福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

マガロフのショパン独奏曲全集来たぁ!

2013-11-22 09:29:32 | レコード、オーディオ
ショパンについて執筆中に、その一部をCDで聴いて感銘を受け、手配したニキタ・マガロフによるショパン独奏曲全集がようやく届いた。
蘭PHILIPS 6768 067 16LP

LPレコード16枚32面に及ぶ大作(CDでは13枚)。1974~78年、マガロフ62歳から66歳頃の録音。個人によるショパン全集としては世界初の筈である。

早速、2番、3番のソナタに針を降ろしてみたが、いやあ、大家のショパン。慌てず、騒がず、作品を慈しみ、愛でながらも、ショパンの内面に入り込んで、その懊悩や憧れを伝えてくれる。
音色は単に美しいというのではなく、何とも言えない深みと味わいを湛えている。
さらに、アナログ全盛期の録音も秀逸だ。

この偉業はLPレコードのズシリした重さこそが似つかわしい。CDのように片手で持てたり、配信のように実態さえない、ということは便利であるし、最早その流れには抗えないけれど、何か大事なものを捨てているようにも思えるのである。


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