今宵、ブルックナー「8番」のピアノ4手版をダウンロード~印刷していて驚いた。
なんと、第2楽章にアダージョ、第3楽章にスケルツォとブルックナーのオリジナルから順序が入れ換えてあるではないか! なんという僭越な行いだろう。マーラーの「6番」ではあるまいし。
編曲者は、ヨーゼフ・シャルク。高名な指揮者フランツ・シャルクの兄にしてピアニスト。以前、当ブログでも紹介した「テ・デウム」のヴォーカル・スコア用のピアノ・パートも彼の編曲である。
ハンス・リヒター&ウィーン・フィルによる「8番」の初演が大成功だったから良かったものの、もし失敗でもしていたら、またヨーゼフとフランツ編曲による、さらにカットの多い珍妙な「8番」のオーケストラ・スコアが誕生し、最悪、中間の2つの楽章が入れ替わっていたかも知れない、と思うとゾッとする。
改訂版専科のクナッパーツブッシュの名盤のためにも、2つの楽章が入れ替わらなくて本当に良かった(笑)。