「長新太展ナノヨ」!

 絵本作家で漫画家の長新太さんは、2005年の6月、惜しくもがんのために亡くなった。長さんの訃報を知ったとき、子供のときに読んだ、長さんの「おなら」という絵本を思い出した。たくさん読んだ絵本の中で特に覚えているから、インパクトが強かったのだろうと思う。最近、長さんについて書かれた月刊誌の記事に、「ごろごろにゃーん」という絵本が紹介されていたから買ってみたら、長さん特有のナンセンスな本で、長さんって、すごいなあと思った。
 そんなこんなで、大丸ミュージアムKYOTOの「ありがとう!チョーさん 長新太展ナノヨ」という展覧会に、興味しんしんで行ってみた。
 展示されている作品のいろんなところに、長さんを思わせる鼻の大きなおじさんがいた。それが長さん独特の絵だと私は思っていたのだけれど、長さんの描く絵というのは、それだけではなくて、とても幅が広いということを知った。淡い色彩の洗練された絵があるかと思えば、子供の落書きみたいなものもある。色使いや線のタッチもさまざま。小さい頃に読んだこの絵本も長さんだったのかと、発見がいっぱいあった。
 長さんの遺作となったのが、「ころころにゃーん」(「ごろごろにゃーん」ではなくて、「ころころにゃーん」。展覧会に出されていた試作の表紙にも、「『ごろごろにゃーん』ではありません」と手書きされている。)。「ごろごろにゃーん」がナンセンスな内容だったのに対し、「ころころにゃーん」は、猫の家族の団欒を描いた微笑ましい作品である。この本が欲しくてネットで探したりしたけれどなかなか見つからなかったのが、今回の展覧会の販売コーナーにたくさん積まれていたので、嬉しく思って、一冊買って帰った。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )