福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

蛍の光 ~ 序章のおわり

2015-12-31 15:26:27 | コンサート


朝比奈先生時代よりつづく、大阪フィル「第9シンフォニーの夕べ」は、幻想的な「蛍の光」にて幕を閉じる。

昨年、この光景を客席から眺めたときには、今年自分が指揮をしていることは決まっていなかっただけに、ステージ上にて感慨深いものがあった。

2月にスタートしたエリシュカ先生とのドヴォルザーク「スターバト・マーテル」への客演合唱指揮から、7月の正式就任。9月の大阪クラシックとマーラー3番、11月の「海道東征」と大阪フィル合唱団に限っても激動の一年であった。



御陰様で、大阪フィル合唱団は、いずれの公演に於いても各方面から高評価を頂いた。しかし、ボクに言わせると、この1年間は序章に過ぎない。これからが本当の勝負。声量、響きの質、声の色のバリエーション、フレーズ感やハーモニー感など、まだまだ、福島章恭流の発声も音楽性も身に付いたとは言えない状況なのである。

今後は、ボクの理想のコーラスを追求する段階に入る。それは、マエストロ道義先生やオーケストラ事務局の要望でもある。それだけ、信頼され期待されているわけで、裏切るわけにはいかない。その意味で、4月に予定されている団内のオーディションは、大阪フィル合唱団の将来、その方向性を占う大きな関所となることだろう。



ところで、井上道義先生の「第九」2日目は、初日の大暴れから一転して、静の要素も感じさせ、より深い感銘を与えられるものとなった。これから円熟を迎えられるマエストロとご一緒にお仕事をできることは、この上もない幸いである。

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新着写真 大阪フィル「第九」初日風景

2015-12-30 02:25:22 | コーラス、オーケストラ


大阪フィルTwitterよりの新着写真。
「第9シンフォニーの夕べ」初日風景をお届けします。



朝比奈先生時代よりつづく、大阪フィル年末「第九」恒例の「蛍の光」の写真も欲しいところ。なにしろ、ボクのフェスティバルホール初指揮だから(笑)。明日に期待しよう。



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「マタイ」聖トーマス教会公演、真夜中の打ち合わせ

2015-12-30 01:19:19 | コーラス、オーケストラ
大阪フィル「第九」初日の余韻に眠れないでいると、午前1時を回っているというのにスマホに呼び鈴。ライプツィヒ・バッハ資料財団の高野昭夫さんからの着信である。

そう、そうなのだ。こうして、日々の予定をこなす間にも、来年3月1日の「マタイ受難曲」聖トーマス教会公演が一歩一歩近づいてきているのである。

今回は、現地での練習スケジュールなど、小さな打ち合わせではあったが、こうして声と心を交わすことは大事だ。絆の深まる思いがするとともに、バッハゆかりの聖トーマス教会で「マタイ受難曲」を振るはじめての日本人指揮者にボクを推薦してくれたことへの感謝の念が沸き起こる。

時差が8時間ということはドイツはいま17時過ぎ。高野さんからのお電話はいつもこんな時間。ボクが夜更かししていることをスッカリお見通しのようだ。




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大阪フィル「第九」初日、成功裡に終わる!

2015-12-29 22:43:00 | コンサート


「福島君、おめでとう。絶対にお世辞を言わないOさんが合唱をえらく誉めてるよ。」

とは、終演後にご挨拶に伺ったときの井上道義先生の第一声。その横にいたOさんも「いや、ほんとビックリしました。合唱がこんなに良いとは想像を超えてました!」

とのことなので、「第九シンフォニーの夕べ」初日、大阪フィル合唱団は無事にお務めを果たした、ということでしょう。まずはホッとひと安心。

ソプラノ独唱の小林沙羅さん(スザ女)さんからも、「合唱、凄いですね!」とお褒めの言葉を預かりました。



マエストロもエネルギッシュな指揮で、まさに道義先生ならではの自由な精神に溢れたベートーヴェンを聴かせてくださいました。しかし、同じことを繰り返さないのがマエストロの素晴らしいところ。明日はどんな演奏が繰り広げられるのか、今から楽しみです。

本日は12月29日、朝比奈先生の14回目のご命日。大阪フィルが存続する限り、朝比奈先生を「第九」で偲ぶことになります。ベートーヴェン演奏に命を賭けた朝比奈先生らしいご命日と呼べそうです。

さて、2日目の明日=30日(水)も当日券は販売される模様。大晦日にテレビで観るのも悪くないけど、生の「第九」はもっと良いものですよ。音楽を愛する皆さん、今からでもご予定頂けると幸いです!



写真提供: 大阪フィルTwitter
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名演の予感 マエストロ道義の「第九」

2015-12-28 22:33:02 | コーラス、オーケストラ


本夕はマエストロ道義先生によるオーケストラとコーラスの合わせであった。もちろん、4名のソリストも参加。

上の写真は、マエストロのご要望によりコーラスの発音・発声を直しているところ。その後、一発でクリアできたのはよかった。



今日は、コーラスの入る前、第1楽章からのオーケストラ練習をずっと見学していたのだが、大阪フィルはよく鳴っているし、マエストロの音楽にも巨匠の風格が出てきていると感じた。

ソリストのアンサンブルも秀逸で、レベルの高い本番となりそうである。

乞うご期待!



♪写真提供: 大阪フィルTwitter
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第九コーラス稽古風景 ~ 大阪フィルTwitterより

2015-12-28 15:32:19 | コーラス、オーケストラ








両日ともA席~C席まで残席あり(BOX席は完売)。
本日18:00まではチケット・センターにて予約可能。
明日の当日券は18:00~販売予定です。とのこと。

♪以下、呟き転載
もの凄い勢いで売れております!「第9シンフォニーの夕べ」です!ありがたい事です。けっして損はさせません!井上道義を交えて合唱練習も佳境。福島章恭の下、鍛え上げられた大フィル合唱団の「歓喜の歌」をライブでどうぞ。
#osaka_phil https://t.co/RBzhEMDxdq

第9シンフォニーの夕べ

2015年12月29日 (火) 、30日 (水)
両日ともに 19:00開演(18:00開場)

[拡大]
フェスティバルホール

<指揮>井上道義
<独唱>
小林沙羅(ソプラノ)、小川明子(アルト)、福井敬(テノール)青山貴(バリトン)
<合唱>大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指揮:福島章恭)
<曲目>
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付」


<料金>(全席指定・税込)
A席:6,000円(5,400円)
B席:4,500円(4,000円)
C席:3,000円(2,700円)
BOX席:7,000円(6,300円)

※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
※(  )内の料金は大阪フィル・会員価格でございます。

・チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221
チケットぴあ 0570-02-9999【Pコード:269-968】
ローソンチケット 0570-000-407【Lコード:58079】

・お問合せ
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
(営業時間:平日10:00~18:00 土曜10:00~13:00 日・祝・年末年始は休業)
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いよいよオケ合わせ 井上道義先生の「第九」

2015-12-28 11:39:46 | コーラス、オーケストラ


昨夜のマエストロ・コーラス稽古は、道義先生のご要望により、代わりにボクが振ることに。その歌声を聴きながらマエストロが「もっとああして、こうして」というスタイル。正直、気楽とは言い難いシチュエーションながら、流石、マエストロからのご指摘は的を射たもので、とても勉強になったし、「第九」への新たなインスピレーションを頂戴した。まさに得難い経験。有り難いことである。

そして、今宵はいよいよオーケストラ合わせ。大阪フィルにボクを強力に推薦してくださったマエストロへのご恩返し第1弾。これは、本当に楽しみ。

明日、明後日の公演、まだチケット入手は可能とのこと。ご予定のつく方は、是非とも、フェスティバルホールに駆け付けて欲しい。

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葱のススメと朝のパーヴォ・ヤルヴィ

2015-12-26 01:13:50 | コーラス、オーケストラ


今宵は東京ジングフェライン「マタイ」年内最終レッスン。その前の腹拵えは、広島産牡蠣とイベリコ豚のよくばりスパゲッティー 燻製醤油バター@洋麺屋 五右衛門 経堂店であった。

一昨日の長岡4時間レッスンに於ける空調顔面直撃から喉(気管支)にダメージを受けていたところ、整体院リエールの津端先生より「ネギを食べよ」とのご助言を頂き、ネギに飽きたらず、牡蠣、ニンニクも入ったコレならバッチリだろうということで注文した次第。

実際、津端先生の神業とも呼べる施術と相俟って、身体の調子は上向きである。これなら、この週末からの大阪フィル第九も乗り切ることができそうだ。



さて、そういえば、今朝、テレビのスイッチを入れると、いきなりパーヴォ・ヤルヴィのアップが現れて吃驚仰天。あさイチへの出演であった。NHK交響楽団の音楽監督として、テレビ番組での宣伝活かかだ動、啓蒙活動を厭わない姿勢に激しく好感を持ったものだが、残念ながらインタビューの中味は薄いものだった。ゲストの上沼恵美子への印象とか訊く必要はなかったのかな(笑)?

有働さん、イノッチ、これを良い機会に、第九の客席に足を運んだら如何だろう。いや、是非そうして欲しいな。
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女声合唱団 KIBI テスト盤を聴くということ

2015-12-25 07:36:04 | コーラス、オーケストラ

今朝は思いがけず早くに目が覚めたため、去る11月22日(日)、倉敷にて行われた女声合唱団 KIBI第2回定期演奏会のライヴCD、そのテスト盤を聴いた。

というか、実は二度目の試聴なのだが、一度目は冷静に受け入れられずOKが出せなかったのだ。

録音エンジニアは、愛知祝祭管弦楽団とのブルックナー8番や※小沢さちさんのバッハ:平均律クラヴィーア曲集(オルガン版)を録音してくださったワオンレコードの小伏和宏氏。

もともと団員のためのプライヴェート録音で市販することは想定されていない。

さて、当日の演奏はとても感動的なものであり、自分としても大きな手応えを感じるものであったが、こうしてプロ・レベルの録音を通して聴くのは恐ろしいものがある。

団員たちとわたしのステージ上の息遣いが生々しく捉えられていて感動する反面、発声、発音、音程などについて、自分の指導の不足や不徹底が誤魔化しの聴かない形で記録されていて肝を冷やすからである。

電気的にエコーをかけるなどの化粧を施せば、こうした瑕疵を隠せて、気楽に聴くことも出来るのだろうけれど、やはり真実から目を逸らせてはいけない。

もっとも、2年前の第1回コンサートからの彼女たちの成長ぶりも記録されているのだから、嬉しさだってある。そのプロセスを知るだけに。

というわけで、この度は、この録音の丸ごとを心に受け止め、今後の自分への励みとしたい。

※小沢さちさんのバッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(オルガン版)CDについては、日を改めて記事にします。

 

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アンゲルブレシュトの「ペレアスとメリザンド」1963年ライヴ

2015-12-24 16:59:15 | レコード、オーディオ



長岡の「マタイ」レッスンより帰宅し、今日はアンゲルブレシュト指揮のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」を聴いている。

これは1963年3月12日 シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音で、1962年3月13日(ドビュッシー生誕100年記念公演)収録のディスクモンテーニュ盤とは別録音である。

決定的な違いはペレアス役。1962年のジャック・ジャンセンに対して、当1963年盤はカミーユ・モラーヌ。簡単に優劣をつけるべきでなく、それぞれを味わうべきだろう。いまは感想を述べないでおく。

音盤は仏バークレーによる3枚組で、当時としては立派なステレオ録音である。

一般的には、市販第1号のバークレー盤をもってオリジナルとしてもよいだろうが、厳密にはその前にシャルランによる限定200組のプライヴェート盤が存在する。

バークレー盤ですら優秀な音質であるのに、そのプライヴェート盤にはどれほど鮮度の高い音がその溝に刻まれていることだろう?

なお、アナログ盤ばかりを追いかけてうっかり見落としていたが、同じくカミーユ・モラーヌのペレアス役のふたつの録音がCDとしてリリースされているようだ。

ひとつは、1951年のフィルハーモニア管とのBBCによるスタジオ録音(英テスタメント)。もうひとつは、1952年のシャンゼリゼ劇場ライヴ(仏ラジオ・フランス・クラシック)。

特に前者、フランス放送管とは別の持ち味を持ったフィルハーモニア管による演奏は気になる存在だ。

ドビュッシー: 歌劇「ペレアスとメリザンド」

カミーユ・モラーヌ(ペレアス)
ミシュリーヌ・グランシェ(メリザンド)
マリー・ルーチェ・ベラリー(ジュヌヴィエーヴ)
フランソワーズ・オジュア(イニョンド)
ジャック・マルス(ゴロー)
アンドレ・ヴェシェール(アルケル)
ジャック・ヴィニュロン(医者)

アンゲルブレシュト指揮 フランス国立放送管弦楽団および合唱団

1963年3月12日 シャンゼリゼ劇場

 

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