするとしましょう。
ただし、団員向けの限定公開。
聴きたい方は、是非とも大フィル合唱団のオーディションを受け、団員となってください(笑)。お待ちしております。

 

 

 


速報! 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェンCD 7月上旬リリース決定!

2021-06-05 08:04:33 | コーラス、オーケストラ

去る4月17日に杜のホールはしもとで開催された「珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン」のライヴCD。
いよいよリリースが決定しました。
ただいま、すべての編集作業を終え、工場にてプレス中であります。

7月上旬というと少し曖昧ですが、早ければ5日、遅くとも10日頃には店頭に並べることができそうです。

もともとは、プライヴェート盤としてCD-Rとして出す予定での録音でしたが、「プライヴェート盤として留めるには惜しい」出来映えということで、プレスすることにしたものです。それに伴い、ブックレット、レーベルのデザインをデザイナー大城祐香氏に依頼し、綺麗なものが出来上がっております。

各レコード会社へのご案内はこれからとなりますが、まずは第一報としてこちらに掲げたいと思います。

かもっくすレーベルでの直販もあります。
福島章恭自筆サイン付きをご希望の方は、こちらまでお申し込みください。
送料は、当方にて負担致します。

ご予約・お問い合わせ
かもっくすレーベル
Eメール: akiyasu.concerts@gmail.com

 

福島章恭 珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン(ライヴ)
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"

指揮: 福島章恭 Akiyasu Fukushima
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団 Tokyo Fortuna Ensemble
(コンサートマスター:相原千興) (Concertmaster: Chiaki Aihara)

収録曲目
Disc.1
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
Disc.2
1.. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92
アンコール
2. ヨーゼフ&ヨハン・シュトラウス2世:ピツィカート・ポルカ
3. ヨハン・シュトラウス1世::ラデツキー行進曲

2021年4月17日 杜のホールはしもと

ワオンレコードによるワンポイント高音質録音

かもっくす KMC-2104 CD2枚組 3,000円(税込み)

乞うご期待‼
ご予約・お問い合わせ
かもっくす音楽舎 
akiyasu.concerts@gmail.com


コンサート動画第2弾 ベートーヴェン「第7番」より第2楽章「不滅のアレグレット」

2021-05-12 15:02:24 | コーラス、オーケストラ

 
Beethoven: Symphony No.7 - 2nd.mov. Allegretto - AKIYASU FUKUSHIMA

ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92 より 第2楽章:アレグレット
Beethoven: Symphony No.7 A major op.92 2nd.mov. Allegretto

全曲の公開に先駆けて、「不滅のアレグレット」を公開いたします。
相変わらず、東京フォルトゥーナ室内管弦楽団の献身的な演奏に心奪われます。
6型(弦楽器6 - 6 - 4 - 3 - 2)という小編成には思えない充実したサウンド! 賞賛と感謝の言葉しかありません。
 
唯一惜しまれるのは、YouTubeにアップする際、オリジナルの音質からの劣化がある点です。
オリジナルを10点とするとこれは6から7点と言えましょうか・・。
この演奏の真価を、是非ともCDでお確かめ頂きたいと願っております。

スコアが見え、音楽とともに呼吸する動画づくりを心掛けました。
前作「フィガロ」序曲の経験が生きて、 編集作業のスピードとともに、質も少し上向いていると思われます。 楽しみいただけると幸いです。
 
♪かもっくすレーベルより、ライヴCD発売決定
感動の涙を呼んだアンコール2曲を含むコンサートの完全再現!
(ただいま、6月~7月発売に向け奮闘作業中)

珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン ライヴ
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"
(コロナ禍にあって、日常のささやかな至福を取り戻すコンサート)

指揮: 福島章恭 Akiyasu Fukushima
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団 Tokyo Fortuna Chamber Orchestra
(コンサートマスター:相原千興) (Concertmaster: Chiaki Aihara)

収録曲目
1. モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
2 .モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551 「ジュピター」
3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調op.92
アンコール
ヨーゼフ&ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス2世:ピツィカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウス1世::ラデツキー行進曲
 
2021年4月17日 杜のホールはしもと
 
ワオンレコードによるワンポイント高音質録音
CD2枚組 3,000円(税込み)
 
詳細は後日。乞うご期待‼
 
お申し込み・お問い合わせ かもっくす音楽舎 
akiyasu.concert@gmail.com
一部を表示
 
 

祝! ライヴ動画第1弾完成 モーツァルト「フィガロの結婚」序曲

2021-05-08 23:26:59 | コーラス、オーケストラ

モーツァルト「フィガロの結婚」序曲 

指揮: 福島章恭
東京フォルトゥーナ室内管弦楽団(コンサートマスター:相原千興)

祝! ライヴ動画第1弾完成‼!
珠玉のモーツァルト&ベートーヴェン ライヴ より
”OVERCOME COVID-19 CONCERT with Amadeus & Ludwig"
(コロナ禍にあって、日常のささやかな至福を取り戻すコンサート)
 
今回は、わたしの記念すべきベートーヴェン:交響曲第7番初指揮ということもあり、映像として記録に残したい気持ちはありました。
専門業者に見積もりをとったところ、とても支払える金額ではなく、「自前で撮るほかあるまい」という結論に。
自前のハンディカム1台+レンタルカメラ3台を用意し、カメラマンを雇う余裕もないので、それぞれ開演前より置きっぱなし、撮りっぱなしにし、後から編集することとしました。
実際の画面を見て、カメラの置き場所がベストではなかったことを知るのですが、後の祭り。
とにかく、目の前の材料でなんとか料理したのが、この動画です。
4K動画4本を同時に処理するには、5年前のパソコンには荷が重く、パソコンも新調することに・・・。
映像には、まったくのド素人ゆえ、苦労しましたが、なんとか格好は付いたのではないでしょうか?
また、動画完成間際に、さらに要領のよい編集方法を発見したので、第2弾以降に生かせると思います。
 
コンサートのお客様のみならず、いらっしゃれなかった多くの皆様に聴いて頂きたい演奏です。
どうぞよろしくお願いします。
 
♪かもっくすレーベルより、ライヴCD発売決定
感動の涙を呼んだアンコール2曲を含むコンサートの完全再現!
(ただいま、6月~7月発売に向け奮闘作業中)。
乞うご期待! https://youtu.be/P88ZlEuDkus