アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

バケペン(PENTAX67)の思い出2

2019-06-04 15:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

最近では、客車列車そのものが貴重になり、全国でも数えられるほどまでに縮小してしまった。つまりこれは、機関車の衰退を意味しており、鉄道ファン、中でも機関車中心の趣味活動のファンの方々は暗黒時代に入ってしまうかもと危惧していることだろう。機関車から入ったアントンKも、長年の蓄積からか昔のようなこだわりはとうに無くなり、機材も日進月歩であるから、今では新たな写真表現の方に興味が沸いている。好ましく思えない被写体も、撮り方一つで今まで気づかなかった表情が生まれることの新鮮さに喜びを覚えるのだ。全て自己流の世界で、辞めたり諦めなければ可能性は無限大なのだ。

また国鉄時代の古いものから1枚掲載しておく。

アントンKが諸先輩方のペンタックス67の画像に大きく影響を受け、ようやっと自分も手にしてから1年くらいが経った頃、やはり先輩方の言葉を信じて流し撮りを絶えず練習していた時期のものだ。このペンタックス67というカメラは、高速シャツターは1/1000秒までであり、被写体を大きく写すと厳密に言えばブレを起こしてしまう。これを少しでも解決する方法として、被写体に合わせてカメラを振る撮り方をよくやった。今のようにカメラ自体がオートフォーカスではないから、おのずとシャッターポイントを決めておくが、カメラを動かしながら、決めたポイントでシャッターが切れるかが慣れるまで苦労した想いが残っている。もちろん連写など出来ないし、一発集中でシャッターを切る訳だ。そんなお陰で随分自信もつき、今にして思えば、こういった個性的な癖の強いカメラだからこそ、そのカメラの弱点を自分の努力で克服しようとしたことで愛着が沸き、自分の魂が注ぎ込まれたカメラとして、今でもそばに置いておきたいと思えるのだろう。

流し撮りと言っても色々な画像を見ることができるが、アントンKの場合、背景が線のようになるまで流れている画像は好まない。だから流し撮りというよりは、ぼかし撮りと言えるかもしれない。そして肝心な被写体は、当たり前の話だが出来る限りくっきりしたピントが欲しい。被写体を捕らえる角度によっては不可能な場合も多いが、点ではなく限りなく大きな面で綺麗に写したい。これが流し画像の理想形だが、なかなか思うようにいかないのが写真の奥深さというものだろう。

この時代、正月明けによく繰り出ていた東北本線。天気が悪くカラーポジはおろか、ペンタ67のモノクロでさえ、まともに撮影できない状況が襲ってくる。こんな時は迷うことなく流し撮りだった。雑木林のなかを駆け抜ける宇都宮区のゴハチEF58103号機。夜を徹して走ってきた12系客車も、今では貴重に感じる時代。当時はそんなこと微塵も思えなかったのに・・・

1980-01-04    8406ㇾ  EF58103  津軽52号 東北本線:古河-栗橋