アントンKの場合、鉄道趣味の原点は模型だったが、いつの日か写真撮影の方へと時間を費やすことが増えていき、ある時から模型は休止して撮影に専念するようになった。模型は将来またいつでも戻れるといった気持ちがあり、その時間があるのなら撮影に全力を注いだ方が良いと考えたからだ。記録するという意味では確かにそうで、当時ダイヤ改正ごとに消えていく魅力的な車両たちが多々あり、どちらも趣味にして活動する余裕が無かったのだ。しかしあれから30年以上の月日が経った今、再び模型をいじろうという気持ちは起きていない。今後についても不明だが、何気にプラレールが楽しいから、一気に開花してしまうこともあるかも?と他人事のように考えている。
少年時代、ブルートレインや電気機関車には憧れていたが、もっと身近な鉄道車両として大好きだったのは、165系電車だった。当時は特急には乗らず(乗れず)、普通と急行を組み合わせて出かけていたからか、153系、165系、169系、455系列にはよく乗車して思い入れが強いのだと思う。特に今回掲載する中央東線の「アルプス」「かいじ」は一番乗っただろうし、いくつも長いトンネルを抜け上り勾配をモーターを唸らせながら走る姿は心に今も焼き付いている。下り方のクハ+クハ+モハ+クモハと繋がる編成はここ独特で、後方のサハシ+サロ+サロ・・・と続く12両編成の急行には、いつも憧れていたことを思い出す。
この画像では、下りクハ+クハに編成が良くわかるはず。ご存知、初狩のスイッチバックを軽快に通過する急行「アルプス」。国鉄全盛期を思わせるシーンだろう。
これは、笹子峠を越え一気に下る急行「アルプス」。この辺りは、Sカーブで蛇行しながら大月へと向かっていく。天候が暗転してしまい、雨が降り出し心細くなって撮影した1枚。前照灯が点いていないことが悔やまれる。
(1枚目) 1975-11-23 1403M Tc165-145 初狩-笹子
(2枚目) 1976-05-13 1403M Tc176-71 初狩
(3枚目) 1975-11-23 8402M Mc165-84 初狩-笹子