福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

オルガンの日、北へ

2015-09-30 15:07:36 | コーラス、オーケストラ
今日はオルガンの日。

長岡へ向かう途上、ルネ・サオルジャンによるブクステフーデ作品集7LP(仏ハルモニアムンディ)、アルムート・レスラーによるメシアン作品集7LP(独シュヴァン)と出会ってしまった。

前者については、CDにて所有していたがレコードでも聴きたいところ。後者については、試聴したところ呪縛されるほどの強烈な印象。いきなり未知の世界へ魂が連れ去られるような不可思議な感覚である。買わずに帰ると夢に出るに違いない。

そのほか、ベーム&ベルリン・ドイツ・オペラによるベルク「ルル」3LP(独グラモフォン・オリジナル)。ヘッツェル&ドイチュによるブラームス: ヴァイオリン・ソナタ集 SACD(エクストン)、ヴァンスカ&ミネソタ響によるベートーヴェン交響曲全集SACD(BIS)など。

さて、ミューザ川崎に於けるハイティンク&ロンドン響のブルックナーに想いを馳せつつも、「マタイ」レッスンの待つ北へ向かおう。万一の上越新幹線の不通などという緊急事態の起こることは、露ほども期待していない。

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案の定、ハイティンク&ロンドン響への割れる評価 追記あり

2015-09-29 13:54:41 | コンサート

案の定、ハイティンク&ロンドン響初日(9月28日 サントリーホール)の評価が割れていますね。

感動と落胆。

これほど極端に印象の分かれる例も珍しい。昨日も書いたように、フォルティシモの迫力より、ピアノからピアニシモにかけての様々な色合いや温度の描き分けが、演奏の命だったため、音の満足に届かない席では、覇気のない、ただの軟弱に聴こえてしまったのでしょう。しつこいようですが、実際には、如何なるピアニシモに於いても、支えと重さのある堂々たる演奏であったことは、保証します。もう現実のものとは思えないほどの究極の美です。

実は、終演後にお会いした某マエストロも「なんで、今日の演奏はあんなに力なくフニャフニャなの?」と全く浮かないご様子でした。因みにマエストロは所謂VIP席、つまり二階センターにお座りでしたが、開館以来約30年間このホールに通うわたしの経験からは、全く演奏を楽しめない席の代表なのです。

今回、運悪くマイナスの印象を持たれた方には、別会場でその真価を確かめて頂きたい。とはいうものの、ミューザ川崎も二階席後方はダメ(一階、三階は未体験)だし、NHKホールは殆どの席がダメだし・・。やはり、座席選びが大事ですね。S席がよいとも限りませんが。

ハイティンクも86歳、今後聴く機会もないかも知れないということで、今回、好きな座席を確保できて良かったとつくづく思います。

ところで、感動のあまり、10月5日東京文化会館のブラームス1のチケットも急遽入手。残券僅少ゆえ最上とはいかないものの、まずまずの次くらいの座席をゲット。ホントは別のコンサートのチケットを持っていたのですが、ペライアとハイティンク&ロンドン響には、それをキャンセルするだけの価値はある、と確信した次第。ブルックナーではないけれど、それでも幸せですね。

追記 サントリーホールの1階席にも音の良いスポットがあるとの情報が入りました。LB,RBよりも好ましいという声もあります。以前、1階席に懲りたので以後2階専科でしたが、何かの機会に試したいと思います。

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ハイティンク&ロンドン響 来日公演初日 ~ もっとも感動した演奏会のひとつ

2015-09-28 23:36:00 | コンサート

ハイティンク&ロンドン響 来日公演初日。

美しかった!

入場料も安くはないし、大好きなブルックナーの日ではないし、どうしようか躊躇もしたけれど、出掛けて正解だった。

ここ数年、とかの単位ではなく、わが半生(もう折り返し点は過ぎているが・・・)の中でも、もっとも感動した演奏会のひとつと呼べる。

まずは、ペライアを独奏に迎えてのモーツァルトのハ短調協奏曲K.491。

ハイティンクの棒から生まれロンドン響のサウンドは、彼岸の国に鳴り響くが如く・・・。

弱音の儚さ、木管の憂愁、そして、その幻想の中を駆け巡るペライアのピアノ。

こんな類いの響きを体験するのははじめて、というほどの感銘を受けたのである。

ペライアのモーツァルトと言えば、2014年11月、同じサントリーホールにて、アカデミー室内楽団を弾き振りした協奏曲第21番ハ長調K.467を聴いたばかりだが、感動の質は今回の方が深かった。

100%ペライアとなる弾き振りも素晴らしいのだが、ハイティンクという他者と出会ったときに生まれる一期一会の炎が堪らなく美しいからである。

そして、マーラーの「4番」。

けっして大言壮語することない、徒に効果を狙うこともない、誠実でいて、どこまでも深く、愛に満ちたマーラー。

「ブルックナーじゃないけど、まあいいか」程度のの心構えで来てしまったことをお詫びしたい。

生きることの歓び、哀しみ、そして世界の美しさを思わせてくれる、極上のマーラーであった。

唯一惜しまれるのは、サントリーホールの音響であろう。

今回、わたしはLBブロック最後部というお気に入り(大きなオーケストラを聴く場合)に陣取ったので演奏丸ごとを堪能できたのだが、座席によっては音に芯のない、弱々しい演奏を聴こえてしまったようである。

力づくの場面が皆無、ピアノ以下の弱音に無限のニュアンス漂う美演だっただけに、勿体ない話だ。

そもそも、サントリーホールは音の良いスイートスポットが限定されすぎている。2017年に音響面も含めた大改修を行うという話だが、せめて1階席と2階席センターに音が届くように直して貰いたい。

 

ロンドン交響楽団演奏会 

2015年9月28日 19:00 サントリーホール

【プログラムC】 モーツァルト: ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 (ピアノ: マレイ・ペライア)
***
マーラー:交響曲第4番 ト長調 (ソプラノ:アンナ・ルチア・リヒター)
【出演】 ベルナルト・ハイティンク(指揮)
マレイ・ペライア(ピアノ)
アンナ・ルチア・リヒター(ソプラノ)

 

 

 

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本日の第2戦 ハイティンク&ロンドン響

2015-09-28 18:26:23 | コンサート

本日の第2戦です。

ハイティンク&ロンドン響@サントリーホール。

プログラムは、ペライア独奏のモーツァルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491とルチア・リヒター独唱のマーラー4番。

ホントはブルックナーを聴きたかったのですが、スケジュールの都合でやむなし。

ラインの黄金からマーラー4番は、些か重たいですが、楽しみたいと思います!

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ダブルヘッダー第1戦 ~新国「ラインの黄金」ゲネプロ

2015-09-28 13:15:04 | コンサート


新国立劇場「ラインの黄金」のゲネプロに来ています。飯守リングの第1弾!

本公演のすべてが、自分のコーラス・レッスンと被っていたため観劇を諦めていたところ。ゲネプロとはいえ、嬉しいですね。

休憩なしの2時間45分。大いに楽しんできます。
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明日に備えて・・・

2015-09-27 23:18:03 | コーラス、オーケストラ

都響定期 オリヴァー・ナッセンによるストコフスキー版「展覧会の絵」

CD:マタチッチ&RAIのベートーヴェン交響曲全集

SACD:パーヴォ・ヤルヴィ&N響のR・シュトラウス「英雄の生涯」

大阪フィル合唱団」:信時潔「海道東征」初回レッスン

コミックス:諸星大二郎「西遊妖猿伝」

などなど、感動満載の今日この頃。

書きたいことは山ほどあるのだが、明日のために体力温存。今宵は、湯に浸かって眠るとします。

明日は、滅多に体験できないダブルヘッダー。どちらも大物ゆえ、集中力が保てるだろうか・・・・。

とか、書いていないで、早く休もう。

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汝、顎を鍛えよ!

2015-09-26 13:26:20 | コーラス、オーケストラ
マタイ受難曲を歌いましょう@厚木レッスンを終え、11月22日にコンサートの控える女声合唱団KIBI@倉敷に向かっている。

新幹線までの時間がないので町田駅ホームのベンチでひとりランチ。改札横というかルミネ入口横にオープンしたばかりのPAULのフランスパン~生ハム・レタス・トマトサンド(正式名称・アンシェン・ジャンボンクリュ)。
なんと561円也!
躊躇する価格ながら、急いでいることもあり、エイヤっと購入。

「なんだこれは!」
旨いとか何とかじゃなく、硬い、固い、堅い。
噛んでも噛んでも噛みきれない。近所のパン屋で売られているフランスパンとは格が違う。
半分も食べないうちから顎がクタクタで涙が出そうなほどであった。日頃、コーラスの団員に「顎を鍛えろ」と言っている自分を恥じいった次第。

これ、毎日食べつづけたら、顎が強靭になり、歌も上手くなること間違いなし。ゆえに「もう二度と御免」という弱音とともに「こいつを征服してやる」という闘志が相半ばする不思議な気持ちだ。しかし、 もう少し安ければなぁ。

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大阪フィル公式ブログより マーラー3番を振り返る

2015-09-22 18:55:30 | コーラス、オーケストラ

(写真: 飯島隆)

http://osakaphil1947.blog66.fc2.com/blog-entry-1016.html

大阪フィルハーモニー交響楽団公式ブログが、マーラー3番をまとめてくださいました。

これで、一区切りついた気がします。

いよいよ、明日より、大阪フィル合唱団は、信時潔「海道東征」の本格的稽古に突入します。

日本語との格闘、頑張っていきましょう。

では、以下、転載します。

感動のマーラー3番、終了しました!

大阪フィル「第491回定期演奏会」は、満員のお客さまにお集まりいただき、大変な盛り上がりのうちに終了しました。

桂冠指揮者の大植英次が指揮する、師バーンスタイン譲りのマーラー交響曲第3番。
6楽章100分を超える大曲が、ノンストップでフェスティバルホールに鳴り響きました!

暗譜で指揮をする事が多い大植マエストロですが、今回はスコアが置かれていました。
しかし本番中にそれを見る様子は無く、初日は途中である個所を開き、2日目は閉じられたまま。
マエストロに尋ねたところ、以下のような事を語りました。

「今年はバーンスタイン先生の没後25年。先生が引退宣言をした時点で唯一決まっていた演奏会が、カーネギーホールのマーラー3番でした。しかしその演奏会を待たず先生は亡くなりました。先生の願いをぜひ今年大阪フィルで果たしたかった。届けようと先生のスコアを置いて演奏しました。初日は愛を奏でる第6楽章でそのページを開きましたが2日目はそうしなかった。自分の気持ちの変化が演奏にも関係したかもしれませんね。でも、どちらも良かったでしょ。」

大植英次が大阪フィルでマーラー3番を指揮するのは、前回のブログでも書きましたが、2005年、2012年に次いでこれが3度目。

また大阪フィルとしては、1982年「第184回定期」、1990年「第245回定期」、1995年「朝比奈隆の軌跡」で朝比奈隆が、創立名誉指揮者の朝比奈隆が指揮。
音楽監督以外では、1999年「第332回定期」で佐渡裕が指揮しています。

1995年の朝比奈隆指揮の演奏は、ポニーキャニオンからCDになっています。
この曲をレニーの弟子の大植マエストロが大フィルで3度取り上げているのは頷けますが、朝比奈隆が3度取り上げているのは少し驚きですね。

世界的なコントラルト、ナタリー・シュトゥッツマンの歌唱はサスガの一言。
4楽章のピアニシモには鳥肌が立ちました。
「エイジのマーラーなら歌いたい!」と出演を快諾して頂きましたが、
本当に二人は仲が良いのです。
大植マエストロの指揮で気持ち良さそうに歌われていました。

100人を超す大編成のオーケストラは大植マエストロ渾身のタクトに集中し、テンポもアーティキュレーションもしっかり要望に応えていました。
コンサートマスター田野倉雅秋は大オーケストラをしっかりリード。
奏者はたいへんなソロを見事に演奏したと思います。
管楽器奏者が置きに行くのではなく、リスクを冒してでもチャレンジングに攻めていく演奏に心が熱くなりました。
第6楽章冒頭の弦の響きは、これぞ大阪フィル!だったと思います。

また、今回がオーケストラの公演デビューとなる、大阪フィルハーモニー合唱団指揮者の福島章恭は、見事に合唱団をまとめ、非常にクオリティの高い音楽を作り出していました。
大フィル合唱団女声パートもですが、大阪すみよし少年少女合唱団はいつもの事ですが、キチンと高い水準で仕上げられます。

今回、合唱団は第1楽章から登場し、100分を超す全曲をオーケストラと共にステージで過ごしました。
出番自体は第5楽章の僅か5分ほどにもかかわらず、ピンと背筋を伸ばして緊張感を持って座っていた姿が、客席から見ていても実に気持ち良く感じました。
最初から音楽を感じながら出番へとつながった事が、今回の名演となったのでしょう。
喉が渇こうが、お尻が痛かろうが動かない!
合唱団のメンバーのプロ根性のようなものを見た気がしました。

そんな事すべてがお客さまにも伝わり、2日間共6楽章最後の音が消えた後の、あの奇跡のような静けさに繋がったように思います。
まさにお客さまと奏者が一体となって作りだした音楽でした。

今回の公演では本当に沢山の方にお越しいただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。

さて、次回の「第492回定期演奏会」は10月、シーズン後半に突入します。
定期としてはなんと10年振りの登場となる炎のコバケン、小林研一郎の指揮でお届けします。
8月にフェスティバルホールに鳴り響いた「3大交響曲」が忘れられませんが、やはり定期演奏会はまた特別です。

どうぞこちらにもお越しくださいませ。
どうぞ引き続き大阪フィルをよろしくお願い致します。

(広報:H.I)

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長岡は秋 マーラーからバッハへ

2015-09-20 22:44:39 | コーラス、オーケストラ


昨夜の富士「復活」レッスンにつづき、本日は、長岡混声で「マタイ」4時間レッスン。

長岡混声は、本来水曜日の稽古なのだが、大阪クラシック~大阪フィル定期と2週つづけて穴を開けてしまったので、その代替レッスンというわけである。

世間は連休で、東京駅の人出が半端ではないし、満席の新幹線車内も、いつものビジネスモードではなく、すっかり行楽モード。新幹線改札に10数メートルもの行列のできるなんてことも稀だ。

さて、「今日は時間があるので、全曲通しましょう」
と、はじめたレッスンであったが、いざ声を出してみると、ままならない。結局、発声、音程、発音などをチェックしつつ、第1部冒頭の曲だけで90分を要してしまう始末。団員諸君、もう少しピッチを上げないと間に合わないぞ!

レッスン後は、団員さんのオススメで寺宝温泉へ。この湯がよかった。温度が低めのため長い時間浸っていられるのだ。湯が若干茶色なのは鉄分を含んでいるせいだろう。

写真は寺宝温泉を背に眺める遠くの山並み。夕日の沈みゆくなか、実際の稜線の美しさはこんなものではなかったことを、大自然の名誉のために申し添えておこう。あたり一面、秋の虫の声。半袖では震えるほど空気も秋である。

それにしても、夕食の最中に寝落ちしてしまうなんて、大阪フィル定期の疲れが今ごろでたのだろうか? 大阪での実働時間は長くはなかったとはいえ、特別な本番だったことを身体が教えてくれている。

下の写真は、レッスン直前のランチで頂いた「朝日豚ベーコンと茄子のトマトスパゲッティ」。肉厚の茄子がなんとも香ばしく、旨かった。この店では3回に2回は注文してしまうお気に入りだ。












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ホッとひといき

2015-09-19 14:31:41 | コンサート


大阪フィル定期、マーラー3番への責務を果たし、京都駅にてホッとひといき。白小豆ぜんざいの仄かな甘さが心を和ませる。

振り返るに、ボクが正式に大阪フィル合唱団指揮者に就任して、最初の定期演奏会だったわけで、長く記憶に残ることだろう。

昨夜は、朝比奈時代を思い出させる大阪フィルのど根性(もちろん、良い意味で)を聴かせて貰った。オーケストラが熱かった。うねっていた。

さあ、スイッチを切り替えていこう。
今宵は、富士で「復活」だ。
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