三浦しをん 書評委員が選ぶ「今年の3点」
昨年末、新聞記事の写真でご紹介しましたが、デジタル版にも掲載されていたので、ここに記録しておきます。
個々の内容がどうとかでなく、書き手の業を面白がる・・・・。
三浦しをんさんのような読み方をしてくれると、嬉しいですね。
三浦しをん 書評委員が選ぶ「今年の3点」 (朝日新聞 2014年12月28日付 朝刊 13面)
(1)子供はわかってあげない 上・下(田島列島作、講談社・各680円)
(2)クラシックCDの名盤 大作曲家篇(宇野功芳、中野雄、福島章恭著、文春新書・918円)
(3)魔法少女 俺 上・下(毛魂一直線作、ふゅーじょんぷろだくと・各734円)
(1)は漫画。ほのぼの青春恋愛物のように見えて、そこはかとない不穏さと言語センスが光る。「日常」とは、こんなにもきらめきと緊張感をはらんだものだったのか!
(2)は、音楽好きならずとも楽しめる。作曲家ごとに名曲、名盤を挙げるのだが、著者三人の見解が相違し、紙上バトルも勃発。音楽を愛するとは、こんなにも熱く険しい道なのかと、(笑いすぎて)にじんだ涙を拭わずにはいられぬ。
(3)は、かわいいアイドルが魔法少女(しかしムキムキの男)に変身して悪と戦う、というギャグ漫画。どうかしている(いい意味で)。同じ作者の『そんな目で見てくれ』(東京漫画社)はBL漫画だが、こちらもぶっ飛んだギャグが炸裂(さくれつ)。いずれも腹の皮がよじれた。
(作家)