福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

2011年大晦日のブログ記事(古いブログよりシリーズ)

2014-01-08 01:51:42 | コーラス、オーケストラ
ホームページのリンク先を拡充させようかと、旧旧ブログ、即ち、初代「福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きる」を訪ねてみたら、2011年大晦日にこんな記事を書いていたのを発見。
当時の自分の想いを確認できたことは、良かったと思う。
今では、ほぼ誰も訪ねることのない古いブログ記事なので、ここに転載しておこう。

2011年12月31日(土)
聴き納めは、渡邉暁雄のシベリウス

いよいよ、大晦日。

今年最後に我が家に届いたCDは、

日本フィルハーモニー交響楽団創立50周年記念CD(26CD)「渡邉曉雄と日本フィル」CD全集

さっそくCD15のシベリウス:交響曲第4番(87年)と第5番(65年)、および、CD1のハイドン:「軍隊」(57年)を聴いたが、その真摯で、温かな音楽作りに、慰められ、或いは勇気づけられる想いがする。

10代から30代前半まで、朝比奈隆ばかり追い掛けていた私が、渡邉暁雄の生演奏を聴く機会は本当に少なかったけれど、「ああ、もっと聴いておけばよかったな」という悔恨が僅かに滲んだ。

あまりにシベリウスが素晴らしいので、62年録音の第1回目の交響曲全集が聴きたくなり、取りあえず、イーベイにて米エピック盤のLPをゲット。国内盤(コロムビア)が見つかるまでは、これを聴きたいと思う。録音当時の日本フィルの高い演奏レベルを考えると「世界初のシベリウス交響曲全集」だけに終わらない、81年の再録音以上の内容が期待できそうだ。

さて、この1年を振り返ると・・・。
震災、原発事故という戦後最大の国難に見舞われ、放射能厄災収束の見込みも立たない中、一時は音楽に向かう力を失いかけたこともあった。しかし、富士と横浜のバッハ「ヨハネ受難曲」公演に立ち向かうことで、再び音楽に向かう魂を奮い立たせることができた。それを喜ぶとともに、その機会の与えられたことを感謝したい。

来年以降も国難はつづくであろう。
放射能による健康被害や環境破壊が明らかになるのはこれからである。
いつまで東京に住めるのかも分からない。或いは、避難すべき時を逃しているのかも知れない。
政治は堕落し、経済は混迷し、世界のどこかで戦火の気配すら燻っている。

こんな苦難の時だからこそ、皆さんとともに、ますます深く、熱く音楽と関わっていきたい。




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