EF58を撮影するにあたって、欠かすことのできなかった列車は、定期列車よりもむしろ臨時列車の方かもしれない。もちろん荷物列車をはじめとする定期にやってくるゴハチは、機番について現在のように事前情報もなく、来てみないとわからないことが多かったから、それはそれで楽しめたように思う。機番によって一喜一憂し、過ごした仲間内との時間は今思っても宝物だ。
イレギュラーの列車の先頭に立つEF58こそ、ゴハチ撮影の醍醐味とも言えるが、これだけ時間が経ってしまった現在、改めて考えてみると、価値観こそ人それぞれだが、アントンKには定期列車での記録がより思い出深いものになっている気がしている。
前出が関西の急行列車だったので、今回は50系客車の新製車回送列車。1980年代初頭には、この手の回送列車が多く走っていた。全国に配置されていた旧型客車(今でいうレトロ客車)置き換えのため、栃木の富士重工で多くの50系が製造され、試運転を東北線で行った後、全国へと旅立っていった。おおよそEF58がけん引に当たっていたと思うが、はっきりしたことはわからない。アントンKもこの列車は、何度か撮影機会を持ったが、いずれも大した写真は残せず、どれも同じような画像に終始している。
1982-01-23 回8107ㇾ EF58138 50系客車 新製車回送 東海道本線:大井町付近