望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ写真・稽古の日々<演出家というイキモノ>

2015-05-10 12:15:04 | 舞台・ウラ話

突然ですが・・・、


私は絶対に演出をやりません。

誘われたこともあるのですが、
絶対に無理です。


センスのなさもありますが、
それ以上に、

あの、

 <演出家の我慢強さ>は、

     私にはありません。

私が演出したら、
たぶん毎日、灰皿を投げつけると思います。
(あ、今どきの稽古場には、灰皿なんてないか


だから私は一生、演出はしません。

できません。


だから、

東京ストーリーテラーの主宰であり、
作・演出の久間さんを見ていると、
本当に頭が下がります。


どうすれば、あんなに我慢強く、
演技指導ができるんだろう?

何回言ってもできない、って役者もいます。
こうなると演出ではなく、
その前の段階の「演技指導」です。

でも指導されても、できなかったりする。

私なら怒鳴り散らして、
たぶん、追い出します。

でも久間さんは、
怒鳴ることもせず、何度でも教えます。

そして最後には、
ちゃんとした形に仕上げるのです。


また、できる役者はできる役者で、
何かと演出家に、たてついたりするんですよ。

きちんと芝居が出来る分、
プライドも高いから。

それでも久間さんは、根気強く話し合います。


本当に本当に、偉いと思います。


でも、そんなに大変なのに、

演出中の主宰は生き生きしている。

アチャーという芝居を見せられた時も、


なかなかいいな、という芝居を見ている時も、


いつも生き生き。
少なくとも、生き生きしているように見えます。

            

この日上がった台本は2人のラブシーン。

久間さんがほぼ徹夜で書き上げたシーンを、
初めて声を出して読んでみる2人。


イメージ通りのシーンが、
立ち上がってきたかどうか・・・。


・・・何かを考えている、様子。

この、何を考えているか分からない時が、
役者にとって、1番こわい。

 いいのかな?
 気に入らないの?
 わかってない、とか思ってる?
 ダメだ、このバカ、とか思われてる?


なぜか知らないけど、
こういうときは必ず、悪い想像をしちゃうんですよね 

            

さて、演出や演技指導にも、
色々なタイプの演出家がいますが、

こちらの久間さんは、自分でやってみせるタイプ。
老若男女、誰の役でもやって見せてくれます。

例えばこんなふうに。


こんな激しいアクションも。


心身ともに、よほどの体力がないとできません。

            

そして・・・、
  戦いすんで、

最後のミーティング。

こういう時には、
結構きびしいダメ出しがあります。

くそっ、またダメだったか。
コンチクショー!
明日こそ、もっとがんばるぞ。

役者達はそんな思いを胸に、
本番まで、戦い続けるのです。


   (つづく)




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