今年で碓氷峠(横川-軽井沢間)が廃止になって15年が経った。何だかアッと言う間であった印象だが、その間思い返せば色々なことがあったが、この話を聞かされたときは、まさか信越線が寸断されるなんてことはない、嘘だろ?と疑ったもの。しかし時間はどんどん過ぎて現実のものとなった。何度かここで書いたが、当時仕事の関係で、群馬県へたびたび訪れていたので、この信越線の碓氷峠にはある時期頻繁に通っていた。まだ廃止なんて夢にも思わぬころ、機関車が三重連になる、客車団臨の上り列車の運転日に峠に入った。こうやってポジを見てみると、反省点も多く、大した作品は残せなかったが、やはりこういった全国唯一の特殊線区は存続していて欲しかった。
掲載写真は、まさに本日をもって廃止される、1997年9月30日の最期の特急「あさま10号」上野行き。軽井沢から急勾配を下り、48パーミルで勾配を降りてきて、トンネルを抜け、熊ノ平信号所(跡)に進入、レベルになったところを捕らえたもの。今見ても、なかなか観られない勾配の角度だ。ロクサンの重連は、下り列車(上り勾配)は意外や速度が速かったが、山を降りる上り列車は、ゆっくりゆっくり足を踏み固めるように降りてきた。ロクサン独特の甲高いブロアー音が峠に響き、列車が近づいてきたことを知らせる。目の前を通過するロクサンからは、熱風が陽炎のように立ち上がり、それに続く189系電車は、この区間、台車のエアを抜いて走行しているため、走行音も、いつも聞くものとは違い、重くズッシリと、「ダダン・・ダダンダダン・・ダダンダダン・・」と地響きを立てながら走っていく。写真のロクサン25号機は、ラストナンバーだが、かくしゃくたる山男の顔には、物干しざおのようなアンテナが着けられ、ラスト数カ月前から塗装も茶色にされて、いよいよパンタを下す時が真近になったことを物語っていた。左端には、必死でカメラを追う同業者が写っているが、この日だけは、一種のイベント的な盛り上がりがあって、撮影者も気にせずシャッターを切ったことが懐かしい。
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1997(H9)-09-30 3010M EF6325+24 189系 あさま10号 横川-軽井沢(熊ノ平)
Nikon F3P Nikkor 300mm F2.8S+TC14BS RDP2+1/3
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