最近では、毎月必ずと言ってよいほど設定されている甲種鉄道車両輸送。雑誌にも掲載され情報も得やすくなった昨今だが、昔に比較すれば機関車けん引というだけでファンがこぞって撮影に向かう現状には、少し閉口してしまう。それだけ魅力ある被写体が減少してしまったのか、単純に撮影者人口が増加したからか、よくわからないが、自身はここの所少し足が遠のいている。
現在の撮影は、ネットを駆使して事前におよその情報を掴んでから動く時代。人気のある機関車が出番となるとファンはあふれ返り、その逆だと誰もいないような「極端な」現状なのだそうだ。アントンKももちろん事前情報は知りたいし、知るためには労力をも惜しまないが、誰もが皆同じような考えや写真を撮影して、それだけで心を満たしているのだとすれば、少し寂しく思えてしまうのだ。やはり趣味の世界には、一つの自分なりの独自性が必要だといつも考えている。撮影した写真にも、自分なりのウンチクが存在してこそ、撮影した写真の価値も上がると思う。普段からそんなに難しく考えている訳ではないが、若い諸君等を見ていて、ふと考えてしまうことがあるのだ。
またまた古い写真で失礼してしまうが、東海道本線を上る東武鉄道の甲種回送列車。この時は冬場のようだが、日の長い今の時期、また新たな想いを抱いて線路端に立ちたいものだ。
1991-01-30 甲種9888ㇾ EF651006 JR東日本/東海道本線：平塚付近