アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

ベルナルト・ハイティンク 引退!

2019-06-21 18:00:00 | 音楽/芸術

衝撃的なニュースが飛び込んできた。オランダの指揮者であるベルナルト・ハイティンク(1929-)が9月の演奏会を以って引退するとのこと。これは突然聞かされたことで、アントンKも衝撃を受けている。

いつの間にか、という表現は正しいのかわからないが、指揮者ハイティンクも今年90歳だそうで、日本でも人気のあるプロムシュテットとともに巨匠指揮者の域に入っている。3年前にスクロヴァチャフスキが93歳で来日し、我々のためにブルックナーを演奏して、アントンKの中では大変印象深い演奏会の一つになっているが、ハイティンクの実演奏はもう聴くことは出来ない。そう思うと、いささか切ない気持ちになってしまう。

ハイティンクの演奏会は、昔来日時に聴いているはずだが、特に強烈な印象は残ってはいない。イギリスのオケでブルックナーの第9交響曲を演奏し、第1楽章のコーダでティンパニを二人で叩かせていたことぐらいの印象だが、これも記録を調べてみないと定かではないことをお断りしておく。といった具合に、アントンKにとっては、ベルナルト・ハイティンクという指揮者は今まであまり馴染みにはならなかったのだ。ㇾパートリーは広い方で、録音もかなり多い部類の指揮者に入るはず。どの楽曲に対しても、真摯に生真面目に譜面に向かっているのが、鑑賞していてもわかり、奇手は狙わない穏やかな指揮者のイメージだった。アントンKがまだ学生時代に、すでにマーラー、ブルックナーの全集が出ていたが、どれも詰まらなかった印象がある。70年代の当時では、往年の指揮者たちが世界中に活躍していた時代であり、独自性の際立った指揮者たちからは、一歩下がった印象だった。特に当時から良く聴いていたブルックナーに関しては、全く良いところが無く、レコードの針を何度途中で上げてしまったことか・・・しかしハイティンクも年齢を重ね、いわゆる円熟の境地での最近の演奏では、どの楽曲でも、ハッとさせられる場面も発見できるのである。

今年9月に予定されている最後の演奏会は、ブルックナーの第7だそうで、できることなら実演奏を鑑賞してみたい。本当の意味での白鳥の歌を聴き、長年の活躍にエールを送りたいのである。