記念すべき?4月13日。
昨年の今日は、新国立劇場でベルクのオペラ「ヴォツェック」に打ちのめされていたが、今年はひとり自宅で「魔女の宅急便」のDVDを鑑賞。しかも2回つづけて。
恥ずかしながら、宮崎アニメには奥手で「ルパン三世 カリオストロの城」を唯一の例外として、「千と千尋」以前の作品をきちんと観たことがない。即ち、これが生まれてはじめての「魔女の宅急便」である。
各方面から、日本人に生まれながら何をやってたんだと叱られそうである。
この多忙時に勉強や仕事の手を休めて、ただアニメを観るだけでは罪悪感が募るので、この度ドイツ語による吹き替えバージョンを取り寄せて観ることにした。これなら「遊びじゃない、勉強です」と自分に言い訳ができるのだ。
ドイツ語のタイトルは、"Kikis kleiner Lieferservice" 。
ドイツにはクロネコヤマトの宅急便は存在しないから、「キキの小さな配達屋さん」とでも訳すべきかな??
予備知識は一切なし(って、胸を張ってはいけないところ・・・)。
ストーリーも知らないまま、いきなりドイツ語だけではハードルが高いので、初回は日本語音声+ドイツ語字幕。ひと休みする間も置かず、ドイツ語音声+ドイツ語字幕とした。
いやあ、美しかった。感動のあまり、なんども落涙しそうになったほど。我が世代としては、「ハイジ」へのオマージュの感じられるところ(貨物車の中の干し草の場面)も嬉しかった。
さて、すでに世界中の宮崎駿ファン、アニメ・ファンに語り尽くされているであろうこの作品について語る愚を犯すことはすまい。
日頃の評論癖はグッと胸の奥に仕舞い込んで、ただただ楽しみ、味わうのみだ。
オリジナルの日本語とドイツ語とでのニュアンスの違う場面も何度かあったが、それはこの際、置いておくとして・・・・。
いま取り組んでいる「マタイ受難曲」では、ユダを指すder Verräter(裏切り者)という言葉が、ここではキキから黒猫ジジに向かって語られる(旅立つ際の箒選びの場面)など、心楽しい発見もあった。
ところで、オープニングの「ルージュの伝言」とエンディングの「やさしさに包まれたなら」。
ユーミンの曲と歌声、そして日本語の響きは、ドイツの子供たちの耳にはどなんなに聴こえるのだろう?
追記
こんなに気に入るなら、はじめから、画質の綺麗なBlu-rayディスクにしておけば良かったなあ。バラ売りの先行版だと下記のごとく、音声、字幕共にバラエティに富んでるから。
<音声>
日本語(2.0chステレオ/リニアPCM)
日本語(5.1ch/DTS-HDマスターオーディオTM(ロスレス))
英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フィンランド語(5.1ch/ドルビーデジタル)
韓国語(2.0chステレオ/ドルビーデジタル)
ドイツ語、広東語、北京語(2.0chサラウンド/ドルビーデジタル)
<字幕>
日本語、英語吹替日本語、英語、フランス語、ドイツ語、韓国語、中国語(繁体字・広東語)、中国語(繁体字・北京語)