福島章恭HP http://www.akiyasuf.com
先日、多重録音の夢について語った。
選んだソフトは、Pro Tools 11である。
他にも、候補はあったけれど、これからデータのやり取りをするであろう友人と同じソフトの方が便利だから、これに決めた。
その友人も「これが一番というわけではないけれど、仕事の現場で圧倒的に使われているので・・・」と語っていた。
さて、ソフトの方は、ゆえあって、まだ開けていないのだが、「完全攻略ガイド」と銘打たれたDVDを入手し予習を始めた。
ベーシック篇3枚組の1枚目を観ただけだが、それでも恐るべき機能である。
キーボードでダイレクト入力した音ですら、クリックひとつでリズムの修正ができ、場合によっては、演奏しなくても画面上に図形を入力するだけでひとつのトラックが完成してしまう。
ある小節から小節を、何度も繰り返し録音し、あとで、気に入ったところを切り貼りしてひとつの演奏にしてしまう。
生身の人間では叩けないリズムや鍛錬なしには弾けない難しいフレーズがちょっとした手作業で完成されてしまう。
ピッチの修正、リズムや音程の変更までもが、マウスでできてしまうというのは、神をも恐れぬ音楽への冒涜ではないのか。
道理で、最近、テレビで流れる音楽が心に響かないわけだ。
機械で整えたり、つくった音に血の通っているわけがない。
これは、もはや、音楽ではなかろう。否、それが言い過ぎだとしても、少なくとも演奏とは呼べないだろう。
もちろん、中にはそういう切り貼りの作品があっても良いとおもうけれど、世で流行る歌の殆どがこれだとしたら・・・。
少年時代に夢にまで見た、「16ch オープンリール」とは、なんと隔たった世界に居るのだろう。
たとえば、YouTubeで松田聖子の歌唱を観るとき、バックには生バンドが居て、番組毎に違う個性の演奏を聴かせていた。
さらに昔。植木等の頃には、まだ重ね録りができず、ボーカルとオーケストラの同時録音。オケのプレイヤーが吹き出すのを堪えながらの演奏だから、その乗りの良さといったらない。
リンゴ・スターのドラムだって不安定なときもあるけれど、これが正確無比なリズムマシーンだったら、面白くも何ともない。
自分がせっかく手弾きで多重録音をしようというのだから、録音時のテンポくらいは落とすけれど、極力文明の力には頼るまい。
小節線の頭でちょっとくらい音がずれた方が演奏に厚みがでるに違いないのだ。
そんな血の通った作品をつくるぞ。
先日、多重録音の夢について語った。
選んだソフトは、Pro Tools 11である。
他にも、候補はあったけれど、これからデータのやり取りをするであろう友人と同じソフトの方が便利だから、これに決めた。
その友人も「これが一番というわけではないけれど、仕事の現場で圧倒的に使われているので・・・」と語っていた。
さて、ソフトの方は、ゆえあって、まだ開けていないのだが、「完全攻略ガイド」と銘打たれたDVDを入手し予習を始めた。
ベーシック篇3枚組の1枚目を観ただけだが、それでも恐るべき機能である。
キーボードでダイレクト入力した音ですら、クリックひとつでリズムの修正ができ、場合によっては、演奏しなくても画面上に図形を入力するだけでひとつのトラックが完成してしまう。
ある小節から小節を、何度も繰り返し録音し、あとで、気に入ったところを切り貼りしてひとつの演奏にしてしまう。
生身の人間では叩けないリズムや鍛錬なしには弾けない難しいフレーズがちょっとした手作業で完成されてしまう。
ピッチの修正、リズムや音程の変更までもが、マウスでできてしまうというのは、神をも恐れぬ音楽への冒涜ではないのか。
道理で、最近、テレビで流れる音楽が心に響かないわけだ。
機械で整えたり、つくった音に血の通っているわけがない。
これは、もはや、音楽ではなかろう。否、それが言い過ぎだとしても、少なくとも演奏とは呼べないだろう。
もちろん、中にはそういう切り貼りの作品があっても良いとおもうけれど、世で流行る歌の殆どがこれだとしたら・・・。
少年時代に夢にまで見た、「16ch オープンリール」とは、なんと隔たった世界に居るのだろう。
たとえば、YouTubeで松田聖子の歌唱を観るとき、バックには生バンドが居て、番組毎に違う個性の演奏を聴かせていた。
さらに昔。植木等の頃には、まだ重ね録りができず、ボーカルとオーケストラの同時録音。オケのプレイヤーが吹き出すのを堪えながらの演奏だから、その乗りの良さといったらない。
リンゴ・スターのドラムだって不安定なときもあるけれど、これが正確無比なリズムマシーンだったら、面白くも何ともない。
自分がせっかく手弾きで多重録音をしようというのだから、録音時のテンポくらいは落とすけれど、極力文明の力には頼るまい。
小節線の頭でちょっとくらい音がずれた方が演奏に厚みがでるに違いないのだ。
そんな血の通った作品をつくるぞ。