Robert Hartwig - Berliner Musikantiquariat
今回のドイツ旅行では、故あってレコードを買わないことにしていたのだが、ベルリンの宿からU-Bahnで4駅、Deutsche Operの近くにクラシックを大量に在庫しているとうRobert Hartwigというお店があることを発見し、訪ねてみることにした。もちろん、レコードは買いたくない。あくまで、ベルリンのレコード文化を肌で知るための訪問である。
念のため、店に電話をしてから出掛けたのがよかった。お店はかなり大掛かりな改装工事中で、本来開いていないところ、店主のHartwigさんが、わざわざ待っていてくれたのである。
自己紹介代わりに、聖トーマス教会での「マタイ受難曲」公演のパンフレットをお見せすると、「凄い! 素晴らしい! まったく驚異的!」「おお、君はアントン・ブルックナーも振るのか!」とHartwigさんは大興奮。
と、大歓迎モードになったまでは良かったのだが、
「ご覧のとおり、いまは店舗が工事中で、思うようにレコードを見て貰えない。しかし、明朝10時に来てくれたら、エテルナ・レーベルの特別なコレクションを見せてあげよう」
などと言われてしまうと、"Nein Danke"と言える筈もない。
運の悪いことに(笑)、明日は夜の8時のヤンソンス&ベルリン・フィルの演奏会まで、まったく予定がないときている。というわけで、今日もなかなかのレコードを見つけたのだが、明日に備えて、まだ1枚も買わずにいったんホテルに戻ったところ。
店主Hartwigさんが言うに、このお店は作曲家ルイジ・ノーノも顧客だったとのこと。随分、ディープな店に来てしまったものだ。フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、シューリヒトらのポートレイトもあるとのことだが、それらも直ぐには出せないとのことで残念であった。
また、「いまは郵送の手配をしてあげられない」とのことで、仮に何枚か買った場合、自分で担いで帰るか、自分で郵便局を探さなくてはならないことも億劫ではある。
というわけで、ドレスデンの画廊につづき、ガイドブックにある観光名所巡りにはない感動と出会った次第。これぞ、旅の醍醐味と言えるだろう。
さて、明朝10時が楽しみのような怖いような・・・。
私は2010年4月下旬~5月初旬にベルリンに滞在して、ベルリンフィル(バレンボイム指揮)やベルリンドイツオペラでのワーグナー「リング」全4夜を聴きに行きました。
その時このレコード店の事を知っていたならと、今になって残念な気持ちになってしまいます。
あの時中古レコードはは宿泊したクーダムのホテル近くの中古レコード店やベルリン国立歌劇場の向かいのフリーマーケットで中古レコードを売っていた屋台で少し中古レコードを買った程度でした。
CDはフリードリッヒ通りのドゥスマンが品揃え豊富でしたが、フィルハーモニーの売店ではマニアックなCDを見つけて購入したことを思い出します。
CDはともかく、ベルリンの中古レコード店をもっと見たかったなと思います。