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名も無きねこに

『野火』

2021-12-05 23:34:08 | わたし

試験会場からの帰り道、大岡昇平の『野火』を読んでいた。

気になった一節を記録しておく。

 

私に彼等と何のかかわりがあろう。

私はなおも笑いながら、眼の下に散らばった傷兵に背を向けて、径を上り出した。

もしこの行為の直接の結果が、さしあたり私自身の生命を延ばすことでなかったなら、

私の足取りはさらに颯爽としていたろう。

 

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