11月3日の4時間をもって、大阪フィル合唱団のブラームス「運命の歌」合唱稽古は終了した。演奏時間15分前後の比較的小さな作品であるが、ブラームスの手になるだけに内容は豊かで充実しており、また、技術的にも精神的にもハードルは高く、長丁場を持て余すことはない。
前回も述べたが、大阪フィル合唱団の力は確実に向上している。向上すればしたで、新たな課題が生まれるのが芸事の常であり、今回も様々な課題に直面しながらのレッスンではあったが、500回定期のバカロフ「ミサ・タンゴ」の頃とは、ひと味違ったハーモニーをお聴かせすることは確実にお約束できる。
初対面となるシモーネ・ヤングさんが、大阪フィル合唱団をどんな高みに導いてくださるのか? また、生半可な発声では通用しないフェスティバルホールに合唱団の声がどこまで響くようになったのか(とくに、ピアニシモのアカペラで)? 戦々恐々としつつも、期待に胸が高まっているところである。