福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ベルリンのレコード店

2016-03-03 20:39:42 | レコード、オーディオ


Robert Hartwig - Berliner Musikantiquariat


今回のドイツ旅行では、故あってレコードを買わないことにしていたのだが、ベルリンの宿からU-Bahnで4駅、Deutsche Operの近くにクラシックを大量に在庫しているとうRobert Hartwigというお店があることを発見し、訪ねてみることにした。もちろん、レコードは買いたくない。あくまで、ベルリンのレコード文化を肌で知るための訪問である。



念のため、店に電話をしてから出掛けたのがよかった。お店はかなり大掛かりな改装工事中で、本来開いていないところ、店主のHartwigさんが、わざわざ待っていてくれたのである。



自己紹介代わりに、聖トーマス教会での「マタイ受難曲」公演のパンフレットをお見せすると、「凄い! 素晴らしい! まったく驚異的!」「おお、君はアントン・ブルックナーも振るのか!」とHartwigさんは大興奮。

と、大歓迎モードになったまでは良かったのだが、
「ご覧のとおり、いまは店舗が工事中で、思うようにレコードを見て貰えない。しかし、明朝10時に来てくれたら、エテルナ・レーベルの特別なコレクションを見せてあげよう」
などと言われてしまうと、"Nein Danke"と言える筈もない。

運の悪いことに(笑)、明日は夜の8時のヤンソンス&ベルリン・フィルの演奏会まで、まったく予定がないときている。というわけで、今日もなかなかのレコードを見つけたのだが、明日に備えて、まだ1枚も買わずにいったんホテルに戻ったところ。

店主Hartwigさんが言うに、このお店は作曲家ルイジ・ノーノも顧客だったとのこと。随分、ディープな店に来てしまったものだ。フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、シューリヒトらのポートレイトもあるとのことだが、それらも直ぐには出せないとのことで残念であった。

また、「いまは郵送の手配をしてあげられない」とのことで、仮に何枚か買った場合、自分で担いで帰るか、自分で郵便局を探さなくてはならないことも億劫ではある。



というわけで、ドレスデンの画廊につづき、ガイドブックにある観光名所巡りにはない感動と出会った次第。これぞ、旅の醍醐味と言えるだろう。

さて、明朝10時が楽しみのような怖いような・・・。

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1 コメント

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Unknown (マッキー)
2022-07-28 09:55:34
ベルリンドイツオペラの近くにこんな魅力的なレコード店があるとは知りませんでした。
私は2010年4月下旬~5月初旬にベルリンに滞在して、ベルリンフィル(バレンボイム指揮)やベルリンドイツオペラでのワーグナー「リング」全4夜を聴きに行きました。
その時このレコード店の事を知っていたならと、今になって残念な気持ちになってしまいます。
あの時中古レコードはは宿泊したクーダムのホテル近くの中古レコード店やベルリン国立歌劇場の向かいのフリーマーケットで中古レコードを売っていた屋台で少し中古レコードを買った程度でした。
CDはフリードリッヒ通りのドゥスマンが品揃え豊富でしたが、フィルハーモニーの売店ではマニアックなCDを見つけて購入したことを思い出します。
CDはともかく、ベルリンの中古レコード店をもっと見たかったなと思います。
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