福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ブラヴィッシモ 浅田真央!

2014-02-21 09:34:03 | 日記
福島章恭HP http://www.akiyasuf.com

感動はご覧になった全ての方の内にあるわけですから、私が書くまでもないことですが、素晴らしかったですね、浅田真央さんのフリー演技。

これまで私は、浅田真央さんについては、その素晴らしさを認めつつも、一歩引いた目で眺めていました。
技術の追求はよいが、精神性、内面性が足りないのではないか? と。
おそらく、これは音楽家としての目線だと思います。
自分が演奏家を評価するときも、技術偏重の人よりも内面的な感動の有無を重視するからです。

もちろん、技術を軽視してはなりません。磨くことは大事です。
その鍛錬を怠って、「俺の演奏は内面的だ」などと嘯いても通用しないでしょう。
技術を磨くことと内面性の深化がリンクしていくのが、芸術表現の理想だと思います。
もっとも、音楽の場合、アマチュアのひたむきさ、純粋さが、プロの感動を超えるというケースも稀ではありませんが・・・。

真央さんが10代の頃、インタビューを受けるたびに語っていた目標が「ノーミス」というのも気になっていました。
目標はそれだけでよいのか。
「もっと本を読んだり、映画を観たり、音楽を聴いて欲しい」と勝手に思うこともありました。
しかし、最近は何かが変わり始めていたようです。

さて、ソチに於けるフリーの演技。
鬼気迫るものがありました。
彼女の内面で何かが弾け、大きく化けたのでしょうか。
美の中に悲壮感さえ滲ませる、その孤高の姿に胸打たれました。

技術的には、3人のメダリストたちよりもよほど極限に挑んでいたのは間違いありません。
今まさに人間の限界を超えてゆこうとするときに、異次元の世界に羽ばたいてゆくのが見えたような気がしました。
これこそ、メダルも採点も超越した真の芸術!

これまでの競技人生の明と暗、歓びと苦悩、そういったすべてが集約され、昇華された演技に拍手を惜しみません。
あなたこそ真の女王である、と言いたい。
浅田真央さんを労うとともに、会心の演技でこのオリンピックを終えられたこと、心より祝福したいと思います。



 

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