雨の中を歩く…
傘もささずに…
濡れてもいいと
思ったとたん
雨足は強くなり、
泣くのにちょうどいい
雨の中
涙と雨の雫が
混じって
敗北者には
お誂え向けの雨だから…
笑いながら
雨に濡れながら
歩いて帰れるさ…
若い時、傘をさすこと、
傘を持つのが面倒で…
ましてや…
用意周到で 折りたたみの傘を持っているのなんて
もってのほかで…
傘を持たない美学があった。
傘を用意しないのは
女の子の傘に入れてもらおうと
する下心。
と、
それと傘を持たない ワイルドで、
硬派男子をアピール
する意図があったり…
硬派を気取っていても、
考え方は軟弱だから
エセ硬派なんだけれど…
雨ってやつは
朝から降っていたのなら
諦めて傘をさして
登校するけれど
傘じたい持つことが非常に
面倒なのと、忘れてしまうのと
「ほら!やっぱり降ってきた…」的な雨は 厄介で…
ちょっとのことは
濡れて走って帰ることが
カッコいいと自分は思い込んでいたわけだから…
小雨なら 普通に余裕かまして
普段のように歩いて…
Walking in the rain なのだ、が……
振り出した雨の中
帰りの道すがら
友だちと、
女子の傘に入れてもらう
のはどっちか?
賭けながら
よく、女子に
「入れて?」なんて言い寄って
みては
傘 持ってないアピールしていた。
女子も恥ずかしいのか
ただ、笑顔をかえすだけの
子だったり、すんなり
相合傘にはなれなかった。
いつも、僕は負けて、そのまま 雨に濡れて、走り去っていくパターン
だった。
雨…敗北者のイメージが
僕の中にはあるし、
涙雨とか
雨って
なぜか悲しい、暗いイメージなんだな…
「雨に唄えば」なんて歌もあったけど
そんな楽しい感じの歌なんて
でないのだ。
雨の日は
日が暮れて暗くなるのが早いし、
「あー終わった、終わった!今日はおしまい!」って
早々ときりあげるのも
雨の日ならでは…
塞ぎ込みがちな雨の日
せめて、
好きな歌でも聴きながら…
カラッと晴れた
梅雨の晴れ間が恋しい…