突然ですが・・・、
私は絶対に演出をやりません。
誘われたこともあるのですが、
絶対に無理です。
センスのなさもありますが、
それ以上に、
あの、
<演出家の我慢強さ>は、
私にはありません。
私が演出したら、
たぶん毎日、灰皿を投げつけると思います。
(あ、今どきの稽古場には、灰皿なんてないか)
だから私は一生、演出はしません。
できません。
だから、
東京ストーリーテラーの主宰であり、
作・演出の久間さんを見ていると、
本当に頭が下がります。
どうすれば、あんなに我慢強く、
演技指導ができるんだろう?
何回言ってもできない、って役者もいます。
こうなると演出ではなく、
その前の段階の「演技指導」です。
でも指導されても、できなかったりする。
私なら怒鳴り散らして、
たぶん、追い出します。
でも久間さんは、
怒鳴ることもせず、何度でも教えます。
そして最後には、
ちゃんとした形に仕上げるのです。
また、できる役者はできる役者で、
何かと演出家に、たてついたりするんですよ。
きちんと芝居が出来る分、
プライドも高いから。
それでも久間さんは、根気強く話し合います。
本当に本当に、偉いと思います。
でも、そんなに大変なのに、
演出中の主宰は生き生きしている。
アチャーという芝居を見せられた時も、
なかなかいいな、という芝居を見ている時も、
いつも生き生き。
少なくとも、生き生きしているように見えます。
この日上がった台本は2人のラブシーン。
久間さんがほぼ徹夜で書き上げたシーンを、
初めて声を出して読んでみる2人。
イメージ通りのシーンが、
立ち上がってきたかどうか・・・。
・・・何かを考えている、様子。
この、何を考えているか分からない時が、
役者にとって、1番こわい。
いいのかな?
気に入らないの?
わかってない、とか思ってる?
ダメだ、このバカ、とか思われてる?
なぜか知らないけど、
こういうときは必ず、悪い想像をしちゃうんですよね
さて、演出や演技指導にも、
色々なタイプの演出家がいますが、
こちらの久間さんは、自分でやってみせるタイプ。
老若男女、誰の役でもやって見せてくれます。
例えばこんなふうに。
こんな激しいアクションも。
心身ともに、よほどの体力がないとできません。
そして・・・、
戦いすんで、
最後のミーティング。
こういう時には、
結構きびしいダメ出しがあります。
くそっ、またダメだったか。
コンチクショー!
明日こそ、もっとがんばるぞ。
役者達はそんな思いを胸に、
本番まで、戦い続けるのです。
(つづく)
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