貨物列車がにわかにブームになりつつある昨今の撮り鉄たちの状況。〇〇鉄と分類することは好まないが、普段は車両にカメラを向けている方々、特に機関車ファンは貨物列車へと趣味領域を広げているようである。貨物の機関車は、最近になって次々と国鉄色へ回帰していて、格好の被写体になるのだろう。確かにそれまでの更新色と比べることに意味がないくらい、印象や画像にした時の重みが違ってくる。不思議なものだ。その塗装から数々の栄光のシーンや遍歴までも感じてしまうらしい。いずれにせよ、現存しているEF65PFやEF66などは国鉄型機関車で、もはや古い機関車と形容するに相応しい。この現実を受け止めて、今一度初心に立ち返ろうと考えている。
黒い2軸貨車をけん引するEF65PF。現在では、ほとんどの貨物列車がコキで組成されたコンテナ列車となっている。専用コンテナを連ねた列車も登場し、それはそれでそそるものがあるが、やはり昔と比べるとバラエティに欠けるのは致し方ない。どこでもいつでも見られた貨物列車だから、当時は決して消えることはないと思い、全く重要視していなかった。それこそよほど光が良いとかでないと、シャッターは切らなかったように思う。それは現代のカメラからすれば考えられないことだが、当時の1コマは今とは違って随分重みがあったのだ。アントンKも、当時は貨物列車を撮影するための遠征はほとんど記憶になく、こういったよく見られた何の変哲もない貨物列車の画像は、あまり残されてはいない。日常の記録こそ将来の記憶に多大な影響があるのだ。
1981-12-30 EF65PF 東北本線:古河付近